「ドクター・ドリトル」を観てきました。
ストーリーは、
名医ではあるが変わり者で、動物と話せるドリトル先生は、世間から遠ざかり、さまざまな動物たちとひっそり暮らしていた。しかし、若き女王が重い病に倒れたことを耳にしたドリトル先生は女王を救うことができる唯一の治療法を求めて、頑固なオウム、臆病なゴリラら個性的な仲間たちと伝説の島へと出発する。冒険を続ける中で、先生の過去、国を揺るがす陰謀など、さまざまな事実が明らかとなっていく。
というお話です。
動物と話せるドリトル先生は、名医だが変わり者。そんな彼を理解して彼と恋に落ちた冒険家リリー。2人は結婚をし幸せに暮らしていたのですが、リリーがたまたま一人で冒険に出発した時に嵐が襲い、船が沈み、彼女は亡くなってしまいました。ドリトル先生は妻を失ったショックで人と関わることを辞めてしまい、家に引き籠ってしまいます。
それから何年か経ったある日、猟師の甥っ子スタビンズが森で猟の訓練をしていたのですが、彼は動物が好きで猟などしたくありません。でも、仕方なく銃を撃ってみると、なんと狙った鳥ではなくリスに当たってしまいます。倒れて死にそうなリスを抱き上げ病院を探すと、オウムの声がして彼を誘導します。
スタビンズがドリトル先生の病院へ着くと、先客がいて、彼女は女王の使いのようです。女王が重い病に倒れ、ドリトル先生を指名したと言うのでした。実は、ドリトル先生の広い敷地と家は女王により賜ったもので、女王が生存中はドリトル先生に付与されていますが、女王が亡くなると追い出される可能性が・・・。それは一大事と女王の所へ駆けつける前に、まず、スタビンズの撃ってしまったリスを手術をして助けてから、女王の所へ向かいます。
スタビンズは、ドリトル先生の素晴らしい手術を見て、自分も医者になりたいと思い、ドリトル先生の助手と偽って彼に付いて行きます。
宮殿へ着くと女王が病に倒れており、ドリトルが調べると、女王は”ベラドンナ”という毒薬を盛られたようでした。日食の日までに、その治療薬を手に入れて戻ってこなければ、女王の命は尽きてしまいます。ドリトルは、沢山の動物と、スタビンズを連れて、治療薬を探す冒険の旅へと出発します。そして女王の命が助かっては困る悪い奴が彼を追って出発します。無事に治療薬を手に入れる事が出来るのか。後は、映画を観てくださいね。
私、この映画、大好きです。子供向けに作ってあって、大人が観ると、おとぎ話のようでちょっと陳腐に見える映画ですが、私は大好きです。子供の頃って、動物と話しが出来たらいいなぁと思っていましたよね。あ、私は、今でも話したいと思っているのですが、中々難しそうで、何となく理解出来ていると思っていると、突然にソッポを向かれたりして、動物相手は難解です。ドリトル先生のように、動物と話しが出来たら、どんなに幸せなんだろうと思います。
今回のドリトル先生の良い所は、超能力で動物と話しが出来ている訳ではなく、彼が動物の鳴き声を理解して、言語訳しているという所なんです。それこそサヴァン症候群並みに、ドリトル先生の言語野が素晴らしく発達していて、幾つもの鳴き声の違いを識別出来て、言語訳しているという事だと思うのですが、凄い能力ですよね。これを超能力という事も出来るけど、以前の作品のように、ある日突然に、超能力が備わって、言葉が理解出来るようになるというとコメディ以外の何物でもないけど、今回は理屈が出来ているから、ちゃんと大冒険ファンタジーにもなっているんです。
ドリトル先生、凄く偏屈オヤジなんだけど、スタビンズという少年の素直さに負けて、彼を助手として冒険に同行させることに同意します。最愛のリリーが海で亡くなっているので、誰かを連れて行くのが怖かったのかなと思いましたが、今回は一緒に冒険に出て行きました。そして、治療薬のヒントが書いてある書物を取りに、ある島へ向かうのですが、その島には、恐ろしい敵がいるんです。そう、きっと、”婿”から見れば最大の敵となる男がこの島には待っているんです。この男の役をアントニオ・バンデラスが演じていて、良かったなぁ。
ロバート・ダウニーJrとアントニオ・バンデラスという、子供向け映画には不向きな2人が主演と出演しているというのが、凄いでしょ。でもね、ピッタリなのよ。この2人だからこそ、この面白さになるという感じで、本当に良かったです。そうそう、スタビンズ役のハリー・コレット君、時々、映り具合で、ウエンツ瑛士さんに見える部分があって、あれ!?って思いました。かわいい子でしたよ。
動物たちも、良く作られていました。全てCGだけど、とってももふもふで、触りたくなるほど可愛いのよねぇ。今回、ちょっとビックリしたのは、動物は解るけど、昆虫たちの言葉も理解しているようなのよ。”ナナフシ”っていう枝に化ける虫がいるでしょ。その子がとっても重要な役を担っていて、うーん、ナナフシって言葉を伝えられるのかしらと思っていたら、ちゃんとリズムを作って伝えていたので、やるもんだなぁと思いました。この映画、ホント細かいところまで考えてあって、凄いです。
動物の声を、ラミ・マレックやトム・ホランドが演じていて、それも見どころだと思いました。つい、動物を観ていると、声の本人を思い出しちゃうのよねぇ。ゴリラのチーチーをラミ・マレックって、ついラミ・マレック=フレディ=ゴリラって思ってしまって、ピッタリじゃーんって思ったのは、私だけかしら。そんなことを考えるだけでも、楽しくなっちゃいました。
それにしても、動物と話しが出来たらいいなぁ。スタビンズという少年は、動物が好きで、必死で動物を理解しようと話しを聞いていると、段々と言葉が理解出来るようになっていくんです。それを観ていたら、もしかしたら、私もずーっと動物と向き合っていれば、もしかしたら・・・って思っちゃって、嬉しくなりました。そんな夢も観させてくれる映画です。
この映画、もちろん大人が観ても楽しめるんだけど、やっぱり子供と観ると楽しいでしょうね。子供たちが、もしかしたら動物と話しが出来るかもと思ったら、何十年後に動物の言葉の翻訳器を作ってくれるかもしれませんよ。映画が子供の未来を決める事もあるので、ぜひ、沢山の良い映画を観せてあげて欲しいと思います。
子供に未来を見せてくれる映画って、大切ですよね。日本って、こんな風に、子供に優しくて未来を見せる映画が無いんですよね。大人向けの小難しくて、映画祭が喜ぶような映画ばかりで、映画監督たちのオナニー的な作品が多いと思っています。子供向けというとアニメか特撮ばかりで、邦画のレベルって、やっぱり一段低いのかなと考えてしまいます。映画界も考えて欲しいです。
私は、この映画、超!超!お薦めしたいと思います。本当は超!を3つ付けても良いくらいなんだけど、子供向け映画が苦手な方もいらっしゃるだろうから、2つにしておきます。子供向け映画で、私のようにはしゃいで心から楽しめる方には、本当にお薦めです。ぜひ、観に行ってみてください。
ぜひ、楽しんできてくださいね。