「水曜日が消えた」を観てきました。
ストーリーは、
幼い頃の交通事故により、曜日ごとに性格も個性も異なる7人が入れ替わる「僕」。彼らは各曜日の名前で呼び合っているが、中でも「火曜日」は一番地味で退屈な存在で、他の曜日から家の掃除など面倒なことを押し付けられる損な役回りだった。しかし、ある時、1日を終えてベッドに入った「火曜日」が、水曜日に目を覚ます。僕の中の「水曜日」が消え、「火曜日」は水曜日を謳歌するが、その日常は徐々に恐怖へと変わっていく。
というお話です。
この映画、面白かったです。多重人格の人物が主人公という作品は幾つかあるのですが、曜日ごとに違う人格で、それも同年代の人物というところが面白いと思いました。それに、得意な事をそれぞれにやっていて、それこそ適材適所的に曜日ごとに行っているので、こんなに複雑なことになっていても、上手く回っているのかなと思いました。このままで15年もやってきたって言うんですもん。凄いですよね。
病院と呼ばれている研究所的な所に毎週通っているのですが、そこでは何の検査もすることなく、彼の報告を聞くだけって感じなんです。貴重な症例のハズなのに、何も調べないから不思議だなぁって感じなのですが、この件は後々、色々解ってきます。
7人の僕がいて、”火曜日”が主人公で、一番、元々の彼に近いらしいのですが、本当の彼ってどれなの?って言っても、自分でも分からないんです。もう、その状態で15年も生きてきているので、”火曜日”は火曜日しか知らなくて、15年生きていても1/7しか、現実を知らないんです。不思議な感覚だろうなぁと思いますが、気が付いたらそうなっていたなら、仕方ないのかな。その曜日しか知らないんだから、他の曜日なんて考えても無駄ですよね。だって、他人が同じ身体を使って生きているんですから。
そして、ある日突然に”水曜日”は消えるんです。良く、多重人格を精神科医が診断して、段々と幾つもの人格を統一していって、最後に一人にするというストーリーはありますよね。あの有名な「24人のビリーミリガン」もそうだったような気がします。でも、この映画では、それぞれの人格が精神疾患で現れたのではなく、事故によって脳に障害を負い、人格が分裂したということなので、”悪”と呼ばれる人格が無いんです。なので、統一する必要も無いし、そもそも脳のどの部分の損傷が人格を分かれさせたのかも解っておらず、解明できていないんですよ。
なので、”水曜日”が突然に消えたという事は、脳に何か起こっているという事のハズなんですけどね。でも、ナイショにしているんです。その内、また元に戻るだろうって・・・。でも、そう簡単には上手く行かず、他の曜日たちもバラバラしてきちゃったりして・・・。問題は大きくなっていきます。
主に、”火曜日”と”月曜日”が現れるのですが、中村さんの演技が上手いんですよ。本当に違う人格のようで、それを観ているだけでも楽しめます。もちろん、ストーリーも面白いんだけど、彼の演技が絶妙なので、それだけでも、凄く楽しめるんですよ。面白かったなぁ。
もし事故で人格が分かれちゃったらどうしたら良いんですかね。1/7しか時間が無かったら、私は、絶対に時間が足りないと言って、大騒ぎしてしまいそうです。脳の中で共有が出来れば良いけど、例えば、観たい映画があったら、7人それぞれが観る訳でしょ。凄い時間の無駄よね。出来れば出来事の共有はしたいなぁ。うーん、大変そう。
私は、この映画、超!お薦めしたいと思います。本当に面白いです。ストーリーがよく出来ていたと思いました。それに中村さんの演技が良いので、バランスの良い、誰が観ても楽しめる作品に出来上がっていると思います。ぜひ、観に行ってみてください。
ぜひ、楽しんできてくださいね。