「ワン・モア・ライフ!」を観てきました。
ストーリーは、
シチリア島パレルモで暮らすパオロは、いつも通る交差点で交通事故に遭ってしまう。死の瞬間、彼の脳裏によぎったのは愛する妻や子どもの姿ではなく、恋人に告げられた深すぎる言葉や客待ちタクシーの列の謎など、他愛のないことばかり。予想以上に短い寿命に納得できず天国の入口で猛抗議すると計算ミスがあったことが発覚し、92分間だけ寿命を延長してもらえることに。地上に戻った彼はこれまでの自分勝手な生き方を改め、限られた時間の中で家族との絆を取り戻そうとするが・・・。
というお話です。
イタリア、シチリア島。パレルモ港で技師として働くパオロのお楽しみは、交差点を赤信号ですり抜けること。ある日の仕事帰り、いつものように交差点をスクーターで通過中、同じように赤信号を猛スピードで突っ込んできたバンに衝突され、あっさりと即死した。
死の瞬間、脳裏によぎったのは愛する妻アガタと子供たちのこと。ではなくて、恋人に告げられた深すぎる一言や、客待ちタクシーの列の謎など、人生の最期に思い出すには取るに足らないことばかり。
しかし、そんなことよりも、予想外に短い寿命に納得できないパオロは、天国の入口で「健康のためにジンジャー入りのスムージーを飲んでいたのに!」と役人に食ってかかる。すると、寿命計算システムにデータが反映されていない前代未聞の計算ミスが発覚し、92分間だけ寿命が延長されることになったのだ。
監視役の役人に付き添われて天国のエレベーターで自宅に戻ったパオロは、午後7時20分きっかりにもう一度死ぬという事実は秘密にして、タイムリミット寸前まで家族と一緒に過ごそうと決意する。
しかし、普段通りに仕事と家事に忙しそうな妻や娘のアウオラも息子のフィリッポも、突然、センチメンタルになったパオロに違和感を感じていた。パオロは生前、来る者拒まず、後先考えずにママ友や手近なところで火遊びを繰り返しては、家庭サービスを全力で拒否。家族ぐるみで仲のいい友達にも、自分勝手な振る舞いをして呆れられていたのだ。特に思春期真っ盛りのアウオラは、威厳も存在感もゼロの父を毛嫌いしてバカにするほどだった。
身から出た錆とはいえ、家族から相手にされない悲しい現実に打ちひしがれたパオロは、最期の時が迫る中、家族の絆を取り戻すと一念発起。今さら過去の過ちは変えられないが、残された時間で今までよりは少しでも良き夫で良き父だったと偲んでもらえる人間になりたい。しつこくつきまとう役人の監視をかいくぐり、パオロは92分間一本勝負の人生やり直しゲームに挑むのだった。後は、映画を観てくださいね。
とてもイタリア映画っぽい、コメディでした。ある日、いつものようにバイクで通勤中に、交通事故に遭って、主人公のパオロは死んでしまいます。天国の入口で手続き中にミスが発覚し、そのミスの時間分だけ現世に帰れるというお話です。
そのミスが、毎日、マズいスムージーを飲んでいた分の健康的な部分が計算に入っていないというものなんです。スムージーを飲んでいた分の時間は92分。おいおい、スムージーって、人生の92分も補っているんかいって思いました。私には、どう考えても、マズそうなスムージーを飲むよりも、美味しそうなサラダを食べた方が精神的にも良いと思うのですが、イタリアって不思議よねぇ。
でね、その時間分だけ現世に帰って、家族に別れを告げるんだけど、そこら辺もイタリアっぽくて、別れを告げながら過去を思い出すと、パオロも妻も、お互いに浮気をしていたりするんです。うーん、軽ーくちょっとだけ、一晩だけっていうような浮気を沢山していて、こんなに浮気をしていながら、よく、”君だけ。”とか言えちゃうよなって思いました。
突然に事故死とかしてしまったら、やっぱり天国の入口で、あれもやればよかった、これもやればよかったって、騒ぐんだろうなぁ。ま、天国なら良いけど、地獄の入口かもしれないから、地獄だったら、それまでの事よりも、今後の自分が心配で生きている時の事なんて心配している場合じゃないか。
そうそう、このパウロですが、バイクで、交差点が青から赤に変わる一瞬に走り抜けることを日常としていて、信号などで待つのを極端に嫌っているんです。その交差点で事故に遭うのですが、私は、このパウロの性格がとても気に入りませんでした。気分悪い男だなぁと思いました。
だってね、過去の事を振り返ると、妻と付き合っていた時に、彼女を送っていくとどうしても帰りに踏み切りに捕まるからって言って、彼女を玄関口にほおりだして、車で走り去るんですよ。それなら、次の踏み切りが開く時間まで、彼女と話しでもしていれば良いと思いませんか?その余裕の無さが、人間としての狭さで、早死にするきっかけなんじゃないかと思いました。人間、何事も余裕が無ければ上手くいきません。ガツガツするのは辞めて、少し立ち止まれば良いのにね。
まぁ、そんなこんなで、92分間、家族とベタベタするお話なんだけど、うーん、面白いとは思うけど、そんなに感動も無いし、最後で私は、ちょっとガッカリでした。私は、この映画のラストは気に入らなかったです。人にもよるかもしれないけど、映画好きなら、このラストでは、満足しないんじゃないかな。
私は、この映画、お薦めしたいと思います。映画自体は、楽しくて、笑えるコメディですが、最後の最後で、ちょっとガッカリがあります。それはルール違反じゃないの?って思っちゃいましたが、内容は面白いので、お薦めしておきます。ぜひ、観に行ってみてください。
ぜひ、楽しんできてくださいね。
「ワン・モア・ライフ!」