「アウシュヴィッツ・レポート」残酷なアウシュビッツの真実を伝えるために必死で脱走した二人。 | ゆきがめのシネマ。劇場に映画を観に行こっ!!

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「アウシュヴィッツ・レポート」を観てきました。

 

ストーリーは、

第2次世界大戦中の1944年、ユダヤ人が収監されたアウシュビッツ=ビルケナウ強制収容所で、殺害される人々の遺体記録係をしているスロバキア人のアルフレートは、ナチスドイツによる残虐な行為の証拠を持ち出し、有力者に届けるために脱走を企てる。協力した仲間たちは執拗に拷問されるが話さない。アルフレートたちはホロコーストの真実を世界に伝えるため国境を目指す。奇跡的に救出された2人だったが・・・。

というお話です。

 

 

1942年に、ユダヤ人が収監されたアウシュヴィッツ=ビルケナウ強制収容所に二人の若いスロバキア系ユダヤ人のアルフレートとヴァルターが収容された。アルフレートは、過酷な労働を強いられて殺害される人々の遺体記録係をしている。

 

1944年4月10日、アルフレートとヴァルターは、ナチスドイツによる、その残虐な行為の証拠を持ち出し、世界に発信できる有力者に訴える為に脱走を企てる。ガス室で子供が何人女性が何人、男性が銃殺刑で何人など、遺体の記録を付けているアルフレートは、その記録をコッソリと他に写して集めていたのだった。

 

その日、労働に出て資材置場の下に穴を掘って隠れた二人は、何日かそこで過ごし、探すのを諦めた頃に逃げる事にしていたのだった。彼らと同じ宿舎の人々は、執拗に脅され拷問されても、決して二人の事を話すことは無く、死ぬ者も出たが、その場を持ちこたえた。

 

 

周りが静かになり、コッソリと穴を抜け出したアフルレートとヴァルターは、収容所を出て、何層にもなるフェンスを抜けて、外で駆け出した。途中で怪我をしたり、何度も挫けそうになるが、仲間の事を思い、決して諦めず、国境を目指していた。

 

途中で協力者が現れ、奇跡的に救出された2人は、赤十字職員にアウシュビッツの実態を告白するのだが、自分たちには何も出来ないと言われてしまう。そして、出来る事と言えばと言って、タイプライターを渡される。

 

二人は、アウシュヴィッツの内情を描いた32ページにも渡るレポートを完成させた。収容所のレイアウトやガス室の詳細などが書かれたレポートは、非常に説得力のある内容で、このレポートは「ヴルバ=ヴェツラー・レポート(通称アウシュヴィッツ・レポート)」として連合軍に報告され、12万人以上のハンガリー系ユダヤ人がアウシュヴィッツに強制移送されるのを免れたのだが・・・。(公式HPより) 後は、映画を観てくださいね。


 

今、私たちは、ナチスドイツによって行われたことを、色々な情報から知っていますが、その頃は、誰もナチスドイツがそんなことをしているとは知らず、戦争中なので、敵国の事なんて、そんなに解らなかったのだと思うんです。沢山の人が死んだことになっているけど、おかしいなぁというくらいだったのでしょう。そこへ、脱走した二人が現れて、真実を話したからこそ、残虐な行為が公になり、二度とこんなことが起こらないようにと、色々な国際基準が出来たのだという事が解ります。

 

アウシュヴィッツでは、沢山のユダヤ人が集められて、毎日のように殺されていたようでした。死体は山ほどになっていて、生きている人たちも労働させられているけど、食事もろくに与えられず、いつ死んでもおかしくないような状態でした。こんな残酷な事は許されないと誰もが解かっているけど、何処からも助けは来ず、誰もナチスドイツを止めることが出来なかったんですよね。恐ろしいと思いました。

 

 

二人は脱走して赤十字に駆け込むのですが、赤十字もそれほどの力は無かったのかなと思いました。何故なら、アウシュヴィッツに査察に入ったらしいのですが、その検査員たちは事故で亡くなったらしいんです。どう考えても殺されたんだなーって解るのに、赤十字の人は査察後に事故で亡くなったという報告だったというだけなんです。きっと、解っていても、あまりのドイツの勢いに言えなかったんでしょうね。

 

なので、赤十字はアメリカ(連合軍)に報告はすると言っているのですが、それ以上の事は言わないんです。連合軍も、アウシュヴィッツに攻撃にも行かないんですよ。真実は伝わったけど、何人かは助かったんだけど、でも、あの収容所に既に入っていた人たちは、助けられていないんです。

 

少し、ネタバレになりますが、結局、このレポートが出版されたのは、それから7年後であり、彼ら二人が望んでいたようには動かなかったんです。それでも、アウシュヴィッツに強制収容される事を免れたユダヤ人の人々がいて、助かった命は沢山あるのですが、彼らと一緒に収容されていた仲間たちは、助けることが出来なかったと思うと、悲しい気持ちになりました。

 

 

映画の最後に画面に「過去を忘れる者は必ず同じ過ちを繰り返す」という言葉が出て、現在SNSなどで流されている酷い言葉が流されます。あれだけ残酷な事をして、もう決してあんな事はしてはいけないと言いながら、ヒトラーを崇拝する人間や、邪魔者は排除しろというような言葉を平気で書く人間がいる事に、警告を鳴らしていました。

 

人間だから、そりゃ、人を憎んだりすることはあると思うけど、それは自分の中で整理するべきじゃないの?SNSとかで批判をしたり、差別をしたり、嫌がらせをするような行為を続けていたら、その内、ナチスドイツのように酷いことをする人間が出てきてしまうかもしれない。やっぱり、ある程度は取り締まる必要があるし、危険な思想を持っている人がいたら、それは間違っていると声を上げないといけないですよね。

 

 

オリンピックでも、選手の方に酷い言葉を投げる人がいるようですが、努力をして、あそこまで行った方々を称賛するならまだしも、批判するなんて言語道断でしょ。それなら、あなたが行ってみなさいよって言ってやります。何も出来ないくせに、人に文句を言うなって。努力をしない人間には、何も言う権利は無いんです。

 

この映画でも、脱走した二人は、死にもの狂いで国境を目指します。ボロボロになって、それでも前に前に進んで、少しでも早く行かないと、1日に何百人も殺されるんですから。確か1分に何人って言っていたかしら。忘れてしまいましたが、映画の中で、1時間に何人、1分に何人と計算しているんです。ゾッとしました。

 

 

私は、この映画、お薦めしたいと思います。事実を基に作られた映画で、恐ろしい内容ですが、歴史上、こんな事があったという事を知るためにも、観るべき映画かなと思いました。死体などの描写もあるので、一応、そういう事も認識した上で観に行ってください。良い映画だと思います。ぜひ、観に行ってみてください。

ぜひ、楽しんできてくださいね。カメ

 

 

「アウシュヴィッツ・レポート」