【演劇】「ベイジルタウンの女神」久々の舞台鑑賞は観れなかった時間を吹き飛ばすほどの作品でした。 | ゆきがめのシネマ。劇場に映画を観に行こっ!!

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観てきた映画、全部、語っちゃいます!ほとんど1日に1本は観ているかな。映画祭も大好きで色々な映画祭に参加してみてます。最近は、演劇も好きで、良く観に行っていますよ。お気軽にコメントしてください。
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「ベイジルタウンの女神」という演劇を観てきました。

これは、”ケムリ研究所”という集団の第1回公演であり、ケラリーノ・サンドロヴィッチさんが女優・緒川たまきさんと新しく立ち上げたユニットらしいです。

 

ストーリーは、

 

大企業ロイド社の女社長として経営に辣腕を振るうマーガレット。ハイタウンに生まれた彼女は、父から受け継いだ会社をさらに発展させ、巨大ショッピングセンターの建設や、リゾートホテルの開発など、さまざまな事業を推し進めていた。

目下の目標は、乞食たちが住むベイジルタウンの再開発。そのため彼女は婚約者でビジネスの右腕八トンと、顧問弁護士のチャックと共に、ベイジルタウン七地区の買収交渉のため、ソニック社を訪れる。ソニック社の社長タチアナは、子供の頃に小間使いとしてマーガレットの家で働いていたことがあり、マーガレットとも顔見知りであった。



 

久しぶりに再会したふたり。タチアナは当時の思い出を語り合おうとするが、マーガレットはタチアナの事をすっかり忘れていて、タチアナはショックを受ける。気を取り直したタチアナに、ソニック社が所有する第七地区の買収を切り出すマーガレットだが、それに対して、タチアナは、第七地区を売る気は無いこと、そして逆にマーガレットが所有する第八、第九地区を買いたいと申し出る。
ベイジルタウンは自分が再開発すると譲らないマーガレット。そこでタチアナはある賭けの提案をする。

「あなたが1か月間、無一文で正体をあかさずベイジルタウンで暮らせたら、第七地区は差し上げましょう。しかし、もし途中で断念することがあったなら、タチアナが第八、第九地区を貰うという賭けでした。この賭けに乗ったマーガレットは、会社経営をハットンに任せ、ベイジルタウンに身ひとつえ乗り込みます。

乗り込んだはいいものの、ベイジルタウンにいるのはおかしな乞食ばあり。無一文のマーガレットは木賃宿にも泊れず、紆余曲折の後、”王様”と”ハム”の兄妹が住むバラックに居候することになる。

治安の悪いベイジルタウンだが、ドクターやサーカスなどの通称をもつ乞食と馴染んで行き、楽しく暮らすようになるマーガレット。一方、ハットンはタチアナの元に出向き、ある提案を持ち掛ける。このまま1か月が過ぎるように思われたある日、兄妹のバラックで火事が起こり、その場所に居られなくなった兄妹とマーガレットは・・・。後は、舞台を観てくださいね。

 

 

本当に久しぶりに舞台を観に行きました。実は、7月11日の「人間合格」という井上ひさしさんのこまつ座の演劇を観に行ったのですが、コロナ感染が爆発している時で、特に新宿や池袋で凄かった時だったので、観ていても、ちょっと怖くて、無事に帰れるんだろうかという気持ちが出てきてしまい、あまり落ち着いて舞台が観れませんでした。なので、心から舞台を楽しめたのは半年ぶりくらいかしら。本当に嬉しかったです。

 

そして、この演劇、本当に面白い内容でした。童話の「王子と乞食」みたいに、大会社の社長が乞食として1か月過ごすんです。身代わりでは無いんだけどね。主人公のマーガレットは、商才に長けていて頭も良いんだろうけど、お嬢様として生きてきたから、人を疑わないんです。なので、乞食で過ごす間は、会社を自分の右腕であり婚約者のハトンに任せてしまうのですが、このハトンが食わせ者で悪い奴なんです。

 

乞食になるという賭けをした相手のタチアナは、商売敵ではあるけど、本当はとっても良い人であり、酷い事をしようとは思っていないんです。でもハトンからある話を持ち掛けられて・・・。どうなるのかは、観てのお楽しみです。

 

乞食の居住地に行ったマーガレットは、無一文なので安宿に泊まることも出来ず、乞食の家に居候させてもらいます。その乞食が王様とハム。乞食をやっているけど、別に苦しんでいる様子もなく、それなりに暮らしていて、彼らは彼らなりに楽しんで生きているんだって感じでした。そんな乞食たちの中で暮らし始めたマーガレットは、色々、解らないこともあるけれど、元々が素直な女性だしお嬢様なので、乞食相手でも、全く疑ったりしないんです。そんなマーガレットなので、乞食たちも受け入れて、それなりに1か月、暮らしていくんです。

 

 

もうすぐ1か月だから家に帰れるってマーガレットは思っているんだけど、ハトンの悪巧みのせいで、大変なことになって行きます。いやぁ、マジで面白かったなぁ。素直で疑わないお嬢様のマーガレットを緒川たまきさんが演じているのですが、たまきさんの飄々としたセリフ回しが、とっても天然のお嬢様って感じで、ピッタリでした。そんな彼女に惹かれていく王様を仲村トオルさんが演じていて、やっぱりカッコ良かったな。ハムを水野美紀さんが演じていて、兄の王様と良いコンビでした。

 

そしてハトンを山内圭哉さんが演じていて、良い人そうに見せながら、悪い事をするのにピッタリでした。双子の兄役も一人二役でしていて、この二人のギャップも楽しかったです。

 

タチアナを高田聖子さんが演じていて、高田さんもカッコ良かったです。他に、温水洋一さんや犬山イヌコさん、松下洸平さん、吉岡里帆さんなど、良い俳優さんたちが所狭しと走り回ってくださってました。

 

このお話、本当にストーリーが良くて、まだコロナの怖さが残っていて暗い影を落としている時期、明るくて優しい気持ちになれるようなお話になっていて、本当に幸せな気持ちになりました。やっぱり、今はハッピーエンドのお話以外は、あまり観たくないなぁと思っていたので、とても幸せでした。

 

やっぱり、ケラリーノ・サンドロヴィッチさんの舞台は、面白いなぁ。舞台構成や、プロジェクションマッピングの使い方が素晴らしく上手いんですよ。ずーっと一つの舞台なのに、どんどん色々な場所に変化するんです。こういうのって技術ですよね。これほど上手くプロジェクションマッピングを使う舞台って、ケラさんの舞台以外じゃ観たこと無いですもん。素晴らしいと思います。

この演劇、私は、超!超!超!お薦めしたいと思います。人気なのでチケットが手に入らないかもしれませんが、もし、お時間があったら、観に行ってみてください。感染が気になる方は、オンラインで舞台が観れる日があるそうなので、そちらを調べてみたらいかがでしょうか。とても見ごたえのある作品でした。ぜひ、観に行ってみてください。

ぜひ、楽しんできてくださいね。カメ

 

 

ケムリ研究所 No.1 「ベイジルタウンの女神」

https://www.cubeinc.co.jp/archives/theater/kemuri_no1