「82年生まれ、キム・ジヨン」を観てきました。
ストーリーは、
結婚を機に仕事を辞め、育児と家事に追われるジヨンは、母として妻として生活を続ける中で、時に閉じ込められているような感覚におそわれるようになる。単に疲れているだけと自分に言い聞かせてきたジヨンだったが、ある日から、まるで他人が乗り移ったような言動をするようになってしまう。そして、ジヨンにはその時の記憶はすっぽりと抜け落ちていた。そんな心が壊れてしまった妻を前に、夫のデヒョンは真実を告げられずに精神科医に相談に行くが、医師からは本人が来ないことには何も改善することはできないと言われてしまう。
というお話です。
結婚・出産を機に仕事を辞め、育児と家事に追われるジヨン。常に誰かの母であり妻である彼女は、時に閉じ込められているような感覚に陥ることがあった。そんな彼女を夫のデヒョンは心配するが、本人は「ちょっと疲れているだけ」と深刻には受け止めない。
しかしデヒョンの悩みは深刻だった。妻は、最近まるで他人が乗り移ったような言動をとるのだ。ある日は夫の実家で自身の母親になり文句を言う。「正月くらいジヨンを私の元に帰してくださいよ」と言ったり、ある日はすでに亡くなっている夫と共通の友人になり、夫にアドバイスをする。「体が楽になっても気持ちが焦る時期よ。お疲れ様って言ってあげて」。ある日は祖母になり母親に語りかける。「ジヨンは大丈夫。お前が強い娘に育てただろう」
その時の記憶はすっぽりと抜け落ちているジヨンに、デヒョンは傷つけるのが怖くて真実を告げられず、ひとり精神科医に相談に行くのだが、本人に会わなければ診断が出来ないと言われてしまう。
デヒョンはジヨンに病院へ行ってくるようにと病院の名刺を渡し、予約時間に行くようにと促すが、ジヨンは、病院で3回の検査料金を聞き、あまりの高さに驚いて帰ってきてしまう。大丈夫だというジヨンに本当の症状を言えない。
ジヨンはいつも不思議に思っていた。学生の頃は痴漢に遭えば服装が悪いと言われ、就職が決まらなければ働かないで直ぐに嫁に行けと言われ、就職して仕事が出来ても”男なら良かったのに”と言われる。女性は男性より下位だと平然と言われる社会に抗う術もない。そんな社会の不条理が彼女の心を何度も打ちのめし、亀裂が入ってしまったのだった。
壊れたジヨンの心を治すため、デヒョンはとうとう真実を話し、治療をしようと話をして・・・。後は、映画を観てくださいね。
この映画、女性には辛い内容だったなぁ~。きっと女性なら、誰もが思った事がある疑問や不満が詰まっていて、何とも言えない気持ちになりました。でもこの映画を観て、やっぱり韓国は20~30年くらい考え方が日本より古い感じなのかなと思いました。
私は、この82年生まれのジヨンより一世代年上だと思うのですが、不満に思った事はぶつけてきたので、結構、希望が通ってきたし、会社でも男性と面と向かって喧嘩をしたりもありました。建築会社に勤めていた頃、営業が無理難題を押し付けてきたので、「てめぇでやれ!」と言ってやったら、さすがにキレたようで向かってきました。周りが直ぐに間に入りましたけどね。もちろん大人なので、話合いで折り合いをつけて出来るだけの仕事をしましたよ。でも、一度、こういう激しい喧嘩をすると、相手を尊重するようになるので、その後はスムーズに仕事が進むようになりました。やっぱり思った事はぶつけて行かないと、相手も解らないんです。
男性の中には、母親に大切に育てられて、誰もが自分のいう事を聞くと思っている人もいるので、ちゃんと解らせてあげないと。解らない人間には教育が必要です。どんなにキツい事を言われようと、それを跳ね除け、考えが間違っている事を言わなければ、相手は理解が出来ません。だって、子供の頃から、ずっと身に付いてきた考え方なんですから。
このジヨンは、頭が良くて真面目で、疑問に思ったり、不満に思った事を相手にぶつけられないんです。優しいんですね。だけど、それが自分を痛めつけて、心を病んでしまうんです。映画では憑依などと言っていたけど、追い詰められると、過去に見てきた女性に同化して、その考えを代弁しちゃっていたのでしょう。自分は言えないけど、他の人なら言えると思ったのかもしれません。
夫のデヒョンも可愛そうでした。とても優しい男性なんです。だから自分が産休を取るよと言うのですが、周りがそれを許さないし、社会がまだ男性が育児をするという考えに付いてきていないんです。産休を取ったら、戻ってきても仕事場での席が無くなり、窓際で退職を促されるという噂も流れていて、酷いなぁと思いました。
一番ムカついたのは、痴漢に遭った後、父親がスカートが短いからとジヨンに言うんです。私も高校の頃に学校の先生に痴漢に遭うような服装が悪いと言われたことがあり、その時もそれは違うと言った覚えがあります。まだ3歳くらいの頃から、変態に手を握られるとか、スカートを覗かれるとか、色々な経験をしてきましたが、どう考えてもやる方が悪い。痴漢が悪いに決まっています。先生にそう言われてからは、安全ピンの先端を曲げて、相手に刺すことことにしていました。肉も引きちぎれるでしょ。さすがに止めますよ。障害と言われるかもしれないけど、それなら訴えろっつーの。触っていたら刺されましたってね。
ああー、この映画を観た後は、本当に昔の色々な事を思い出して、はらわたが煮えくり返りました。飲みに行って襲われそうになったら飲みに行くのが悪いと言われ、夜道を歩いて襲われそうになったら夜遅くなるのが悪いと言われ、全部違いますからね。襲う方が悪いですから。それ、犯罪ですからね。会社上司に誘われれば断れないこともあるし、仕事で遅くなることもあるし、何も悪い事はしていません。
子育ても、女性だけがやらなくても良いし、仕事がしたければ子供を預ければ良いんです。預けるところが無ければ、フリーの仕事にして、自宅で子供を見ながらやれば良いんです。今時、在宅勤務だってあるんだから、大丈夫、出来ますよ。仕事なんて、わざわざオフィスでしなくて良い時代です。女性も生きたいように、好きなように生きるべきです。大丈夫、きっと失敗しないです。理解の無い夫だったら、蹴っ飛ばして離婚しちゃいなさい。女性一人でも十分に生きていける時代です。仕事はオフィスだけじゃないですよ。農業だって、工業だって、色々な仕事があるんです。コロナで不安になっているかもしれませんが、良い事だってあるんですよ。だって、自宅で仕事をしながら子育て出来るなんて、そんな嬉しい事ないでしょ。脳を切り替えて、新しい時代を上手く切り抜けて生きて行きましょう。そんな事を思わせる映画でした。はぁ~、ついエキサイトして、沢山書いちゃった。
私は、この映画、超!超!お薦めしたいと思います。女性は観ているとムカつくかもしれませんが、追い詰められたジヨンがどう変わっていくのか、楽しみに観てください。良い人ばかりが出てくる映画なのですが、社会の考え方が凝り固まっているので、良い人だけど相手を傷つける事を言ってしまうんです。誰も悪くないんですよ。そんな映画です。ぜひ、沢山の人に観て欲しいと思いました。ぜひ、観に行ってみてください。
ぜひ、楽しんできてくださいね。