「レイニーデイ・イン・ニューヨーク」を観てきました。
ストーリーは、
大学生カップル、ギャツビーとアシュレーは、ニューヨークでロマンチックな週末を過ごそうとしていた。そのきっかけとなったのは、アシュレーが学校の課題で映画監督ローランド・ポラードにマンハッタンでインタビューをするチャンスに恵まれたことだった。生粋のニューヨーカーのギャッツビーは、アリゾナ生まれのアシュレーにニューヨークの街を案内するためのさまざまなプランを詰め込む。しかし、その計画は狂い出し、思いもよらないさまざまな出来事が巻き起こってしまう。
というお話です。
大学生のカップル、ギャツビーとアシュレーは、ニューヨークでロマンチックな週末を過ごそうとしていた。きっかけは、アシュレーが学校の課題で有名な映画監督ポラードにマンハッタンでインタビューをすることになったこと。
2人が通っているのはニューヨークから離れた田舎の大学。生粋のニューヨーカーのギャッビーは、やりたい事も見つからず、田舎の大学に行ったのだった。そこで知り合ったのは、アリゾナ生まれの銀行家の娘・アシュレー。素直で都会を全く知らない彼女。
そんなアシュレーがニューヨークでインタビューが出来ることが決まり、それならとギャッビーは、ニューヨークの有名ホテルに予約をし、素敵なレストランで食事をしてセントラルパークで散歩をして・・・なんて素敵なデートを予定していた。
ギャッビーの家はとてもお金持ちで、ニューヨークにあり、本当なら自宅に帰って母親のパーティに出なければならないが、アシュレーとのデートで盛り上がろうと、母親に内緒でニューヨークに来ていたのだ。それなのに、アシュレーのインタビュー時間の暇つぶしで行った美術館で叔母に見つかってしまい、母親に連絡されてしまう。
一方、映画監督ポラードに会い、インタビューを始めたアシュレーは、突然に映画の試写を一緒に観ないかと言われ了承してしまう。1時間で終るインタビューが長引き、ギャッビーとの約束をドタキャンしたアシュレーは、情緒不安定なポラードに振り回され、関係者のテッドとポラードを探し回り、スタジオでは有名俳優フランシスコ・ヴェガに出会って舞い上がってしまう。田舎育ちのアシュレーにとって、芸能人が目の前にいるだけで舞い上がるのに、彼らからの誘いの言葉を真に受けてフラフラと付いて行ってしまう。
アシュレーに予定をドタキャンされたギャッビーは、仕方なく母親のパーティに出る事にするが、アシュレーの代わりにコールガールを連れてパーティに出席する。しかし母親に見抜かれてしまい・・・。アシュレーの方は男たちの言葉を真に受けて付いて行ったは良いが、口だけの男たちは・・・。後は、映画を観てくださいね。
ウディ・アレン監督の相変わらずのおしゃれな映画でした。内容的には、「田舎のねずみと都会のねずみ」の大人版現代風って感じかしらね。軽い感じの恋愛コメディ映画でした。解りやすくて、単純な構成なので、誰が観ても楽しめる作品だと思います。
ギャッビーは、アシュレーとの週末デートをニューヨークで楽しめると思って色々と用意をしているのですが、アシュレーは有名監督にインタビューが出来るという事で頭がいっぱいなんです。ギャッビーは、都会ニューヨークで暮らしていて、芸能人や映画人などは街の中にいる住人の一人くらいにしか思っていないのですが、アシュレーにとっては雲の上の人たちで、会えると言うだけでも大騒ぎ。その感覚の違いをギャッビーは解っていなかったので、行き違いが出ちゃうんです。
映画監督や俳優に会って舞い上がるアシュレーは、はっきり言って、完璧なバカ女に成り下がってしまいます。そこら辺で男に声をかけられたら直ぐに付いて行ってしまうって言う感じですね。このアシュレーを観ていて、今、不倫で大騒ぎの東出さんや渡部さんの件を思い出してしまいました。田舎出の子が芸能人と言うだけで、舞い上がって言われるまま付いて行ったんだろうなぁ。で、週刊誌にお金を見せられてゲロったんだろうなぁ。笑えました。
時間つぶしをしていたギャッビーは、昔付き合っていた子の妹に再会して、一緒に美術館に行くのですが、この二人がとっても洗練されていて、会話がおしゃれなんです。とっても辛口なんだけど、これくらい皮肉を言い合いながらじゃれ合うのって、楽しいですよね。こういう関係なら、お互いに疲れなさそうな気がしました。
映画自体は、とても見やすくて、楽しくて、軽くて、良い作品とは思うのですが、この映画が日本では公開されたけど、アメリカでは公開されていないという問題を日本でもちゃんと報道すべきだと思うんです。日本って、幼児性愛者に対しての考え方が甘いんですよ。
ウディ・アレンは養女に性的虐待を行った事で訴えられ、不起訴になったものの、養女は今も訴え続けています。この映画に出演したシャラメもファニングも出演を後悔していて、ギャラを全て寄付しています。アレンが無実だと言う方々もいると思いますが、性的虐待を受けたと訴えた養女は訴えても何の利益も無いんです。でもね、今後、そんな苦しい思いをする子供を減らしたいから訴えているんです。
子供の頃に性的虐待を受けた人間が、どれ程心に傷を負うのか、本当に解って欲しい。日本では簡単に考えて、アレンの映画も公開されているけど、被害者がいるかもしれないと考えて欲しいんです。私もこの映画、面白かったし、良い映画だと思うけど、それと性的虐待は違うんです。映画公開はしても良いと思うけど、同時にそういう問題も表に出して考えるようにして欲しい。
日本はロリコンとか言って簡単に扱うけど、被害にあった子供達は一生、その苦しみを背負うんです。そんな目に遭ったのは自分が悪かったのか、親に言いたくても言えない、人が怖い、そんな思いをずっと心に持って生きて行くんです。良く考えて欲しい。この映画を観たお金がアレンに入って、そのお金で子供を買っていたら?私も映画を楽しんだけど、悪い事は悪いと言わないと加担したことになってしまいます。
話が映画の内容から監督の私生活に移ってしまいましたが、1本の映画を観るだけだけど、そこに問題は山積するという事を考えて欲しいと思いました。
私は、この映画、お薦めしたいと思います。映画としては、面白いし、軽く楽しめるデート向きの映画だと思いました。でも、本当にデートで観に行くなら、生活環境が近い相手と観に行く事をお薦めします。だって、田舎のねずみと都会のねずみは、やっぱりそれぞれに違うんですから。ぜひ、観に行ってみてください。
ぜひ、楽しんできてくださいね。