「屋根裏の殺人鬼 フリッツ・ホンカ」連続殺人鬼にしては行き当たりばったりで考えてませんでした。 | ゆきがめのシネマ。劇場に映画を観に行こっ!!

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観てきた映画、全部、語っちゃいます!ほとんど1日に1本は観ているかな。映画祭も大好きで色々な映画祭に参加してみてます。最近は、演劇も好きで、良く観に行っていますよ。お気軽にコメントしてください。
スミマセンが、ペタの受付を一時中断しています。ごめんなさい。

「屋根裏の殺人鬼 フリッツ・ホンカ」を観てきました。

 

ストーリーは、

第2次世界大戦前に生まれ、敗戦後のドイツで幼少期を過ごしたフリッツ・ホンカ。彼はハンブルクにある安アパートの屋根裏部屋に暮らし、夜になると寂しい男と女が集まるバー「ゴールデン・グローブ」に足繁く通い、カウンターで酒をあおっていた。フリッツがカウンターに座る女に声をかけても、彼を相手にする女はいない。フリッツは容姿は酷かったが、無害そうに見える男だった。しかし、彼が店で出会った娼婦を次々と家に招き入れ、「ある行為」に及んでいたことに、常連客の誰ひとりも気づいておらず・・・。

というお話です。

 

 
1970年代、ハンブルク。ある部屋に女性が転がっている。それを見降ろす男は、意を決したようにノコギリを持ち出し、女の遺体に近づいて行った。そしてバラバラにした身体の一部は近所の空地に捨て、残りは屋根裏部屋の収納に入れてしまう。
 
学校で留年が決定したペトラがカフェでタバコを咥えると、突然、男が火を差し出してきた。男はペトラが去った後も、その後ろ姿をじっと見つめている。
 
バー<ゴールデン・グローブのカウンターの端にいつもフリッツ・ホンカは座っていた。女に酒を奢ろうと声を掛けても、「不細工すぎて無理」と振られるだけ。注文もせずにひとりでポツンと座る中年女にフリッツが一杯奢ると、そっと横にやってくる。女はゲルダと名乗り、フリッツとゲルダは店を後にする。
 
 
フリッツの部屋で2人は酒を飲み、ベッドへ入るが上手く行かず、フリッツは暴力を奮いながらゲルダを抱いた。次の朝、ゲルダは部屋を掃除し、フリッツの世話をするようになる。フリッツも嫌がらずにゲルダと話しをするようになる。ゲルダには30歳になる独身の娘がいるらしい。「ぽっちゃりして、可愛い子よ。肉を売っているの」と言い、フリッツはゲルダの娘に会うことを夢想する。しかし、いつまでたってもゲルダは娘を連れてこない。そして・・・。
 
ある日、フリッツは車に突き飛ばされる。入院したフリッツは、退院を機会に禁酒する。夜間警備員の仕事につき、真っ当に生きようと心に誓うのだったが、夜に清掃員の女性とその夫に出会い・・・。後は、映画を観てくださいね。
 

 

実在した殺人鬼のお話なのですが、凄く気持ち悪かったです。スプラッター的な気持ち悪さではなくて、このフリッツ・ホンカという人の存在が気持ち悪くなってくるんです。もし、私がどこかでこんな人に出会ったら、そっと逃げるだろうなぁと思いました。その容姿ではなく、目つきと漂わせる雰囲気がねっとりしていて、ヒルのようなんです。今にも血を吸われそうなの。

 

当時の記事を見ると、フリッツは家庭環境が最悪で、子供の頃から父親に無理やり酒を飲まされることもあり、若い頃からアルコール依存症だったようです。容姿もあまり良くなくて、どもりがあったようで、モテなかったらしいのですが、同じような酒飲みの女性と知り合い、結婚して、子供もいたようです。ちょっと驚きました。でも、その頃は良い人だったのかもしれません。でも、夫婦そろって依存症が酷くなり、離婚したようで、その頃から、フリッツはおかしくなっていったようです。

 

 

この映画は、最初の殺人を犯した場面から始まります。最初は、はずみだったのかもしれません。でも、殺しちゃって、直ぐにバラバラにして捨てに行って、半分は自宅の物置に入れておくって、あり得ないでしょ。普通の物置に入れておくだけじゃ、腐るじゃないですか。そんな想像も出来ないほど、頭がイカレていたとしか思えません。

 

その後も、何故か年配の太った醜い女性を狙って、家に連れてきては殺していたようです。何故、ここで年配の女性だったのかというと、上手く勃たないので、口でして貰うのが好きだったようで、噛み切られないように歯が無い女性を狙っていたらしいんです。これにも驚きました。あまりにもグロいでしょ。

 

 

美しい女性をというなら、何となく納得も出来ないではないんです。理想の女性が手に入らないから、無理やりに殺してでもというのなら何となく解るけど、高齢の醜い女性を狙うというのは、もう、ヤリたいだけでしょ。もう、これSEX依存症だったんじゃないかと思いました。まぁ、変態と言ってしまえばそれまでなんだけどね。

 

でも、映画を観ていると、最初から殺す気は無いようなんです。ゲルダという女性と出会った時には、しばらく一緒にいたようなので、目的は殺す事ではないのですが、自分の意に沿わないと、直ぐに殺してしまうというのは、もう、この時には、人間の尊厳というものが抜け落ちていたのでしょう。既に、獣だったのかもしれません。

 

 

フリッツの想像にいつも出てくるのが、最初に出会う留年しちゃった女の子なのですが、ちょっと綺麗な普通のそこら辺にいる女の子なんです。だけど、フリッツの中で、どんどん想像が美化されて、女神のようになって行くんです。そんな彼女がキーポイントとなっていて、最初と最後が結びつくというように作られているのが、上手いなぁと思いました。彼女で始まり、彼女で終るんです。映画としては、上手いなぁと思いました。

 

そうそう、フリッツを演じている役者さんなのですが、ヨナス・ダスラーさんという方で、日本では「僕たちは希望という名の列車に乗った」が公開されましたが、凄くイケメンなんです。それなのに、特殊メイクでキモいオッサンに大変身。驚くような演技を見せてくれます。

 

 

私は、この映画、お薦めしたいと思います。内容としては、超!を付けたいんだけど、あまりにもフリッツが気持ち悪いので、どうしても付けられませんでした。でも、内容は面白いです。ぜひ、観に行ってみてください。

ぜひ、楽しんできてくださいね。カメ

 

 

屋根裏の殺人鬼フリッツ・ホンカ|映画情報のぴあ映画生活