「私の知らないわたしの素顔」彼女の心の奥底にいた本当の自分が、偽りの恋愛で目を覚ます。 | ゆきがめのシネマ。劇場に映画を観に行こっ!!

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観てきた映画、全部、語っちゃいます!ほとんど1日に1本は観ているかな。映画祭も大好きで色々な映画祭に参加してみてます。最近は、演劇も好きで、良く観に行っていますよ。お気軽にコメントしてください。
スミマセンが、ペタの受付を一時中断しています。ごめんなさい。

「私の知らないわたしの素顔」の試写会に連れて行って貰いました。

 

ストーリーは、

パリの高層マンションに暮らす50代の美しき大学教授クレール。ある日、年下の恋人にフラれてしまったクレールは、ほんの出来心でSNSの世界に足を踏み入れる。Facebookで「24歳のクララ」に成りすましたクレールは、アレックスという男性とつながるが、アレックスは別れた恋人の友人だった。アレックスとSNSの世界にのみ存在するクララが恋に落ちてしまったことから、事態は思わぬ方向に展開していく。

というお話です。

 

 
パリの高層マンションに暮らす50代の美しき大学教授クレール。長くカウンセリングを受けているが、ドクターが新しくボーマン医師に変わる。また最初から話さなければいけないのかと文句を言うと、ボーマン医師は現在の状況だけで大丈夫だという。そしてクレールは静かに話しだす。
 
クレールは、年下のリュドという恋人と親密だったが、リュドが仕事を優先するのに腹を立ててしまう。リュドはそんなクレールから離れて行き、クレールが電話をすると、リュドの友人のアレックスが出て、冷たく出れないと言われて切られてしまう。
 
 
ムカついたクレールは、SNSで相手を見つけようとFacebookを使い始めます。そしてリュドの友人であったアレックスを見つけ、「24歳のクララ」という女性に成りすまし、近づいて行きます。最初は、いたずらくらいの気持ちだったクレールですが、何度も言葉を交わし、メールのやり取りをするうちに、お互いどんどん惹かれて行き、アレックスは逢いたいというようになりますが、クレールは成りすましなので、何としても逢わないようにします。
 
アレックスは、クララの様子がおかしい事に気が付き始め問いただすのですが、クレールは答えようが無く、仕方なく、彼がいるのだと嘘を付いてしまいます。そして二人の関係は・・・。
 
 
ボーマン医師は話を静かに聞いており、55歳のクレールが、何故24歳のクララとしてSNS上で活動し始めたのか、そのクララという人物の写真や動画はどうやって手に入れたのか、そのこだわりを聞き始めると、クレールは画像はネットから、年齢や名前は何となくだとはぐらかします。でもクレールには、何か隠していることがあるように見えます。ボーマン医師は、クレールが何故そんなに自分を傷つけるような事をするのかと疑問を投げかけ、何があなたをそんなに傷つけたの?と聞くと・・・。後は、映画を観てくださいね。
 

 

この映画は、考えさせられました。これ、特に女性は、うーんって唸ってしまうんじゃないかな。主人公のクレールは、55歳なのに、24歳と偽って、アレックスという男性とネット上で出会い、恋愛をします。では何故、24歳と偽って、男性と付合おうと思ったのか。クレールは、55歳という年齢だけど、素晴らしく美しくて、大学教授という職もあり、誰が見ても羨むような女性です。それなのに、仮想の自分を作り上げ、写真や動画まで選んで送り、長い間付き合いを続けたのか。その理由が、最後の最後で判るのですが、ちょっと驚くと思います。

 

確かに女性って、若く見られると喜ぶし、アンチエイジングが大好きじゃないですか。私だって年齢と共に、ちょっとお高い化粧品にしてみたり、リフトアップ効果があると言われればマッサージをしてみたり、美しくありたいというよりも、若くありたいという願望がありますよね。でも、考えてみると、何でそう思ったのかしら。化粧品屋とか、健康食品屋に洗脳されているのかもしれません。若けりゃいいっていう考えはおかしいような気もするけど、でも若い頃の肌は細やかだったし、シミも無かったよなぁと思うと、やっぱり若い頃は良かったと思ってしまいます。

 

 

だからと言って、年齢を誤魔化して、若い男性を引っ掛けるオバサンは、ちょっと問題よねぇ。でも、結構、こういう人、実際にいるんだろうなぁ。もちろん、男性の方も、若いと偽ってお爺さんだったりすることもあるんだろうと思います。

 

映画の中では、クレールがクララと偽って、アレックスを騙すのですが、最初はお遊びのつもりが、アレックスは真剣になり、もちろんクレールも、本当にアレックスが好きになって行ってしまいます。でも、ネットの上では、24歳のクララという女性なので、クレールがどんなにアレックスを好きでも近づくことは出来ません。例え、近くにいたとしても、クレールはアレックスが分かるけど、アレックスはクララを見つけることは出来ないんです。酷い仕打ちだよなぁ。人の心を弄ぶなんて、酷いと思いました。

 

 

面白いと思ったのは、クレールが、自分が作ったクララという女性に嫉妬のような感情を抱くという所です。本当は、自分がアレックスと話をして、恋愛をしているのに、アレックスの目はクララしか見ていない訳でしょ。どんなにクレールが目の前に居ても、アレックスはクララを見ているんです。恋愛をしているクレールは美しくなっていくのに、一方では、クララになれない自分を悔やんでいて、クララに嫉妬しているんです。実は、このシチュエーションが、クレールがこんなことをした理由に、凄く重要になってくるんです。最後に全てが解き明かされた時、心にズシッと来ました。

 

でもね、観ていると、そんなことをしてしまう、オバサンのクレールの気持ちも解らないでは無いんです。だって、私もオバサンですから。若い青年が、甘い言葉を投げかけてきたら、そりゃ、盛り上がっちゃうよねぇ。年齢なんて忘れて、恋愛突入モードに入っちゃうの、理解出来ました。

 

 

クレールの話を聞いているボーマン医師も、年配の女性で、往年の大女優で監督のニコール・ガルシアが演じています。ビノシュとガルシアの対決が凄かったです。淡々と話をしているように見えるけど、言葉に棘があったりして、女は怖いなぁ~って思いますよ。

 

この映画、最後の最後で全部理解が出来ると、凄く深くて、面白い映画だと思うと思います。これは、女性が観ると、結構、頭に残って、後々まで考えてしまう映画だと思いました。私は、試写会で観た後に、ずーっと考えちゃいましたもん。でもね、人間は、ちゃんと年を重ねた分だけ中身は厚くなっているし、そこらの薄っぺらい若者には決して負けない内容と頭脳が入っているんです。若けりゃいいなんて思わないで欲しい。その内、全て人造の身体とかになる時代が来たら、年齢なんて在って無いようなものになるかもしれません。年相応の人生を楽しめれば、それでイイような気がするんですけどね。

 

 

私は、この映画、超!超!お薦めしたいと思います。但し、単館系の映画で、理解するのが、ちょっと困難かもしれません。深読みして行かないと、ダメな映画です。でも、理解が出来ると、凄く面白いと思うとおもいますよ。ぜひ、観に行ってみてください。

ぜひ、楽しんできてくださいね。カメ

 

 

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