「リスタートはただいまのあとで」を観てきました。
ストーリーは、
上司に人間性を否定されて会社を辞め、10年ぶりに故郷に戻った光臣は、近所で農園を営む熊井のじいちゃんの養子・大和と出会う。人懐っこい大和のことを苦手に思う光臣だったが、父親に実家の家具店を継ぐことを拒絶され農園の手伝いをはじめると、大和と過ごす時間が増えていく。ふさぎこむ光臣を励まし、心の痛みに寄り添う優しい大和。自分にはない魅力を持つ彼に、光臣は次第にひかれていく。
というお話です。
職場で上司に人間性を否定され、会社を辞めて10年ぶりに田舎に戻った光臣は、近所で農園を営んでいる熊井のじいちゃんの養子・大和と出会う。母親の代わりに駅まで迎えに来てくれたのが大和だった。大和のことを「馴れ馴れしくてウザい奴」と思った光臣。
実家に帰り、父親の家具店を継いでもいいかなと軽く言うと、父親に「お前に継がせる気は無い」と言われ、何をしたら良いのか分からずニート状態になっていたが、熊井のじいちゃんの農園の手伝いをしないかと大和に言われ、いやいやながら手伝いをすることにする。大和と一緒に仕事をする時間が増え、大和がイイ奴だという事に気が付くが、どこか壁のようなモノがある事にも気が付く。
父親に拒絶され、ふさぎこんでいる光臣を励まし、心の痛みに寄り添う優しい大和。次第に、光臣にとって、自分の弱さも受け入れてくれる大切な存在に変わっていく。
ある夜、酔いつぶれた二人だったが、目が覚めた光臣は寝ている大和に思わずキスをしてしまい、自分が抱いている感情にハッとする。何故、そんなことをしてしまったのか、自分でも受け入れられず、どうしたら良いのか分からずに大和の家を後にする。
後日、大和の高校の同級生で親友の上田から、「アイツには秘密がある」と耳打ちされたことを思い出した光臣の前に、親しげに大和と話す年上の女性が現れ、光臣の心は激しく動揺する。自分でも、何故こんなに自分が慌てているのか分からず
、急いでその場を立ち去る。
実家に帰ってきて、現実と向き合い始めた光臣は、親との確執を乗り越える事が出来るのか、そして大和への思いを伝えられるのか。自分の足で一歩前に踏み出そうと考えた光臣は・・・。後は、映画を観てくださいね。
BL映画だという紹介を見て、観に行こうか悩んだのですが、観てみたら、この映画、BLというくくりに入れないで、恋愛映画と言った方が良いと思いました。最近、流行りだからということでBL映画という部分を宣伝に使うのかもしれませんが、別に、男女でも男男でも女女でも、どれも恋愛映画なんですよ。BLとして書くことって差別に繋がらないのかしら。別に、今時、好きになったら誰でもいいじゃないですか。それが同性だって、例えば親子ほど年齢が離れていたって、どんな組み合わせだって、そこに愛があれば恋愛映画なんです。どーも、自分でもBLと書いていて違和感を感じてしまって。男男だと特別みたいな感じでBLと書いているけど、よく考えると差別ですよね。
映画の話に戻って、この映画、素敵な恋愛映画で、とてもプラトニックです。触れたいけど恥ずかしい、という感じで、最初は友達同士でじゃれ合っているつもりなんだけど、それが愛に変わっていくんです。こうやってじゃれ合っていたら、好きになっちゃうだろうなぁって思いました。
ここ最近、こういう同性モノが幾つか出てきていますが、これ、男女の恋愛小説などがマンネリ化して、同性の漫画や小説を探してみたら、良い作品が多い事に気が付いたからなのかなと思いました。”窮鼠はチーズの・・・”も、この映画も、恋愛を上手く描いているんです。まだ社会的に男女の組合せが普通と思われている事を利用して、この恋愛を成就させて良いのかと悩む姿が、何ともいじらしくて良いんですよ。
男女だと、告白して、はいカップルになりましたとなるけど、同性だと簡単に表立ってカップルになれないところが、ちょっと”昭和的”な感じ(家柄やら何やらが障害で付き合えない作品が多かったんです。)がして、ウケてるんじゃないかと思いました。ほらほら、あの「ベルサイユのばら」だって、オスカルがフェルゼンに言えなくて、アンドレはオスカルに言えなくて、って奴があったでしょ。あんな感じです。その障害がジェンダーになってきているのかなと思いました。
この映画、田舎に帰った光臣が大和という素朴な青年に惹かれていくのですが、この大和には色々な過去があって、いつも幸せそうに笑っているみたいに見えるけど、実は笑顔の下に辛い思いがあるんです。それが彼の魅力になっているのよねぇ。そりゃ、光臣が惹かれるのも当たり前かなぁって思いました。この大和の、助けてあげたくなるような笑顔を横で見ていたら殺られちゃうよね。うんうん、光臣くんの気持ち、解るわぁと思いました。
喉かな田舎町で、同性で付き合うなんて言ったら大変なことになるだろうとは思うけど、でも、別に、大っぴらにする必要も無いし、結婚相手がいないから、男同士でつるんでるってことで、お年寄りには見せておけばよいんじゃないのかな。無駄な騒ぎを起こす必要も無いし、時代がもう少し変われば何の問題も無くなるからね。
光臣役の古川さん、好きなんですよぉ。彼の舞台”イニシュマン島のビリー”が凄く良くて、それ以降、とても好きな俳優さんです。表現の仕方が上手くて良いですよねぇ。大和役の竜星さんは、見たことはあったけど、認識したのは映画”ぐらんぶる”かしら。あっちの映画もとても良かったけど、今回も良かったですね。彼は”弱虫ペダル”でも先輩役で出ていて、全く違う役も上手く演じていて、その役にハマっているところが、素晴らしいと思いました。大和役は難しかったんじゃないかな。笑顔だけど暗い部分を持つ役だから、大変だったと思います。でも、素敵でした。
私は、この映画、超!超!お薦めしたいと思います。私は、とっても感動でした。同性の恋愛映画だけど、プラトニックでありながら、とても深い愛を描いていて、こんな恋愛が出来たらいいなぁと思いました。お互いに支え合う恋愛は素敵ですよね。ぜひ、観に行ってみてください。
ぜひ、楽しんできてくださいね。![]()







