「半狂乱」の試写会に行ってきました。公式SNSサイトで募集をしていて、マスコミ試写会に参加させてくださったんです。
ストーリーは、
舞台公演、初日。開場を待つ200人の観客の裏では、着々と開演準備が進められていた。しかし、座長の将は、不安を抱えていた。なんと劇団員のカバンの中から《差出人不明の100万円の束》が発見されたのだ。一体これは、《何の金》そして《誰の金》なのか?困惑する劇団員たち。しかし将には、「心当たり」がある様だった・・・。
というお話です。
舞台公演、初日。開場を待つ200人の観客の裏で、着々と開演準備が進められていた。しかし、座長の将は、不安を抱えていた。劇団員のカバンの中から差出人不明の100万円の束が発見されたのだ。一体これは、”何の金”そして”誰の金”なのか。困惑する劇団員たちだが、将には、「心当たり」がある様だった。
今から半年前。劇団員たちは苦悩していた。夢を追いながらも変わらぬ日々に行き詰っていたのだ。彼らが考えたのは大規模な舞台公演。大きな劇場を満員にし、業界人を呼んで俺たちの力を証明しようというのだった。しかし、資金のない彼らにとって、それはかなわぬ夢物語。俺たちは社会のゴミでしかないと考えるようになっていた。
そして現在。彼らは大きな劇場の大舞台に立っていた。全てを賭けた芝居が始まったのだ。満席の客席には、招待した業界人もいる。実力を魅せると意気込んで挑んだ大舞台。しかし、その思惑は一瞬で崩れ落ちる。舞台袖で事故が発生し団員の一人が瀕死の重体に陥ったのだ。今、彼らにできる事は、公演を中断し、救急車を手配することだった。
また半年前を思い出す。チンピラに絡まれた団員達は、ヤクザから借金を負わされ、特に団員の樹志は精神的な限界を迎えていた。そんな樹志が、自らの命を絶とうとしたその時、樹志の前に一人の女性が現れ、「雪乃」と名乗り、彼を死の淵から救い出す。彼女の優しさに樹志は徐々に心惹かれ、「ゴロツキではない自分の姿を雪乃に見せたい」と思い出す。そんな彼の想いが届いたのか、舞台公演を実現する方法が見えてきた。ある事件に巻き込まれるまでは。
現在。全てを賭けた舞台が崩れ去ろうとしていた。きっかけは1つの事故。座長の将は、遂に中止を判断。しかし、樹志は反発した。「中止などありえない。どれだけの犠牲を払ってきたか分かっているのか!」樹志は、劇場の扉に鍵をかけ、日本刀片手に観客を脅し、監禁し始めた。「舞台を再開する!終わるまで誰も出さない!もう誰も信じない!」そう語る樹志の瞳は、正気を失っていた。それは絶望に満ちた”狂宴”の始まりだった。(公式HPより) 後は、映画を観てくださいね。
この映画、「狂覗」、「超擬態人間」の藤井秀剛監督作品です。今回も凄いインパクトのある作品でした。始まると直ぐに、顔にドクロっぽいメイクをした俳優たちが、舞台の用意をしていて、どんな舞台が始まるんだろうという期待と共に、何か不穏な空気も感じられるんです。そして、何故か、100万円の入った封筒がバッグの中から出てくる。観ている方は、何なの?と思うんだけど、それがきっかけとなり、現在と半年前の時間の行き来が始まるんです。
現在の舞台が出来るようになったのは、半年前に起こった出来事が始まりという事が解り、その出来事が描かれていきます。ちょっと説明が面倒で、解りにくいかなぁという感じもしましたが、団員がどういう出来事にぶつかり、何がきっかけでお金を手に入れて、公演が開けるようになったのかという事が解ってきます。
ちょっとチンピラの事とか先輩の反社の人とかが、イマドキ現実的じゃない気がしましたが、とりあえず追い詰められる要素としてはあり得るのかなと思いました。そして、絶望から一転、未来を見始めるところが単純なのですが、男性なんてこんなもんですかね。ま、女性でもそうかな。
そこから勢いづいて、転がるように公演開始まで進んで行きます。あー、こんな事してお金が手に入ることになっていたんだって事が描かれていき、ちょっと、この辺りはおマヌケだったりして楽しめました。少し気が抜ける部分だったかしら。おいおい、そんなんで大丈夫なの?っていうような事を平気で計画して行くので、笑ってしまいました。
そして公演の幕が開きます。彼らの全てを賭けた舞台が始まるんです。凄い迫真の演技で、誰もが何が真実で何が嘘なのか判らなくなっていく程の舞台。観ている方も、いつ、どう変わっていったのか、よく解らないほどに、展開が変わっていきます。それが、面白かったです。その部分は、上手いなぁと思いました。観ている方も追い詰められて行くような感覚になり、何がどうなるのか、ドキドキハラハラの連続になります。この部分は、面白かったなぁ。
ネタバレは書けないのですが、幾つかの部分で、よく解らないと思った部分がありました。100万円のお金の件は解ったのですが、座長の将が、何処から考え動いていたのかがイマイチ判りませんでした。樹志は素直だし、本当はとっても良い奴だからこそ、こうなったのだとは思いましたが、ちょっと可哀想だったな。いや、でも、この展開は想像がつきませんでした。凄かったです。
何度か半年前に戻っての説明がありますが、もう少し解りやすくしてほしかったかな。途中でこんがらがっちゃうんです。半年前の出来事と、公演当日の出来事と、続いているからこうなると思うのですが、その辺りが難しかったなぁ。だって、チラシってそんなに前に配布しないですよね。それにバーで話している時、3ヶ月って話が出ていて、あれ?半年後じゃないの?って思ってこんがらがりました。私の観間違いかしら。
映画としては、あまり細かい部分をツッコまなければ、凄く面白い作品だなと思いました。俳優さんたちも、スゴイ演技で、それこそ半狂乱になっているように見えるので、面白かったです。これこそ、半狂乱って奴ですかって感じでしたね。
私は、この映画、お薦めしたいと思います。超を付けたいほど面白いんだけど、舞台上での展開でちょっと虐め的な部分があって、私、”小山田”記事を思い出して躊躇してしまいました。でも、本当に映画としては、面白いです。まだ、あまり公開劇場は決まっていないようですが、これから増えてくれると良いなと思っています。私は、「狂覗」以上に衝撃的な作品だと思いました。ぜひ、観に行ってみてください。
ぜひ、楽しんできてくださいね。
P.S :ヒューマントラスト渋谷で11月12日よりロードショー予定です。
「半狂乱」