「秘密への招待状」過去を振り返らなくても良いけど、過去に責任は持たないといけないですよね。 | ゆきがめのシネマ。劇場に映画を観に行こっ!!

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観てきた映画、全部、語っちゃいます!ほとんど1日に1本は観ているかな。映画祭も大好きで色々な映画祭に参加してみてます。最近は、演劇も好きで、良く観に行っていますよ。お気軽にコメントしてください。
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「秘密への招待状」を観てきました。今回、少しネタバレがありますので、観た後に読んでいただいた方が良いかもしれません。

 

ストーリーは、

インドで救護活動に人生を捧げるイザベルと、ニューヨークでメディア会社を経営するテレサ。イザベルはテレサに自身の孤児院を支援してもらうため、ニューヨークを訪れる。「娘の結婚式ならゆっくり話ができる」というテレサから結婚式への招待を受けたイザベル。その式場でイザベルが出会ったテレサの夫はイザベルが過去に別れた恋人オスカーだった。さらに、新婦グレイスがオスカーとの間にできたイザベルの娘であることに気づき・・・。

というお話です。

 

 

インドで孤児たちの救援活動に人生を捧げるイザベルは、施設の維持費を集めるために日々駆け回っていた。そんな彼女のもとに、多額の寄付の話が舞い込む。ただし、メディア会社を経営する支援者のテレサにニューヨークまで会いに行くのが条件だ。

ニューヨークへ行くのを拒んでいたイザベルだが、施設の資金難は目に見えており、仕方なく向かう事にする。メディア会社を訪ね、テレサという経営者と面会する。彼女へ資金の使用目的などの資料を渡し、直ぐに寄付を貰えると思っていたが、資料を精査して返答するとの回答だった。話をまとめて一刻も早く孤児たちの元へ帰りたいイザベルに、資料を精査するまでこちらにいて欲しいと言い、テレサは自分の娘の結婚式に強引に招待する。



 

寄付金のために渋々出席したイザベルは、テレサの夫を見て驚愕する。それは21年前、イザベルが18歳の時にいさかいの果てに別れた恋人、オスカーだった。さらに、目の前の新婦グレイスが、オスカーとの間にできたイザベルの娘だと気づく。

 

驚き、動揺するイザベル。オスカーとイザベルは、妊娠時にまだ若かったため、お互いに子供への権利を放棄し、養子に出すという事で合意して別れていたのだが、オスカーは子供をどうしても養子に出すことが出来ずに引き取り、シングルファーザーとして育てている時にテレサと出会ったのだった。

 

 

テレサに、イザベルの事を知っていて呼び寄せたのかというと、全く知らなかったという。イザベルは、オスカーに本当の事を娘に話すように要求し、結婚式の後、グレイスにイザベルが本当の母親であることを告げる。一度は自分を捨てた母親だが、本当の母親に会えたことを喜こぶグレイス。これからは良い関係が続けて行けると思っていたのだが、予想だにしなかったことが起きてしまい・・・。後は、映画を観て下さいね。

インドで孤児たちの救護施設を運営しているイザベルは、その運営資金が底を尽き、国からの支援か寄付を募らないと子供たちを食べさせる事も出来なくなってしまいます。そんな時に、テレサの会社から寄付の話が来るんです。それも200万ドルも寄付してくれると聞き、喜ぶのですが、ニューヨークまで来るようにと言われて、文句を言います。

 

 

寄付して貰うのを当たり前だと思っているイザベルは、最悪だと思いました。あのね、寄付してくれるお金だって、誰かが必死で稼いだお金なの。子供の面倒を見てるんだから貰うのは当たり前だと思うなら、自分が働けって言うのよ。寄付してくれる人と同じだけ働いてみろって思うんです。だから、寄付してくれるお金は、本当にありがたく思うべきでしょ。そのお金で自分も食事を食べているくせに、何言ってんの。

 

このイザベルの性格を解説しているところがあるのですが、オスカーと似ていて、理想を追い求めるって言っていて、確かに理想を追い求めるだけじゃ、施設の運営とかは出来ないよねぇと思いました。運営能力が無いなら、能力のある人に運営を任せなきゃだめですよね。最初の部分で、イザベルの印象は最悪でした。

 

 

