「ハリエット」人種差別の壁はいつになったら無くなるのでしょう。ハリエットの努力を無駄にしないで! | ゆきがめのシネマ。劇場に映画を観に行こっ!!

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観てきた映画、全部、語っちゃいます!ほとんど1日に1本は観ているかな。映画祭も大好きで色々な映画祭に参加してみてます。最近は、演劇も好きで、良く観に行っていますよ。お気軽にコメントしてください。
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「ハリエット」を観てきました。キノシネマ横浜みなとみらいは、会員になると火木が会員デーで1000円で映画観れるので、とてもお得なんです。私はauマンデーとキノシネマの会員デーとレディースデーを使って、映画をお安く観るようにしています。シニア料金にはさすがに遠いし、かといって1900円で観ていたら、あっという間に映画でご飯が食べれなくなっちゃいますもん。(笑)

 

ストーリーは、

1849年、メリーランド州。ブローダス家が所有する農園の奴隷として幼い頃から過酷な生活を強いられてきたミンティは、いつか自由の身となって家族と一緒に人間らしい生活を送ることを願っていた。ある日、奴隷主エドワードが急死し、借金の返済に迫られたブローダス家はミンティを売ることに。家族との永遠の別れを察知したミンティは脱走を決意し、奴隷制が廃止されたペンシルベニア州を目指して旅立つが・・・。

というお話です。

 

 
1849年、アメリカ、メリーランド州。ブローダス農場の奴隷ミンティは、幼いころから過酷な労働を強いられていた。そんな彼女の願いはただ一つ、いつの日か自由の身となって家族と共に人間らしい生活を送ること。ある日、借金の返済に迫られた農場主がミンティを売りに出す。遠く離れた南部に売り飛ばされたら、もう二度と家族には会えず、お互いの消息すらわからなくなってしまう。
 
脱走を決意したミンティは、奴隷制が廃止されたペンシルベニア州を目指してたった1人で旅立つが、追手に追いつかれ、自由か死の選択しかないと覚悟したミンティは、川に飛び込み濁流に飲み込まれる。誰もがミンティは死んだと思い捜索は打ち切られた。しかしミンティは必死で川を泳ぎ切り、ペンシルバニアを目指して走り続ける。そしてペンシルバニアの奴隷廃止運動家ウィリアムを訪ね、今までの経緯を話すと、逃げ切れた女性は数少ないと言われ、温かく迎え入れられる。
 
 
新しい生活を手に入れたミンティだが、残してきた家族を忘れる事が出来ず、家族を取り戻そうと、再度、南部のメリーランドへ行くと言いだす。ウィリアムは危険を訴えるが、ミンティは頑として行くと言い、新しい”ハリエット”という名前を手に入れて、家族奪還に動き出す。
 
メリーランドへ戻り、家族を連れ帰ったハリエットだったが、まだまだ苦しんでいる奴隷がいる事を知ったハリエットは、それから何度も南部へ行き、奴隷を連れ帰った。奴隷を盗まれた農場主たちは怒り、奴隷を盗む”モーセ”に懸賞金をかける。農場主たちは、まさか黒人女性が解放しているとは思わず、”モーセ”という男が盗んでいるとして手配したのだった。そして警備は厳しくなり、逃亡奴隷法が制定されてしまい・・・。後は、映画を観て下さいね。
 

 

この映画、今、アメリカで大規模に起きている、警官による黒人男性暴行死に対しての抗議デモにも繋がる事なので、とても考えさせられました。この映画の舞台は、同じアメリカでも1849年です。170年も前に、このハリエットさんの逃亡劇があったんです。この時代は、まだ奴隷制度が根強くあって、自由黒人という制度があっても、黒人差別は酷かったようです。そして南北戦争に突入し、リンカーンによる奴隷解放となるのですが、奴隷解放されても差別はまだまだ残り、今もまだ、アメリカにくすぶっているというのが、やっぱり許せないと思いました。

 

 

ミンティは、奴隷の娘に生まれたので生まれながらに所有者のモノ=奴隷なんです。自由黒人にはなれません。しかし頭の良かったミンティは、弁護士に頼み、前の農場主が亡くなった時に、奴隷契約も終わっているという確認の手紙を受け取るのですが、それを農場主に見せても殴られて終わり。挙句、売られてしまいそうになります。そして逃亡することになるのですが、その時に、既にミンティは結婚しているんです。

 

夫は一緒に逃げようというのですが、ミンティは2人で捕まる事を恐れて一人で逃げ、何とか逃げ延びます。そして夫と家族を連れに戻るのですが、ミンティは既に死んだと伝えられていたため、夫は新しい妻と子供を持っており、夫婦とも自由黒人だったんです。夫は裏切った訳ではないのですが、ミンティは心の支えを失って、とても悲しむんです。でも、その悲しみを強さに変えて、沢山の奴隷解放をする力にしたのかなと思いました。

 

 

ミンティは、奴隷の時代に農場主に殴られて頭を割ったらしく、その後遺症で突然に倒れる発作を起こすことがあったようですが、それが神の啓示を受ける合図になっていたように描かれていました。確かに、彼女がこれだけ奴隷を助けられたのは奇跡であり、神の啓示でもあったかのようだということだと思います。女性の力で、これほどの事が出来たという事が、やっと認められてきたんですね。黒人差別も酷かったようですが、女性への差別も、この時代、酷いようでした。

 

2020年にこのハリエットさんの顔が20ドル紙幣になるという話があるようですが、どうも、トランプ政権になり、もみ消されたようですね。今現在、その話は無くなっているようです。もし、トランプ政権から変われば、もしかしたら、再浮上するかもしれません。大統領が差別をしているようでは、国が安定する訳が無いと思います。

 

 

この映画、とても心にズシッとくる内容でした。特に今、この映画を観ると、差別という事がどれ程酷い事なのかという事を、考えさせられます。いつになったら、こんな差別が無くなるんでしょう。日本でも、色々な差別がありますよね。人種の差別、性の差別、何で無くならないんでしょう。肌の色や国籍や性別が何をしたのか。生まれながらのものを、何故否定するのか。いつになったら平等という言葉を言えるようになるんでしょうね。

 

 

私は、この映画、超!お薦めしたいと思います。私は、とても感動をしました。ハリエットという人物が、どれ程に凄い事をしていたのかという事が分ります。そして差別というものが、時代が変わっても残っているという事を、よく考えるべき映画だと思いました。ぜひ、観に行ってみてください。

ぜひ、楽しんできてくださいね。カメ

 

 

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