「星の子」新興宗教を信じる両親に育てられた娘が意志を持った時、どう成長して行くのか。 | ゆきがめのシネマ。劇場に映画を観に行こっ!!

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観てきた映画、全部、語っちゃいます!ほとんど1日に1本は観ているかな。映画祭も大好きで色々な映画祭に参加してみてます。最近は、演劇も好きで、良く観に行っていますよ。お気軽にコメントしてください。
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「星の子」の試写会に行ってきました。Fan's Voiceさん(@fansvoicejp)の独占最速試写会でした。映画の後に大森監督を迎えてのトークショーもありました。

 

ストーリーは、

大好きなお父さんとお母さんから愛情たっぷりに育てられたちひろだが、その両親は、病弱だった幼少期のちひろを治したという、あやしい宗教に深い信仰を抱いていた。中学3年になったちひろは、一目ぼれした新任の先生に、夜の公園で奇妙な儀式をする両親を見られてしまう。そして、そんな彼女の心を大きく揺さぶる事件が起き、ちひろは家族とともに過ごす自分の世界を疑いはじめる。

というお話です。

 

 

ある夫婦の元に次女として生まれたちひろ。乳児の頃、身体が弱く全身に湿疹が出たり、両親は酷く心配して、ノイローゼ気味になってしまう。

そんな時、夫が会社の同僚の落合に、ある宗教の紹介を受ける。”ひかりの星”という宗教団体で、ちひろの湿疹は水が悪いからだと言われ、神にささげた水で洗ってみたらどうだとひかりの星が出している水を渡される。藁にも縋る思いで、そのひかりの星の水を購入して、ちひろの身体を毎日洗う事にする。すると、湿疹が消えて行き、段々と健康になっていく。



 

そんな事があり父も母も”ひかりの星”を心から信用してしまう。周りが怪しげな宗教だと言っても、聞く耳を持たなくなってしまう。ちひろは、そんな父母に育てられ、何の疑いも無く小さなころからひかりの星で決められた教義に従って育ってきた。

しかし、ちひろの姉であるまーちゃんは、そんな両親を信用せず、ちひろが小学校5年生の時に家を出て行ってしまう。両親とちひろだけになった家では、宗教への依存が大きくなり、家も貧しくなっていっているようだった。



 

ちひろは中学3年生となり、好きになった南先生も出来た。ある日、学校行事の事で遅くなったちひろと友達を南先生が家に送ってくれたのだが、その時に公園で宗教の儀式をしている両親を見て先生が、最近、不審者が多いから気を付けなさいとちひろに話す。ちひろは両親が恥ずかしくなり、誰にも言えずに一回りして家に帰る。そして、学校である事件がおこり、ちひろは自分が置かれている世界を疑い始め・・・。後は、映画を観てくださいね。

 

ある宗教団体に入ってしまった夫婦に育てられた、宗教に入るきっかけとなった娘が、そんな自分の世界を、どう受け止めていくのかというお話でした。原作は有名らしいのですが、私は読んだことがありませんでした。

 

 

新興宗教団体って、外から見ていると、本当にバカな事ばかりやっていて、完璧に怪しいんだけど、中に入ってしまうと、そういう事が見えなくなってしまうのでしょうね。私は、まず、疑ってかかるというのが身についてしまっているので、どんなに証拠を見せられて言われても、半分以下にしか聞かない、いや、聞けないんです。なので、宗教もダメなんです。神様は信じるけど、他人と同じ神様を崇めるなんてあり得ないって思っちゃう。

 

そんな新興宗教にどっぷり浸かってしまうちひろの両親は、ちひろの病気を治す為に宗教を頼るんです。なので、ちひろは成長して、段々とおかしなことに気が付いて行くのですが、間違っているとは両親に言えないんです。水で病気にならないなんて、インチキだと理解出来ても、辞めさせることは出来ないんですよ。そんなちひろの気持ちが見えてきて、とても可愛そうに思いました。

 

 

何となく父も母も、それが違うんじゃないかとは頭には入っているのですが、それを信じたくない、考えたくないように見えました。弱い人たちって、一度、共同体のようなところに入ってしまうと、抜けるのが怖くて出来ないんでしょうね。だって、そこに居れば、誰も自分に向って否定してくることは無いし、助け合いましょうとか綺麗事を言っているんですもん。でも何か起こっても、誰も助けてくれないんだろうけどね。宗教ってそんなもんでしょ。弟子でさえ、鶏が鳴く前に3回知らないって言うくらいですから。

 

 

中学生くらいになれば、社会の仕組みも解るし、善悪も判る。そうなると、頭が良い子なら、もう新興宗教がやっているインチキにも気が付き始めると思うんです。この映画の面白いと思ったところは、ちひろが疑い始めたのに気が付いた宗教団体の幹部に近い女性が、迷いが出てきたみたいねって話しかけるんです。この女性、オーラが見えて、催眠術が出来るという噂の女性なので、ちひろはギクッとするのですが、いやいや、あんたの顔を見ていれば、誰でもそう思うわよ。その女は、魔女的な噂を流して、誰もが気が付くことを口に出すだけ。人って、噂を流しておくと、その言葉に支配されて、本当にそう思ってしまうものですからね。もー、汚い女だなぁと思いながらも、宗教ってマジでこんな感じだよなぁと思い、良く調べて作ってあるなぁと思いました。

 

この宗教の幹部連中を、高良さんと黒木さんが演じていて、とっても怪しくて、凄く解る~って感じでした。本当に優しそうにしていながら、上から目線なのよねぇ。典型的な宗教団体で、ちょっと笑ってしまいました。水に効能があるとかいうの、全部、嘘だから。成分表を出しやがれっ!硬水、軟水くらいの違いで、カルシウムが多いとかはあるかもしれないけど、病気が治る、病気にならないなんて、完璧に嘘だから!

 

 

そんな宗教に振り回された家族が、一体、どうなって行くのか。何が間違っているのか。ちひろが守りたいものは何なのか。簡単に解決なんてしないけど、でも、もしかして・・・っていう未来は見えるかもしれない。思春期を迎えた子供が、自分の未来を考え始めた時、大人はどうしてやるべきなのか。色々な答えを含んだようなラストに向って、進んで行きます。とても考えさせられました。

 

芦田愛菜さん、女優としてちゃんと成長していますね。色々な言葉を受けての表情が、とても良かったです。子供から大人に成長し始め、今まで守られるだけだった子供から、今度は誰かを守る大人の女性へと成長していく姿が、良く表現されていました。周りも上手い役者さんばかりだったので、凄い相乗効果が生まれていると思いました。

 

 

私は、この映画、お薦めしたいと思います。超を付けたいけど、実は、南先生役の岡田さんが意地悪な性格だったので辛かった。私、岡田さん、好きなんです。イケメン先生役なのに性格が悪くて、もっと優しくして欲しい~って思っちゃいました。(笑)内容は素晴らしい映画なので、本当にお薦めですよ。ぜひ、観に行ってみてください。10月9日公開です。

ぜひ、楽しんできてくださいね。カメ

 

 

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