そしてテレサのお話に入って行くんだけど、テレサはメディア会社を立ち上げて巨大にし、それを売ろうとしています。凄い能力のある人で、判断がとても早そうでした。能力のある人って、判断が早いですよね。それで失敗しても、じゃプランBにしましょうと切り替えられる人。そんな人物像でした。そして、インドの施設に寄付をしようとするんだけど、ポンッと200万ドルも渡すのではなく、ちゃんと使用目的や運用方法をチェックしようとします。イザベルは、簡単な書類を渡せばお金が貰えると思っていたようだけど、甘すぎるでしょ。で、イザベルをニューヨークに足止めします。

 

そこから、話がどんどん展開して、テレサの夫・オスカーが、イザベルの元カレで、彼の連れ子がイザベルの娘ということが解り、ちょっと動揺します。ここで、テレサは全く知らなかったというのですが、こんな大会社を経営しているテレサが知らないハズは無いですよね。全て調べた上での計画なんです。

 

でも、何故テレサは、今更、イザベルを呼び出したのか。それが、段々と解ってきます。この謎の鍵になるのが、鳥の巣です。テレサが庭を散歩していると、鳥の巣が落ちていて、まだ孵っていない青い卵が3つほど入っています。一つ割れていたかしら。この青い卵、コマドリの卵だと思います。コマドリといえば”クックロビン”。「マザーグース」の”誰が駒鳥殺したの”に繋がるのかなと思いました。コマドリが死に、卵だけが落ちていたら、卵も孵らずに死んでしまうのかなと連想させました。

 

 

この解説を書いてしまうと、ネタバレになっちゃっているかもしれないけど、ごめんなさい。これ、色々な方の感想を読んだけど、誰も書いてくれていなくて、ここが重要でしょってところなので書きました。

 

最初は、もしかしたらカッコーの托卵の事かと思って、テレサに子供を押し付けた形のイザベルに嫌がらせするのかなと一瞬思ったのですが、全く違いました。それとは反対だったんです。うーん、途中で驚きましたよ。
 

イザベルも、疑っていたテレサへの気持ちを改めて、話が動き出します。自分勝手に、色々思っていた憎しみや苛立ちを無くして、テレサが望んでいたことを助ける側に回るようになっていくところが、やっとマトモになったのか、この女って思っちゃった。

 

 

いい気味だと思ったのは、最後の方で、インドに帰って、施設で自分が可愛がっていた男の子に「一緒に行こう。」とイザベルが誘うのですが、子供は「友達と一緒にいるのがいい。」と突っ撥ねます。この場面で、イザベルが一人よがりだった事が明らかになります。子供たちは、自分たちを世話してくれる人と認識しているだけで、別にイザベルを家族と思っている訳ではないんです。そこで、イザベルも自分の無力さに気が付いたんじゃないかな。この部分は、上手いなぁと思いました。

 

そうそう、テレサが言っていた良い言葉がありました。会社を売却したテレサは、大金持ちになり、どうするのかと聞かれて、また一から新しい事を始めると言うんです。そして、「違和感があるのは良い兆し。そこから成長が出来る。」というんです。いつも順調で何も無いのでは、全く成長は無く、ただ下がっていくだけ。成長が無ければ、やる意味が無いと思っているんです。だからこそ、何か違和感を感じたら、ここから新しく成長出来ると思って、果敢に挑むべきだと言っているんです。素敵でしょ。このテレサという人物、とても魅力的な女性でした。

 

 

私は、この映画、超!お薦めしたいと思います。本当は、もう一つ超!をつけたいけど、この映画の良さは、あまり普通に仕事をしている人には解からないかもしれないなと思いました。何かにチャレンジしているとか、向上心を持って挑んでいる人とか、前進あるのみと思っている人には、このテレサのとった行動が解かると思うけど、そうでないと、彼女の行動は理解出来ないかもしれません。簡単に言うと、人のやっている事に難癖付けて、マトモに子供を育てるべきだと言って大金を渡して、その後の生活を変えさせたという事かな。理想だけ追っている女では、子供が可愛そうですからね。私は、とっても共感出来たし、感動したのですが、強引と言えば強引なので、一般的には好かれないかもしれません。面白いですよ。ぜひ、観に行ってみてください。

ぜひ、楽しんできてくださいね。カメ

 

 

「秘密への招待状」