「ブータン 山の教室」を観てきました。
ストーリーは、
ミュージシャンを夢見る若い教師ウゲンは、ブータンで最も僻地にあるルナナ村の学校へ赴任するよう言い渡される。1週間以上かけてたどり着いた村には、「勉強したい」と先生の到着を心待ちにする子どもたちがいた。ウゲンは電気もトイレットペーパーもない土地での生活に戸惑いながらも、村の人々と過ごすうちに自分の居場所を見いだしていく。
というお話です。
現代のブータン。教師のウゲンは、変わりの無い教師の職に飽き飽きしていて、歌手になりオーストラリアに行くことを密かに夢見ている。だがある日、上司から呼び出され、標高4,800メートルの地に位置するルナナの学校に赴任するよう告げられる。教育長は、あまりにもウゲンにやる気が無く、あと1年の任期を無駄に過ごさせるのは良くないと思ったからだった。
一週間以上かけ、険しい山道を登り村に到着したウゲンは、電気も通っていない村で、現代的な暮らしから完全に切り離されたことを痛感する。学校には、黒板もなければノートもない。そんな状況でも、村の人々は新しい先生となる彼を温かく迎えてくれた。
ある子どもは、「先生は未来に触れることができるから、将来は先生になることが夢」と口にする。すぐにでもルナナを離れ、街の空気に触れたいと考えていたウゲンだったが、キラキラと輝く子どもたちの瞳、そして荘厳な自然とともにたくましく生きる姿を見て、少しずつ自分のなかの“変化”を感じるようになる。後は、映画を観てくださいね。
この映画、とっても良い映画なんだけど、これが現実なんだよね~って感じが出ていて、少し寂しくなりました。しあわせの国ブータンと呼ばれているけど、主人公のウゲンは、自分の国に満足していないようでした。ミュージシャンとしてオーストラリアで活躍したいと思っていて、ビザの申請もしているんです。でも、ウゲンにはただ一人の家族である祖母がいて、彼女を置いていくのかと友人に言われると、置いて行くと言うんです。若いから仕方ないのかなとも思ったけど、結構、冷たいんですよね。
そんな心ここに在らずのウゲンに、学校を管理している省庁の偉い人が、彼を山奥の村ルナナの教師として派遣します。ウゲンは、あと1年は教師として働くという契約をしていて、どうしても行かないとは言えなかったんです。そして、無理やりにルナナの教師として向かいます。
このルナナ村、マジで山奥の村なんです。もう少し、便利にしようとか、人が何人も住んでいるんだから、考えたりしないのかなって不思議に思うほどの山奥なんです。日本は島国だし狭いから、この村の大変さを上手く伝えられないけど、だって、歩いて1週間かかるってどうよ。それも、ずっと山を登っていくって、それ、国も何か考えてあげれば良いのに。
そんな村に辿り着き、学校は何処かなって思うと、掘っ立て小屋で、その一角に住んで良いと言われ、トイレも外なんです。もー、無理でしょ。都会から行ったら、絶対に住めないよって思いましたが、帰りたくても簡単には帰れない道のりなので、我慢して先生を始めるんですね。そうすると、子供たちが素直で、目をキラキラさせて勉強をするんです。それが、もう、何ていうのかな、たとえば子猫を連れてきた時に、子猫が”何して遊んでくれるのっ!”って目をキラキラさせるのと同じような感じなんです。凄い期待されちゃってるんですよ。もう、これは逃げられないって言うほど、期待されちゃうんです。それは、もう、逃げられないよね。
そんな子供たちばかりで、ウゲンも教師としてやる気が出てきちゃうんですよ。そりゃそうよね、そんなに期待されちゃったら、頑張りたくなっちゃうと思います。解るなぁって思いました。それに、ルナナ村の人々って、凄く良い人達なんです。都会で暮らしているように、いつも自分本位で、あまり他人の気持ちを考えたりしない人々とは違うんです。そんな事を感じて、段々と、今までの自分が心苦しくなってくるのですが、夏が終わり、学校を閉鎖して下山をする時期がやってきます。
あまりにも雪が深いから、簡易的な家では住めないらしいんです。大変ですよね。その村から帰るんだっていう時期になってきたら、ずっと停電だったのに復旧して、スマホに充電が出来始めたりして、面白い展開だなと思いました。
ブータンでの幸せを知ったウゲンはどうするのか、海外へ夢を求めに行くのか、それとも・・・。これは難しいです。普通の映画なら、簡単に、ここで感動して、ルナナ村に残るとか、次の夏にまた学校に向かうとか、色々と展開して行くんだけど、ちょっと面白い展開になって行きます。それは、映画を観て欲しいのですが、うーん、考えさせられる終わり方でした。
人の幸せって、簡単には測れないから、難しいですよね。お金持ちになりたい人がいたとして、じゃ、お金持ちになったら幸せなのかっていうとそうでもないでしょ。自分の目標と幸せって、必ずしもリンクするとは限らないですよね。目標を達成すれば、達成感はあるけど、その後どうするの?ってなるし、それが幸せとは限らないですから。幸せというものは何ぞやという事が描かれていました。
私は、この映画、お薦めしたいと思います。良い映画でした。ちょっと、複雑な気持ちになりますが、考えさせられて、私は納得が出来ました。ルナナ村の子供たちがとっても可愛いので、その子たちを見るだけでも、この映画を観る価値はあると思いますよ。ぜひ、観に行ってみてください。
ぜひ、楽しんできてくださいね。
「ブータン 山の教室」