「レッド・スネイク」を観てきました。
ストーリーは、
イラク西部の少数派ヤジディ教徒の村に暮らしていたザラは、ISの襲撃により奴隷としてISのメンバーに売られてしまう。一方、クルド人を支援している連合軍に各国の女性だけで構成される「蛇の旅団」と呼ばれる特殊部隊が存在する。ISは古い言い伝えで女性に殺されると天国に行かれないと信じていることから、女性だけの部隊を恐れていた。ISのもとから逃げ出したザラは、自らも武器を取ることを決意。生き別れた弟を救うため戦いに身を投じる。
というお話です。
イラク西部の少数派ヤジディ教徒の村に暮らしていたザラは、ISの襲撃により父親を殺され、弟とも生き別れた上、自身は奴隷としてISのメンバーに売られてしまう。イギリス出身のISの司令官に買われたザラは、男の妻と弟と一緒の家に連れていかれ、監禁されて、男の慰みものにされていた。司令官の妻はもちろん面白くなく、ザラの事をよく思っていない。それを逆手に取り、自分が居ない方がよいだろうと話しをすけて、ザラは逃げ出すことに成功する。
一方、クルド人を支援している連合軍には各国の女性だけで構成される「蛇の旅団」と呼ばれる特殊部隊が存在し、ISは古い言い伝えで女性に殺されると天国に行かれないと信じていることから、女性だけの部隊である「蛇の旅団」を恐れていた。
ISのもとから逃げ出し、「蛇の旅団」に救われたザラは、ISに囚われている弟の救出を考え、自らも武器を取ることを決意。兵士になるための厳しい訓練を経て「レッド・スネイク」というコードネームを得た彼女は、生き別れた弟を救い、自分を屈辱した男への復讐のため戦いに身を投じる。後は、映画を観てくださいね。
結構、ショッキングな内容の映画でした。中東の混乱で色々な民族の方々が被害を受けて難民となり、子供たちが拉致されて兵士にされてしまうという、実際に起こっている出来事が描かれていました。そんな戦地の中で、女性だけで部隊を組んでいる人たちがいるんです。厳しい訓練に耐え、いつ撃たれるかもしれない場所を進み、敵と交戦するという事をくり返すんです。
主人公のザラという女性は、19歳でISに拉致されて、奴隷として売られてしまいます。もちろん彼らは性のはけ口として購入するんです。処女かどうかで価値が変わり、ザラはイギリス出身のISの司令官に買われ、彼の妻がいる家で、妻のすぐ横でも性的虐待を受けるんです。この妻もどうかしていると思いましたが、それくらい、女性の地位が低いんでしょうね。驚きました。
そして、何とかその家を抜け出して、女性部隊の所に助けられる事になります。彼女の弟は、まだ8歳くらいなのかな。ISに少年兵として連れていかれ、銃の撃ち方から何からを教わり、何かあれば、身をもって司令官などを守るようにと教えられ、身体に爆弾を撒いて、スイッチを持っているんです。人間爆弾ですよ。子供を盾にして自分たちは助かろうと言う事なんです。本当に卑怯なやり方で、どうしてこんな奴らを崇めて、付いて行くのか不思議でした。
ザラは、連れていかれた弟を取り返す為に、女性部隊の一員となり、敵との戦いに身を投じて行きます。カッコイイんだけど、これをカッコイイと表現して良いのかどうか、悩みますよ。だって、戦争で人を殺しに行くんですから。でもね、誰だって、自分の身体を弄ばれて、その上、弟まで連れていかれたら、そりゃ、復讐してやると思いますよ。綺麗事ばかりではいられないというの、とても理解が出来ました。もし、私もその立場になったら、同じようにしたと思います。自分が殺されたとしても、一矢報いることが出来れば、それで本望だと思えるような気がしました。
そんな女性を描いているのですが、実在の部隊や、起きた出来事をベースにしているので、ちょっと組み立て方や進み方がモタモタしている感じがしました。面白い映画とは思うのですが、その辺りが慣れていないという感じと、何を描きたかったかというのが、女性部隊を描きたいのか、ザラという女性の悲劇を描きたいのか、ちょっと曖昧になっているかなと思いました。
私は、この映画、お薦めしたいと思います。中東で何が起きているのかという事を描いているし、現実はこんなに悲惨なのだということが解るので、観るべき映画かなと思います。でも、結構、キツい内容なので、万人に観て欲しいとは書けないかな。辛いお話なので、それを解かって観に行っていただきたいと思います。ぜひ、観に行ってみてください。
ぜひ、楽しんできてくださいね。
「レッド・スネイク」