「台風家族」を観てきました。
ストーリーは、
鈴木一鉄と妻の光子は銀行から2000万円もの大金を強奪し、行方がわからくなっていた。事件から10年たったある日、いまだに所在がわからない両親の仮想葬儀で財産分与をおこなうため、鈴木家の子どもたちが集まる。どんな仕事も長続きしない長男の小鉄は妻の美代子、娘のユズキとともに10年ぶりに実家へ訪れ、長女の麗奈、次男の京介とともに、空の棺おけを2つ並べた見せかけだけの葬儀を始める。葬儀が終わった頃にインターホンが鳴り、間に合わなかった末っ子の千尋がようやく到着したかに思われたが、ドアの外に立っていたのは千尋ではない、チャラチャラした男だった。
というお話です。
この映画、面白かったです。両親が銀行強盗をして、そのまま消えてしまったという家族。どんな親子関係だったんだよって思うけど、いたって普通の家族で、長男は葬儀屋を継ぎたくなくて、家を飛び出したという事はあったけど、何で銀行強盗をしなければならないほど、お金が欲しかったのかは、全く分からないんです。
親の事件で、家族は非難され、酷い目にあったのだと思います。でも、両親が見つからないから、このままほおっておく訳にもいかず、葬儀をして、失踪届を出していたので、死んだものと考えて、遺産の分配をしようとするんです。4人兄弟なのですが、実家の葬儀屋を継ぐとか継がないとかで、色々、昔、揉めたようでした。それが後を引いて、今も、そんなに仲の良い兄弟とは言えないみたいで、遺産相続は揉めます。まぁ、仲が良くても遺産で揉めると言うのは良くあることなので、普通なのかな。
後から三男の千尋も出てくるのですが、4人が4人共、特徴のある、濃い人物でした。特に、長男の小鉄が、クズと周りに言われても平気だよ~って感じで踊っていて、大笑いしちゃいました。そんな小鉄の妻・美代子はとても優しい女性で、なんでこんなクズと結婚したんだろうという感じなのですが、その理由も、段々と判ってきます。そして娘のユズキは、父親の小鉄を軽蔑しており、冷たい目で父親を睨むように見ています。その姿も印象的でした。
京介は、事業で成功したのかな。お金には困っていないようでした。そして麗奈は、事件のせいで離婚し、ちょっとひねくれちゃってるかなぁと言う感じには見えたけど、それなりに生活をしているかなという感じでした。問題は三男の千尋で、こいつだけは、10年間、何してたんだろうなぁという感じだったなぁ。
葬儀の後、ある人が葬儀の事を知って、訪ねてきます。その人の登場で、両親がどうして強盗などをしたのかという理由が判ってきます。その上、実家を整理していると、母親の光子が認知症を患っていたらしい形跡が出てきて、どうも、父親が家事全般をやっていたらしいことも分かってきます。お年寄りの夫婦が、子供たちに迷惑を掛けたくないという思いで、必死で生きていたんだろうという痕跡も出て来て、なんだか、身に摘まされました。
昔のように、ご近所で声をかけるとか、時々、訪問するとか、そういう事が現代は無くなってきているので、老々介護で苦しんでいても、誰も知らなかった何て事も増えていますよね。そんな世の中で、若い人が減って、老人が増えて行ったら、日本はどうなっちゃうんだろう。うーん、色々、考えさせられてしまいました。
長男の小鉄を草なぎさんが演じているのですが、面白かったですよ。真面目な顔をしながらクズだったりするので、段々と笑っちゃうんです。酷い男なんだけどコメディのようで、何度も吹いてしまいました。それに上手くかぶせて、京介役の新井さんと麗奈役のメグミさんが罵ったりするので、本当に楽しかったです。中村さん演じる三男の千尋も、末っ子らしいクズで、これも笑いました。ぼやぁ~んとしていて良いですよ。
笑っちゃうんだけど、結構、深い愛を描いていて、最後の方は感動してしまいました。ひとつの出来事が、沢山の人を巻き込んで、迷惑をかけて、それでも家族の愛は消えることが無いんだってことが描かれていて、最後はジーンとしてしまいました。ストーリーの展開が上手いなぁという作品でした。
私は、この映画、超!お薦めしたいと思います。派手な作品ではありませんが、最後には家族の愛で心が温かくなるような作品でした。私は、この映画、好きかな。ぜひ、観に行ってみて下さい。
ぜひ、楽しんできてくださいね。
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