「人数の町」を観てきました。
ストーリーは、
借金で首が回らなくなり、借金取りから暴行を受けていた蒼山は、黄色いツナギを着たヒゲ面の男に助けられる。蒼山のことを「デュード」と呼ぶその男は、蒼山に「居場所」を用意してやるという。蒼山が男に誘われ、たどり着いたのは、出入りは自由だがけっして離れることができない、ある奇妙な町だった。
というお話です。
借金取りに追われ暴行を受けていた蒼山は、黄色いツナギを着たヒゲ面の男に助けられる。その男は蒼山に「居場所」を用意してやるという。蒼山のことを“デュード”と呼ぶその男に誘われ辿り着いた先は、ある奇妙な「町」だった。
「町」の住人はツナギを着た“チューター”たちに管理され、簡単な労働と引き換えに衣食住が保証される。それどころか「町」の社交場であるプールで繋がった者同士でセックスの快楽を貪ることも出来る。それぞれのカードを渡し合うことで合意がなされたとされ、個人的に部屋で逢うのだ。
ネットへの書き込み、別人を装っての選挙投票、新装オープン店のサクラ、無差別テロの偽装。新薬の治験なんて仕事もあり、それによって報酬が与えられる。何のために? 誰のために? 住民たちは何も知らされず、何も深く考えずにそれらの労働を受け入れ、奇妙な「町」での時間は過ぎていく。
ある日、蒼山は新しい住人・紅子と出会う。彼女は行方不明になった妹をこの町に探しに来たのだという。ほかの住人達とは異なり思い詰めた様子の彼女を蒼山は気にかけ、話しかける。
最初はつれない態度だったが、お互いにこの街に違和感を感じている事を感じ、抜け出したいと思い始めるのだが・・・。(公式HPより)後は、映画を観てくださいね。
この映画、とても考えさせられました。こういう町って、本当にありそうですもんね。いや、あるのかもしれない。私たちの知らない所で。だって、戸籍も何もかも無くなって、居なかった人間になる訳でしょ。そういう人ばかりを集めた町があってもおかしくないよね。
こんな事、言っちゃいけないかもしれないけど、本当に居場所が無くなって困っている人って本当にいるでしょ。そういう人達って、自分から積極的に何かするとか、前に出ていくという事が苦手だから追い詰められて行ってしまうと思うんです。そんな人に、自分から決めなくても、誰かが決めてくれた事を機械的にやって、それにより衣食住が保証されるというなら、そんな願ったり叶ったりの場所って幸せですよね。確かに、自由と言いながら自由は無いけど、その人たちは、自由という世界で居場所が無くなってしまったのだから良いのだと思いました。
そんな中に、自分の意志がある人間が入ってしまったら、そりゃ、問題が起きるわよね。だからチューターは意志のない人間ばかりを選んでいたハズなのに。でも、沢山の人間が入ってくるのだから、そんな事もあり得ると想定して運営しているのだろうと思いました。それでも、この施設、凄い儲かっているんだろうなぁ。だって、社会の暗部を全て背負っているような町なんだから。テロを起こす仕事は意味が分からなかったけど、選挙の投票と薬の治験は、凄いお金が動くでしょ。特に薬の治験は、凄いと思います。
この町に頼んで、選挙に当選して政治家になるんだから、この町は政府にも容認されているんだろうね。だって、戸籍が消せるんだから。というか、もしかしたら政府自体が運営しているのかもしれないですね。だって、この町を使うことによって世論の操作が出来るのだから。今まで、新聞やテレビが自分たちの都合が良いように曲げた情報を流して世論を操作してきたように、今度は国自体がするようになったのかもしれません。
うーん、どうなのかなぁ。この町が嫌だと思う人も多いと思うけど、こんな町があったら入りたいと思う人もいるんじゃないかしら。だって、何も考えなくて良い、何も決定しなくて良い、何も行動しなくて良い、ただ、言われたことをするだけでしょ。きっと希望者は多いと思うなぁ。それにこういう町に入れてしまいたい人もいるなぁ。
あ、でも、解らない部分もありました。戸籍が無くなっているのに、他でその戸籍を使っているというセリフがあるんです。戸籍を売ってしまったってことかしら。そうなると自分と同じ名前の人がいる訳で、戸籍の最初の住所から辿れば、何処にいるって解ると思うんだけど。でも、自分がその本人だと証明出来ないからダメなのかな。うーん、難しいです。
私は、絶対、この町には行けないな。だって、人に従う事が出来なくて、自分で会社を興したくらいなので、これをやれとか強要されたくないし、頼むならそれなりの理由を言えと問い詰めちゃいそうだし、まず、居場所は自分で作ると思っているので、全く、彼らと相容れないだろうと思いました。
最後に、主役の中村さんはやっぱりカッコ良かったです。彼の柔らかくて優しそうな感じ、素敵ですよね。今回も、上手かったです。役者として長く頑張ってきたからこそ、今の彼の演技があるのだと思うと、尊敬に値します。
私は、この映画、お薦めしたいと思います。自分はどう生きてきたのか、これからどう生きていきたいのかを、ちょっと考えさせられました。何も考えずに、契約書などにサインをしてしまうと、こんな事にもなりかねないので、契約書はちゃんと読みましょうね。楽しめると思いますよ。ぜひ、観に行ってみてください。
ぜひ、楽しんできてくださいね。![]()






