「スペシャルズ! 政府が潰そうとした自閉症ケア施設を守った男たちの実話」を観てきました。
ストーリーは、
自閉症児をケアする施設「正義の声」を経営するブリュノ。他の施設などで見放された子どもたちも断らずに受け入れる彼の施設には、さまざまな問題を抱えた子どもたちであふれていた。この施設では、ブリュノの友人のマリクに教育されたドロップアウトした若者たちが働いている。社会からはじかれた子どもたちをまとめて救おうとしていたブリュノとマリクだったが、無認可で赤字経営の「正義の声」に監査が入ることになり、施設閉鎖の危機に迫られる。
というお話です。
自閉症の子供たちをケアする団体〈正義の声〉を運営しているブリュノは朝から走っていた。支援している青年のジョゼフが、電車の非常ベルを鳴らして鉄道警察に取り押さえられたのだ。ジョゼフを家まで送り届けると、今度は緊急地域医療センターへ呼ばれる。重度の症状から6か所の施設に受け入れを断られたヴァランタンという少年の外出の介助を頼まれたのだ。長年にわたって閉じこめられたせいで、ヴァランタンは完全に心を閉ざし、頭突き防止のヘッドギアをつけて、一人で立ち上がることもできない。そしてブリュノはいつもの言葉を口にする。「何とかする」。
施設に戻ると、待ち受けていた会計士から、監査局の調査が入ることになり、不適切な組織だとジャッジされれば、閉鎖を命じられると忠告される。赤字経営で無認可、法律の順守より子供たちの幸せを最優先するブリュノの施設は、役人に叩かれれば山のように埃が出る状態だった。
ブリュノはヴァランタンの介助を、マリクに相談する。ドロップアウトした若者たちを社会復帰させる団体〈寄港〉を運営するマリクは、教育した青少年をブリュノの施設に派遣していた。マリクは遅刻ばかりでやる気のない新人のディランを、ヴァランタンの介助人に抜擢する。
そんな中、調査員が関係者との面談を始める。まずはジョゼフの母親が、無認可の組織の落ち度を探られるが、彼女はいかにブリュノが親身で熱心かを力説し、「認可なんて関係ない」と言い切るのだった。
運動に連れ出されたヴァランタンは、遅れてきたディランの鼻に頭突きをしてしまう。直前まで手を握っていたのにと憤然とするディランに、ブリュノは虐げられてきた彼らの恐れや怒りを想像するようにとアドバイスするのだった。
調査員は次なるターゲットのマリクに、大半の支援員が無資格だと詰め寄るが、マリクは資格があれば暴れる子を抑えられるのかと鼻で笑う。緊急地域医療センターの医師も、3か月で退院しなければならない患者を無条件で受け入れてくれるのは、「心と信念で働いている」ブリュノだけだと証言する。
調査員が称賛の声にも耳を貸さず、無秩序で怪しげな団体だと決めつける中、ディランが目を離した隙に、ヴァランタンが姿を消した。ヴァランタンを探し回る職員たちだが、この事件で施設はこのまま閉鎖に追い込まれるのか? 救いの手が必要な子供たちの未来は?(公式HPより)後は、映画を観てくださいね。
この映画、「最強のふたり」の監督作品で、とても素晴らしい事を描いているのですが、ちょっと見難いかなぁ。青年の障がい者を介護している施設のお話なのですが、無許可でやっているんです。日本でも、介護施設などで”認可””認定”などが付いているところとそうでないところがあるでしょ。これが付いているか付いていないかで、補助の金額が全く違うんです。もちろん税金から補助が出るので、検査は厳しくなり、それだけ安全なのだと思われています。(思われているだけ。)
でも、現実は違うんですよねぇ。認可を取ったという事で施設側も経営に力を入れるから、障がいの重い人たちは受け入れないんですよ。手間がかかって経費がかかる人は受け入れたくないんです。だから、この施設のような、無認可で良心的な人たちの所に、障がいの重い人たちが集まってしまうんです。これ、どこの国でも一緒だと思います。良い人ほど損をするって奴ですよ。
それなのに行政は法律順守と体の良い言葉を並べて、施設を閉鎖しようとするんです。まぁ、行政はそうでしょうね。自分たちの目の届かない所で何か事故でも起きたら、国は何をしていたんだって言われてしまいますから。でもね、法律をかざすなら、彼らを受け入れる施設を作りなさいよって事なんです。国は何もやらずに、ただ文句を言うだけなんて、本当に汚いでしょ。障害を持つ人たちを受け入れてくれるところが無いから、こんな問題が起きてきているんです。
この映画を観ていて、本当にムカつきました。日本でも一緒なんですもん。私、福祉施設の関係の仕事もしているのですが、役所はこの映画の調査員と同じことを言いますよ。地域は川崎ですけどね!車椅子や足が弱い人たちで2階とか3階に登れないからエレベーターを付けたいと言っても、法律上ダメだの一点張り。どうしてもと言うなら建替えですねと平然と言います。それが出来ていればやってるっつーの!弱者救済しなさいよっ!役所が彼らを受け入れてくれる平屋の施設でも作ってくれるならまだしも、何もしないんですから。生活出来ない彼らをどうやって受け入れるのか、本当に悩ましい所だと思います。
ディランとマリクの二人で、障がい者福祉と若者の更生施設を組み合わせて、どちらも成長させるって、素晴らしい取り組みだと思いました。人間って、誰かを守ることで凄く成長するんですよね。そして守られる方も嬉しくて、段々とそれに答えていくから、一石二鳥の取り組みだと思いました。
日本でも、こういう事すればよいのに。でもきっと、日本でも、資格が無いからとか文句をいうんだろうなぁ。私、いつも思うんだけど、福祉とかの資格って、ペーパーの試験じゃなくて、実習の試験と経験で資格をくれる方が正しいと思うのよね。だって、何もしたことが無い学生とかが持っていても、現場に行って、シモの世話とか出来ないんでしょ。全く役に立たないじゃないですか。経験者じゃなければ資格は取れないとかにしないと、段々、廃れていくんじゃないかな。
素晴らしい内容の映画なのですが、何故、見難いかもと書いたかと言うと、この施設での取り組みの映像に挟み込んで、調査員の調査映像が入るんです。だから、感動的にスムーズに流れていたものが、突然にブツッと切れて、調査する話に移るので、イマイチ、感動が続かないんです。もう少し介護の話に絡ませて、調査員の姿を入れ込んだ方が良かったように思いました。あんなに感動するのに、勿体ないです。
私は、この映画、超!お薦めしたいと思います。本当に良い内容なんです。こんな風に障がい者に接したら、きっともっと近くなれるんだろうなぁと思えるような、そんな作品でした。見難い部分はちょっと我慢って感じですけどね。どの国でも、同じような問題を抱えているので、この映画で色々知って欲しいです。ぜひ、観に行ってみてください。
ぜひ、楽しんできてくださいね。![]()
・スペシャルズ! ~政府が潰そうとした自閉症ケア施設を守った男たちの実話~|映画情報のぴあ映画生活






