「デンジャー・クロース 極限着弾」を観てきました。今日オープンだった"Tジョイ横浜"へ行ってみたのですが、劇場の椅子は個別で、間隔も大きいので、とっても環境が良いと思いました。
ストーリーは、
1966年8月18日未明、南ベトナム。ヌイダット地区にあるオーストラリア軍司令部の基地がベトコン部隊による迫撃砲の急襲を受ける。翌朝土砂降りの雨、雷鳴が轟くなか発射地点を突き止めるため偵察に向かったハリー・スミス少佐率いるオーストラリア軍D中隊。その小隊に属する兵たちは徴集兵で、平均年齢21歳と非常に若く経験が圧倒的に不足していた。
中隊長である少佐は、素人同然の徴集兵を率いることに意義を見出せず、ジャクソン准将に特殊部隊への異動を希望するも却下されていた。士気がままならないなか、第10、11、12の3小隊に分かれて前線を進む。ロングタンのゴム園に差し掛かると第11小隊がベトコン兵と遭遇。交戦となるがベトコン兵は逃げて行く。安心した小隊は前進するも、それは罠だった。既にベトコン兵の大軍に囲まれてしまっていたのだ。
自らの命を顧みないベトコン兵は容赦なく機関銃掃射で襲い掛かる!四方八方から銃撃を受け、戦闘開始からわずか20分で28人構成の小隊のうち半数以上が負傷。味方からの応援部隊も近づけない平坦なジャングルで小隊は絶体絶命の状況に追い詰められてしまう。
ベトコン兵から放たれる機関銃の嵐の中、このままでは全滅になってしまうと確信したビュイック軍曹は、自分たちがいる位置に基地からの砲撃を行って欲しいと連絡をする。仲間に向って砲撃するなんて出来る訳が無いと本部の誰もが言うのだが、只一人、D中隊を率いていたスミス少佐は砲撃を指示し、自分が責任を取ると言う。
連絡を受けた基地本部は、第11小隊のいる位置に砲撃を開始し、彼ら共々、その場を責めていた敵を倒すことに成功する。しかし、敵はまだまだロングタンに押し寄せ、D中隊へと迫っていた。本部では彼らの援護に向かうべきか本部を守るかで対立しており・・・。後は、映画を観てくださいね。
この映画、ベトナム戦争時にオーストラリアが参戦し、戦った記録を基に作られています。実際に、このロングタンの戦闘があり、アメリカから表彰されたほどの戦いだったそうです。観て頂ければ解りますが、あまりにも過酷な戦いで、よく生き残った人がいたなぁと思うほどの戦闘でした。北ベトナム兵士は2000人でオーストラリア軍は108人だったそうです。凄いでしょ。
確かに映像でも、凄い状態だったんだなという事が分るように作ってありました。ベトナム兵士が山の様に襲ってきて、なんだか、倒れても倒れても襲って来るように見えて、ゾンビかっ!って思いました。それくらい、数が多かったんです。こんなにたくさん来たら怖いよねぇ。そうそう、シューティングゲームを思い出して貰えばよいかしら。撃っても、撃っても、敵が襲ってくるんです。
敵が恐ろしいのは当たり前なんだけど、それよりも、オーストラリア軍の上層部の考え方も怖いなぁって思いました。確かに、上に立つ人は非情な心を持たないと出来ないとは言うけど、自分の部下の兵士をモノみたいに思っていて、助けに言っていたら、こちらの数が足りなくなるからダメとかって、一番ダメな考え方ですよね。嘘でも、兵士の命を大切にしているように見せながら、非情な決断をするならまだしも、普通に自分の陣地が危ないからダメなんて言ったら、兵士は付いてきませんよ。
この映画の面白いところは、ゾンビ的なベトナム兵もそうなんだけど、やっぱりオーストラリア軍内部のゴタゴタした感じと、兵士同士の絆のような部分かしら。何があっても、一緒に帰ろうって感じの、よく戦争映画である仲間との友情場面が結構ありました。でも、嘘くさくなくて、良かったですよ。
あまり知っている俳優さんは出てこなかったけど、映画の迫力がハンパ無かったので、とても面白い映画だと思いました。やっぱり実話を基に描いているので、リアル感も出ていたのかしら。ヒーローが来て助けてくれるというような展開ではなく、一人、また一人とやられていき、陣地の中に怪我人が増えていくし、死んでしまう兵士もいて、その悲惨さは目を覆いたくなるくらいでした。
スミス少佐とラージ二等兵の関係がとっても良かったんです。ラージは、少佐といえども平気で食って掛かるような男で、非情な決断をしたスミス少佐を”信用出来ない”と言い放つんですが、酷い戦いの連続の中で、段々と心を通わせていくんです。そんな熱い友情が素敵でした。
私は、この映画、お薦めしたいと思います。私は、戦争映画って、そんなに得意ではないのですが、あまりの迫力に圧倒されて感動してしまいました。こんな戦いをしていたなんて、ましてオーストラリアが参戦していたなんて、全く知りませんでした。歴史を知る為に、観るべき映画だと思いました。ぜひ、観に行ってみてください。
ぜひ、楽しんできてくださいね。