「閉鎖病棟 それぞれの朝」弱い人々が寄り添うように暮らす病院で、突然に起きた事件の真相とは。 | ゆきがめのシネマ。劇場に映画を観に行こっ!!

ゆきがめのシネマ。劇場に映画を観に行こっ!!

観てきた映画、全部、語っちゃいます!ほとんど1日に1本は観ているかな。映画祭も大好きで色々な映画祭に参加してみてます。最近は、演劇も好きで、良く観に行っていますよ。お気軽にコメントしてください。
スミマセンが、ペタの受付を一時中断しています。ごめんなさい。

「閉鎖病棟 それぞれの朝」を観てきました。

 

ストーリーは、

母親や妻を殺害した罪で死刑判決を受けたものの、死刑執行に失敗し生きながらえた梶木秀丸。幻聴が聴こえて暴れるようになり、妹夫婦から疎まれて強制入院させられた元サラリーマンのチュウさん。父親からのDVが原因で入院することになった女子高生の由紀。彼らは家族や世間から遠ざけられながらも、明るく生きようとしていた。そんなある日、秀丸が院内で殺人事件を起こしてしまう。

というお話です。

 

 

ある地方都市の刑務所で、死刑が執行された。全てが終わり、遺体の最終検査が行われていると、突然、遺体が息を吹き返す。驚く刑務官たちだが、生きていたものは仕方が無い。その男は、妻とその間男と自分の母親を殺し、死刑判決を受けたのだが、一度死刑が執行された人間に、再度の死刑は行われない。その男・梶木秀丸は、精神医療病院に収容されたのだった。

 

サラリーマンだったチュウさんは、ある日、幻聴が聞こえるようになり、普通の生活が出来なくなってしまう。妹夫婦は、そんな兄を精神病院に入るように促し、彼は自分で入院を希望する。

 

 

女子高生の由紀は、母親に連れられて精神病院へ来る。部屋に閉じこもるようになり、自殺未遂らしいこともしていたようだ。しばらく入院することになるが、色々な質問をされ、耐えられなくなった由紀は病院の屋上から飛び降りてしまう。落ちた場所が花壇で柔らかかった為に大した傷も無く助かった。しかし、彼女は妊娠していたようで、子供は流産してしまう。

 

病院で一緒になった3人は、外から隔離された病院内では穏やかな日々を過ごしていた。だが、同じように病院に収容されていた重宗という男が、突然に3人の絆を壊してしまう。姿を消した由紀を、秀丸とチュウさんは心配していると、患者でカメラが大好きな昭八が、チュウさんにある写真を見せる。驚いたチュウさんは秀丸に相談をし、そして・・・。

 

 

ある事件を起こしてしまった秀丸は警察に逮捕され、裁判になるのだったが・・・。後は、映画を観てくださいね。

 

弱い人々が肩を寄せ合って生きている病院で、ある事件が起こり、色々な事実が明らかになって行くというお話でした。この映画を観ていて、何で傷つけられるままでいるのか、反撃しないのかと思いましたが、それが出来ない人々も沢山いるんですよね。誰もが強くいられる訳では無いので、こういう逃げる場所が必要なのだと思いました。

 

 

秀丸は、好きで病院にいる訳では無く、入る場所が無くて、精神病院をたらい回しにされているようでした。確かに、死刑執行したのに生き返ってしまったら、二度目の執行は出来ないし、法的にどういう状態にいるのかなと不思議に思いました。生きているのに死んでいる事になっているのかしら。でもね、この秀丸の話を観ていて、殺人事件のニュースでは殺した犯人が悪いとしか言わないけど、それぞれに、深い事情があって、殺人に至ってしまったのだろうなという事を思いました。もちろん、殺すのは許されないけど、そこには深い事情があって、ただ単に憎しみだけでは無かったのかもしれないと思いました。

 

チュウさんは、幻聴が聞こえて耐えられなくなり、自分で病院に入ってきたのですが、何か酷いストレスがあったのでしょうね。会社で虐めがあったり周りの目が厳しかったり、精神的に弱い人は、ちょっとした人

の噂でも、自分が言われているのではないかと気になってしまい、恐くなるのでしょう。可哀想だなと思いました。こればっかりは、どうすれば治るとかって難しいと思います。もちろん、周りに良い人ばかりがいるのであれば、幻聴などは起きないと思うのですが、社会に出れば、どうしても人の悪意に晒されてしまいます。悪意には悪意を返せるような強い人なら良いけど、弱いと可哀想ですね。

 

 

由紀ちゃんは、母親の再婚相手に性的虐待を受けていて、義父の子供を妊娠して病院に来ます。母親にも訴えられず、どうしようもなくて、屋上から飛び降りるんです。病院に逃げて来て、やっと安心した夜を迎えられるのですが、義父は母親と一緒に由紀を連れ戻しに来るんです。酷いでしょ。これ、映画だけの話じゃなくて、現実にも多いだろうなと思います。母親も分かっていて止めないんですよ。酷いでしょ。娘に嫉妬するって、どういうこと?まず娘を助けるのが先でしょ。大体、高校生くらいの娘がいるなら、再婚相手が目を付けるのは解っているでしょ。自分みたいなオバサンよりも女子高生の方が良いに決まってるじゃん。頭悪いのかしら。本当にこういう母親って理解が出来ません。

 

 

そんな事情を抱えた人々の話を描きながら、精神病院に収容されている人々の姿も描いていました。職員の人たちも描かれていたのですが、あまり目立たなかったかな。こんな感じなのかしら。結構、自由に出入り出来る状態で、驚きました。こんなに自由なんですね。まぁ、自分で入ってくる人もいる訳だから、酷い状態ではなければ、自由なのかもしれませんね。

 

病院での出来事を描きながら、弱い人々が寄り添って生きている姿を優しく淡々と描いていて、私は好感が持てました。鶴瓶さんも綾野さんも小松さんも上手くて、観ていて感動しました。もっと社会に優しい人が増えて行けば、こんな風に病院に入らなくても、社会で生きていけるようになるのになぁと思いました。

 

 

私は、この映画、お薦めしたいと思います。感動作でした。でも、大人しい映画なので、綾野さんや小松さんの演技をゆっくり感動しながら観るのは良いのですが、ドキドキハラハラという大きな変化が無いので、そういうアクション系が好き方には物足りないかも知れません。ぜひ、観に行ってみて下さい。

ぜひ、楽しんできてくださいね。カメ

 

 

閉鎖病棟―それぞれの朝―|映画情報のぴあ映画生活