「燃ゆる女の肖像」18世紀ブルターニュの孤島で自由な心を手に入れた2人の女性の恋愛を描きます。 | ゆきがめのシネマ。劇場に映画を観に行こっ!!

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観てきた映画、全部、語っちゃいます!ほとんど1日に1本は観ているかな。映画祭も大好きで色々な映画祭に参加してみてます。最近は、演劇も好きで、良く観に行っていますよ。お気軽にコメントしてください。
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「燃ゆる女の肖像」をオンライン試写会で観ました。Fan's Voiceさん(@fansvoicejp)の独占試写会でした。

 

ストーリーは、

画家のマリアンヌはある貴婦人から娘エロイーズの見合いのための肖像画を依頼される。エロイーズは結婚を嫌がっているため、正体を隠して彼女に近づき密かに肖像画を完成させるが、真実を知ったエロイーズから絵の出来栄えを批判されてしまう。描き直すと決めたマリアンヌに、エロイーズは意外にもモデルになると申し出る。キャンパスをはさんで見つめ合い、語り合ううちに、激しい恋に落ちていく2人だったが・・・。

というお話です。

 

 

画家のマリアンヌはブルターニュの貴婦人から娘エロイーズの見合いのための肖像画を依頼され、孤島に建つ屋敷を訪れる。だが、エロイーズ自身は結婚を拒んでおり、前の肖像画家の前に顔を出さなかったらしい。顔が解からないと肖像画も描けず、エロイーズの肖像画は完成しなかった。

マリアンヌは画家だとは言わず、エロイーズの散歩の相手だと話し、共に海岸などの散歩に行くようになる。マリアンヌは、コッソリ紙を出してはエロイーズのスケッチを欠かさなかった。そして、密かにエロイーズの肖像画を完成させるのだが、マリアンヌが画家だと知ったエロイーズは肖像画を見て出来栄えを批判する。



 

肖像画を否定されたマリアンヌは、絵の顔の部分を擦り取って消し、もう一度描き直しますと依頼主である母親に言うと、母親はもういいと断るのだが、今度はエロイーズが、私がモデルになるからと言う。それならと母親は肖像画を再度依頼し、母親が用事で出かけて帰ってくるまでに仕上げるようにと言われる。

キャンパスをはさんで見つめ合い、美しい島をともに散策し、音楽や文学について語り合ううちに、恋におちる二人。母親が帰ってくると言っていた5日後、肖像画はあと一筆で完成となるが、それは二人の分かれを意味していた。そして・・・。(公式HPより) 後は、映画を観て下さいね。

 

 

この映画、本当に美しい映画でした。18世紀のフランス・ブルターニュの孤島に住むエロイーズ。修道院に入っていたのですが、姉が亡くなったために、修道院から連れ戻され、家の為に結婚の話を進められているんです。姉は、ある日突然に自殺を図ったらしく、母親は、その出来事の影響で、エロイーズを家に監禁状態だったんです。そんな所へ、散歩の相手としてマリアンヌが現れます。実は、肖像画を描く画家なんですけどね。内緒なんです。

 

この時代は、個人の自由より家の存続が重要で、女性の地位が低く、マリアンヌは画家として素晴らしい才能を持っているのに、女性という事だけで展覧会に出品出来ず、父親の名前で出品しているんです。しかし、このマリアンヌ、女性の地位が低い事で怒ったり悲しんだりするのではなく、自分の絵が発表出来れば、父親の名前でも何でも良いと考えており、絵を描けることを幸せに感じているような女性でした。現状でも、十分に楽しもうとする女性なんです。

 

 

マリアンヌは、好きな事をして自由に生きる女性であり、そんな彼女がエロイーズの前に現れて、エロイーズは、それまで自分の未来は親の言いなりになるしかなくて、不幸な人生になるのだろうと思っていたのに、全く正反対の考え方の彼女に、最初は警戒しているように見えるのですが、それが段々と同じ女性として、良い友人として仲良くなっていきます。

 

でも、エロイーズの肖像画を描きに来たのだと知って、怒り、反発した気持ちもありながら、マリアンヌの絵に対しての強い気持ちと向上心を感じて、それなら描いて見なさいよって感じで、モデルを買って出るんです。ちょっといたずら心もあったのかな。

 

 

この映画の上手い所は、この嘘がバレる前と後の二人の関係性の変化が面白いんです。前は、とってもよそよそしいし、女性同士の友人として、一枚壁を挟んで話しているような、そんな距離感があるのですが、嘘がバレて、エロイーズをモデルに肖像画を描き始めると、今度は対等になり、モデルと画家という構図で、お互いに影響し合って、まるで戦っているような対し方になって行きます。

 

女性同士なんだけど、対等であり、ライバルであり、お互いを認め合うような関係になって行き、それが恋愛に変わっていくんです。その変化が面白かったなぁ。性別など関係なく、素晴らしい相手に出会って、惹かれて、求め合ってしまうという事が、良く描かれていました。こうなったら、相手が女だろうが、好きになっちゃうだろうなぁ。

 

 

こんな素敵な恋愛してみたいと思うような恋愛でした。こんなに短時間なのに、燃え上がって好きになり、求め合うなんて、本当に羨ましいです。この二人を観ていると、”目は口程に物を言う”という言葉がピッタリという感じで、目が印象的なんです。例え見つめ合っていなくても、その目は、相手の事を凄く思っているというのが、何故か解かるんですよねぇ。伝わってくるんです。少しネタバレだけど、ラストの場面は、本当に愛が溢れていて、感動でした。

 

 

18世紀なので、もちろん上流階級の女性は、自由などなく、家の為に結婚させられてしまうのは決まっている事なんです。どんなに好きな人がいようと、変えられない現実なのですが、心だけは自分の自由にさせて貰うわっていう気持ちが良く解りました。

 

いやぁ、本当に素敵な映画でした。映像も美しいし、色の使い方、光の使い方、そして、出てくる絵画も美しかったです。主演の女優さんの演技も素晴らしいのですが、特に、手の動きが美しかったです。ほんの少しの触り方で、愛が見えるんです。観ていてドキドキするほどでした。

 

 

私は、この映画、超!超!お薦めしたいと思います。素敵なラブストーリーでした。本当は、超!をもう一つ付けても良いくらいなんだけど、これ、大画面で観たいと思いまして、オンライン試写会では超2つにしました。この美しい風景を大画面で観たいです。ぜひ、観に行ってみてください。

ぜひ、楽しんできてくださいね。カメ

 

 

「燃ゆる女の肖像」