「ビーチ・バム まじめに不真面目」を観てきました。
ストーリーは、
かつて1冊だけ出版した詩集が大成功を収め、天才と称賛された詩人ムーンドッグ。その後はずっと資産家の妻に頼り、パーティ三昧で酒とマリファナと女に溺れる生活を送り続けてきた。フロリダの太陽と海に囲まれながら自由気ままな人生を謳歌するムーンドッグだったが、ある出来事をきっかけに、新しい詩集を出版しなければ無一文になるという窮地に陥ってしまう。
というお話です。
ムーンドッグは、かつて天才と讃えられた詩人。しかし今は、謎の大富豪である妻ミニーの果てしない財力に頼り、アメリカ最南端の“楽園”フロリダ州キーウエスト島で悪友ランジェリーらとつるみ、どんちゃん騒ぎの毎日を送っている。浜辺でうたた寝し、酒場を飲み歩き、ハウスボートでチルアウトし、時たま思い出したようにタイプライターに詩をうつ。
ある日、妻から電話が入り、娘の結婚式があるから帰って来てくれという。それは帰らなければと思いながらも、うだうだとビーチで遊びまくるムーンドック。何とか、娘の結婚式にギリギリ間に合うことが出来、対面を保つことが出来た。妻のミニーとは愛し合っており、お互い自由奔放に暮らしながらも、強く思い合っている。
しかし、ある事件が起きて、ムーンドッグは一文無しのホームレスという立場に陥ってしまう。何とか誰かにお金を借りようとするが、ふらふら遊んでいるだけのムーンドックには、誰もお金を貸してくれない。仕方なく、タイプライターと少ない荷物を持って、街をふらつき、他のホームレスと一緒に無茶をして過ごしていた。
人生、山あり谷あり。ふと振り返れば、取り返しのつかないこと、もう決して元には戻らない、失われてしまったものばかり。彼がホームレスから脱出するには、また詩を書き、出版をするしかない。そんな「クロースアップで見れば悲劇」に満ちた世界に、ムーンドッグはルーズな抵抗を試みる。不運には酩酊と爆笑を。不幸には目を伏せたくなるほど下品で、とろけるほどロマンティックなポエムを。
「俺のために世界がある」とうそぶくムーンドッグの、気持ちいいもの、好きなものだけを追い求める超テキトーでポジティブな生き様は、束の間、光を放つ。そしてそれは彼の再起への光ともなり・・・。後は、映画を観てくださいね。
マシュー兄さんの新作映画は、何とも酷く下品で、社会からはハズれた人物でした。このムーンドック、天才作家なのに、1冊本が売れただけで有頂天になり、その後、全く作家活動をせず、朝から晩まで酒を飲み、ドラッグを吸うという毎日を送っており、自宅があるにも関わらず、全く帰らずにハーレム状態で遊んでいるんです。
そんな夫の事を良く分かっている妻ミニーは、それなりに自分も楽しんで好きに生きていて、夫を束縛はしないんです。彼女は凄い大金持ちのようで、どうして大金持ちかは判りませんが、どーも家柄自体が金持ちのなのかなと思いました。二人はお互いに束縛せず愛し合っているので、お互いに浮気をしていても見て見ぬ振り。それで上手く行っているんです。で、彼女との娘が結婚するというので、夫を家に呼び戻すんです。
ミニーは、ムーンドッグが天才だと信じているし、バカな事をしていても作品を書き始めたら、きっと復活すると信じているんです。そういう信頼があるからこその夫婦だったと思うけど、ある事件が起きて、それが崩れてしまうんです。でも、きっと私がミニーだとしても、同じことをしたんじゃないかなぁと思いました。ミニーは、とても頭の良い女性なんです。
そしてホームレスになったムーンドッグは、周りに怒りをぶつけながら、大暴れをして、更生施設に入るか、刑務所に入るか、どちらかを選べと言われ、更生施設に入れられてしまいます。彼の娘が悲しんでいるのに、ムーンドッグは、その新しい場所でも大暴れ。その更生施設で出会うのが、ザック・エフロンが演じる”神父の息子のフリッカー”です。久々のザック、嬉しかったわぁ~!
そして、次に出会うのが、マーティン・ローレンス演じる、イルカツアーを生業とするイルカ船の船長です。ここら辺、ムーンドッグのロードムービー的になっていて、あんまり内容的に意味が無いんだけど、凄く面白いのよ。イルカツアーなのに、何故、サメと間違えるかな?どう考えても違うでしょ。とんでも船長でした。
ムーンドッグは、妻の事を思いながらも、人生の旅を続けながら、生きることの意味や、幸せとは何なのかを考えていたのだと思います。ふらふらと色々な場所を漂いながら、タイプライターに向い、詩を書き始めるんです。うーん、やっぱり天才って凄いわよね。
それで復活出来るかどうかは映画を観て欲しいのですが、ムーンドッグは、また有名になりたいと思っていた訳では無いと思いました。ただ、人生とは何ぞやと思い直したのだと思います。結構、最後の方は感動的でした。
私は、この映画、超!お薦めしたいと思います。私は面白かったです。気に入りました。確かに、マシュー兄さんが壊れていましたが、そういう役ですからね。酷いオッサンでしたが、カッコ良かったです。私は、このマシュー兄さんも大好きです。コロナ禍ですが、ぜひ、観に行ってみて下さい。
ぜひ、楽しんできてくださいね。
P.S: 私は”キノシネマみなとみらい”で観たのですが、人が多かったです。きっと東京とかから越境しちゃっているんだろうなと思いました。来て欲しくないけど、映画が観たいという気持ちも解るし、微妙な気持ちでした。私にとっては、歩いて行ける映画館ということで安全圏だったのですが、これからは、もっと気を付けなくちゃと思いました。
「ビーチ・バム まじめに不真面目」