大林宣彦監督がお亡くなりになりました。ご冥福をお祈り申し上げます。素晴らしい監督でした。昨年10月に東京国際映画祭でお姿をみた時は、ヨオヨボしていて、大丈夫なのかな?って思ったのですが、やっぱり具合は悪かったのですね。ガンだったそうです。本当に、色々な映画を沢山作ってくださって、ありがとうございました。
私は、子供の頃に「時をかける少女」を観まして、私も時間を超えられるんじゃないかと思っておりました。その頃、筒井康隆先生の小説が学校で流行っていたので、小説を読み、映画を観て、結構、盛り上がった記憶があります。原田さんがとても可愛くてファンになり、映画の主題歌を松任谷由実さんが作っていてファンになり、角川が作っていたので角川映画のファンになり、その流れで薬師丸ひろ子さんの映画も観るようになりました。
映画を好きになったのは、基本は東映のまんが祭りだったと思いますが、実写の映画として本当に自分が好きだなと思ったのは、時をかける少女だったと思います。その映画を作られた大林監督は、私にとっては、何ていうのかな~、お父さんのような感じでした。子供の頃は、髭を生やした恐そうなおじさんというイメージで、大林監督の映画のファンになったので、「ハウス」という映画をビデオで借りて来てみたら、その頃、子供には凄く怖かったので、泣きそうになった思い出があります。
私にとっては、そんなイメージの監督だったのですが、その後、いくつかの映画を観せて頂いて、「野のなななのか」と「花筐」を観せて戴いた時に、やっぱり大林監督の映画は、どこか和の感じを香らせる雰囲気を持っているんだなと思いました。もちろん邦画だし、日本の映画なんだけど、ハリウッド映画やヨーロッパに影響されず、日本の王道を貫いている感じがあり、空気が澄んでいて好きなんです。
その監督が永眠され、彼のような雰囲気を引き継いでくださる方はいないんだなと思ったら、悲しくなりました。本当に大林監督の作品は独特だったので、忘れられません。
ああー、時をかける少女、良かったなぁ~。原田さんは初めての映画出演だったし、決して上手い訳では無いのですが、何故か、とても味があるんですよねぇ。自分が子供だったので、凄く印象強く残っているんです。
そんな大林監督は、ここ何年か反戦の映画を作られていて、良い映画でした。私も大人になったので、大林監督作品の本当の良さなども、少しは解るようになり、感動していたんです。なので、大林監督が居なくなって、とても寂しいです。こんなコロナの問題が無ければ、新作映画が公開されていただろうに、悲しいですね。でも、東京国際映画祭で上映され、好評だったので、安心していらしたのだと思います。
最後に再度、大林監督、ご冥福をお祈り申し上げます。監督の作品は、これからもずっと継がれていくので、ご安心下さい。最後の作品「海辺の映画館-キネマの玉手箱」、公開を楽しみに待っています。安心して、天国で見守っていてください。
長い間、映画を愛して下さって、ありがとうございました。