「聖地X」今回は少しネタバレしてしまいました。私は気に入った作品ですが万人にはどうかなぁ。 | ゆきがめのシネマ。劇場に映画を観に行こっ!!

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観てきた映画、全部、語っちゃいます!ほとんど1日に1本は観ているかな。映画祭も大好きで色々な映画祭に参加してみてます。最近は、演劇も好きで、良く観に行っていますよ。お気軽にコメントしてください。
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「聖地X」を観てきました。

 

ストーリーは、

夫・滋との生活に嫌気が差した要は、兄・輝夫が暮らす韓国の別荘を訪れる。突然の来訪に驚く輝夫だったが、滋のだらしなさを聞き、妹の心の傷が癒えるまで一緒に過ごすことを決める。そんな兄妹はある時、奇妙な力の宿った未知の土地に、知らずに引き込まれてしまう。有能な祈祷師も太刀打ちできず、その力は、神にも悪魔にもなると言って去って行った。忌々しい土地に根付く不思議な力の呪縛から、彼らは抜け出すことが出来るのだろうか。

というお話です。

 

 

小説家志望の輝夫は、父親が遺した別荘のある韓国に渡り、悠々自適の引きこもりライフを満喫中。そこへ結婚生活に愛想をつかした妹の要が転がり込んでくる。

しかし、韓国の商店街で日本に残してきた夫の滋を見かける要。その後を追ってたどり着いたのは、巨大な木と不気味な井戸を擁する和食店。無人のはずの店内から姿を現したのは、パスポートはおろか着の身着のまま、記憶さえもあやふやな滋だった。



 

輝夫と要は別荘で滋を捉え、滋の携帯に電話をしてみると、滋が電話に出る。混乱した要と輝夫は何度か電話をすると、滋の上司である星野が電話に出る。星野に事情を話すと、滋はいつも通り会社に出勤しているという。では輝夫と要が捕まえた滋のような男は一体誰なのか?東京にいる滋の写真を送って貰うと、本当に滋だった。

さらに妻の京子が謎の記憶喪失に襲われた和食店の店長・忠は、「この店やっぱり呪われているかもしれません」と言い出す始末。日本人オーナー江口いわく、店の建っている土地では、過去にも同じように奇妙な事件があったことがわかってくる。



 

負の連鎖を断ち切るため、強力なムーダン(祈祷師)がお祓いを試みるも、封印された“気”の前には太刀打ちできない。この地に宿るのは神か、それとも悪魔か? ムーダンたちは、恐れて帰ってしまう。

果たして、彼らはここで繰り返されてきた数々の惨劇から逃れ、増幅し続ける呪いから解放されることはできるのか!?(公式HPより) 後は、映画を観てくださいね。

 

 

とっても前川さんらしい、劇団イキウメの雰囲気のストーリーでした。これ、舞台で観たら、面白いんだろうなぁ~。以前の「散歩する侵略者」もそうだったんだけど、舞台劇を映画化すると、スケール感が変わるからなのか、ちょっと違和感が出ちゃうんですよねぇ。

 

きっと、舞台だと聖地Xとなった店だけで、ほとんど話が展開するんだと思うんだけど、輝夫の別荘が出てくるから、この2か所で話が進んで行くので、イマイチ、バタバタしているように見えてしまうんですよ。だって、ずーっと聖地Xで話が進むなら、何が起きるか解らないんだから怖いでしょ。だけど、別荘という逃げ場があるから、恐怖が半減するような気がしました。

 

公式HPのあらすじにあるから、これネタバレじゃないと思うけど、滋が要の前に現れて、だけど東京にも居ることが解り、あれ?二人いるのねって事が解るんです。では、この要の前にいる滋は誰なのかという事が問題なんだけど、滋なんですよね。それが、聖地Xの不思議なんです。井戸と大木が隣り合っていて、この2つに、何か不思議な力があるようなんです。

 

 

だけど、ムーダンが言ったように、神にも悪魔にもなる。私が思うに、この地の霊はとても純粋で、その地で人間が願う事を叶えてくれようとしているのではないかと思うんです。それが、純粋過ぎるが故に、おかしなことになっちゃうんじゃないかな。だから、悪い霊ではないような気がしました。使い方によっては神になりますよねぇ。私なら、来る人に箱を渡して、「宝くじが当たったので、この箱に入っている金額の一割をあなたに上げますよ。」と言うと、その人が想像する金額がそこに現れる訳でしょ。そしたら、1割を渡して、あとの9割を貰えば良いよね。ボロ儲けじゃん。でも、そのお金がいつまでそこに存在するかだけど、使っちゃえば良いんでしょ。うーん、もっと色々な事を考えつきそうだけどな。あ、ごめんなさい、この部分、ちょっとネタバレになっちゃっていますね。

 

ここに出てくるキャラクターたちですが、みんな良い人ばかりなんですよね。私なら、この力を使って悪い事をしたり、無駄な人は殺しちゃえばいいじゃんって思ったり、極悪な事を考えるけど、誰もそんな事を考えずに、素直に問題を解決しようとしていたので、ちょっと物足りなさがあったかな。コメディ的な部分もあったから、もっと極悪部分も作ってみても良かったのではと思いました。だって、ムーダンが出てきた時は、本当にホラーにズッポリ行ってしまうかと思ったんですもん。

 

 

だから、この映画、ホラー映画ではなく、コメディ部分が大きいと思いました。私、ホラー映画だと思って行っちゃったから、ちょっと拍子抜けした感じがあります。もちろん、面白かったんですけどね。この”イキウメ”の雰囲気を知っている人には、きっと、楽しめると思います。シックリきますもん。

 

岡田さんがおかしなっちゃうのかなと思っていたのですが、そうじゃなかったので良かったです。「CUBE」で、恐い岡田さんを観たので、今回はいつもの優しい岡田さんが見たかったんですよ。良かった、優しい岡田さんで。渋川さんや緒方さん、山田さんがイイ味を出していました。私、渋川さんがとっても好きで、本当にたくさん映画に出ていらっしゃって、嬉しいです。

 

 

私は、この映画、お薦めしたいと思います。コメディホラーと思って行けば、十分に楽しめると思います。劇団イキウメを知っている方は、いつもの雰囲気なので、もやもや~んと楽しめると思います。いつも前川さんの作品を観る度に、”星新一”や、”レイ・ブラッドベリ”を思い出すのよねぇ。うーん、私は大好きですが、この雰囲気を映画にするのは、結構、難しいのかな。面白いんだけど、何か霞を掴むような感じがあって、万人が好むかというと、難しいかもしれません。ぜひ、観に行ってみてください。

ぜひ、楽しんできてくださいね。カメ

 

 

「聖地X」