「ブラインドスポッティング」を観てきました。
ストーリーは、
保護観察期間の残り3日間を無事に乗り切らなければならない黒人青年コリンと、幼なじみで問題児の白人青年マイルズ。ある日、コリンは黒人男性が白人警官に追われ、背後から撃たれる場面を目撃する。この事件をきっかけに、コリンとマイルズは互いのアイデンティティや急激に高級化していく地元の変化といった現実を突きつけられる。あと3日を切り抜ければ晴れて自由の身となるコリンだったが、マイルズの予期せぬ行動がそのチャンスを脅かし、2人の間にあった見えない壁が浮き彫りになっていく。
というお話です。
引っ越し屋に務めている黒人青年コリン。彼は、ある犯罪で有罪となり刑務所に入っていたが、保護観察期間の為に出所し、保護観察官の元、生活を始め、毎日、時間通りに目覚め、引っ越し屋で働き、帰宅するという生活を送っていた。その保護観察もあと3日。それさえ終われば、普通の生活に戻ることが出来る。コリンは何事も起きないよう祈りながら、このオークランドで毎日を過ごしていた。
彼が勤務先で組んでいるのは、幼なじみで問題児の白人青年マイルズ。彼は既に結婚しており、娘も一人いる。荒っぽい性格で恐いもの知らずのマイルズは、今日も仲間で飲んでいると、その車の中に拳銃が置いてあるのを見つけ、1丁売って欲しいと友人に頼んでいる。許可を取って購入するならともかく、裏で拳銃を手に入れたのでは、警察に見つかったら捕まってしまう。コリンは、もし巻き込まれたら保護観察は失敗となり、刑務所に戻らなければならないと思い、巻き込まないで欲しいとマイルズに頼む。
車で自宅に帰る途中、信号待ちをしていると、黒人の男が飛び出してくる。驚いて顔を見るが、男は走って逃げてしまう。するとパトカーの音がして、警官が後を追って行く。そして拳銃の音が聞こえ、男が4発撃たれたらしい。目の前で人が死んだことを知ったコリンは、驚いて固まるが、警官が直ぐにその場所からどくようにとコリンに言い、コリンはビビリながら、また自宅への道をたどっていく。
黒人の男は保護観察中にまた犯罪を犯して追われていたらしく、撃たれて死亡したとニュースで言っていた。自分が見た光景が忘れられず、悪夢を見てしまうコリン。この地域で、もし、マイルズとコリンが同じ犯罪をしたら、コリンは撃たれて死ぬが、白人のマイルズは逮捕されるだけになるだろう。現に、今、コリンが保護観察されている事件は、その場にコリンとマイルズが居たのだが、コリンだけ逮捕され、重い罪になったのだった。
黒人であるが故に危険な状況に陥ってしまう恐怖を感じ、好き勝手をするマイルズを段々と疎ましく思い始めるのだったが・・・。後は、映画を観てくださいね。
この映画、良く出来ていました。同じ地域に住む、黒人のコリンと白人のマイルズは、幼なじみで親友なんです。でも、どちらも自分の色にコンプレックスがあり、自分はこの地域ではハズれ者だと思っているんです。黒人のコリンは、何か事件があると黒人が簡単に殺されている事に苦しんでおり、自分もいつそんな目に合うか分からないと不安に思っているんです。マイルズは、黒人がカッコイイとされる地域で、白人でも粋がっていて、黒人に仲間と思って貰いたいのだが、下に見られてるのではないかと不安に思っているんです。
コリンがある事件で刑務所に入った後も、白人である自分は罪に問われず、きっかけを作ったのは自分だったのにという負い目があり、何度も面会に行っているんです。どんなに仲が良くても、人種の違いの不公平は二人にはどうにもならず、友人でありながらも、二人の間の壁を感じているんです。難しい問題だと思いました。
コリンは、白人の警察官が黒人男性を撃ち殺すところを見て、過去の事件なども思い出すと、黒人は直ぐに撃ち殺されてしまうんです。たとえ、手を挙げて抵抗しない姿を見せても、信用されずに撃たれてしまう。何故、黒人ばかりがそんな目に遭わなければならないのかと、とても悩みます。そして恐怖します。あと3日で、普通の生活に戻れるのに、もし、何か事件に巻き込まれたら、確実にマイルズではなく、自分が撃ち殺されると考えてしまい、恐くなるんです。
一方、マイルズは、白人ながら、この地域で生きており、黒人の妻とハーフの娘がいます。彼は、自分が白人で優遇されていることを知っていますが、反対に、黒人たちからは、疎まれているのではないかと感じており、卑屈になっているんです。それでも、コリンの事は、とても大切に思っているんです。
お互いにお互いを大切に思いながらも、周りから伝わってくる人種差別の事を受け入れなければならなくて、お互いの人種が違う事を思い知らされるんです。
日本でも、今、韓国と仲が悪くなっているから、酷い差別的な事もあるでしょ。小学館の雑誌が、韓国人への差別的な記事を書いて、作家が怒っているという記事を読みました。私も韓国という国は、今の状況を見ると酷い国だと思うけど、でも、日本にいる韓国の方々は、日本人として生きているんだから関係ない訳でしょ。その人種が病気だとかいう記事はダメだよね。
この映画を観ていて、コリンとマイルズの姿が、日本人と韓国人に重なりました。同じ人間なのに、人種が違うというだけで差別されるのは、やっぱりおかしいよ。日本人の心無い言葉が、日本で生まれて日本の住民として生きている韓国の方々を凄く傷つけている訳でしょ。そりゃ、韓国は、今、狂っていると思うけど、でも、それは国の方針が狂っているだけで人間は違うでしょ。そこを間違えてはいけないと思います。
観ていて、そんな事を思ってしまいました。肌の色が違うとこの映画のように解りやすいけど、同じ黄色人種で差別をするほど厭らしい事はありません。そんな事バカな事を続けていたら、人種としてのレベルが地に落ちてしまいます。
私は、この映画、超!お薦めしたいと思います。最近、”超”を付けたくなる良い映画が多いです。どの映画も、訴えることがしっかりしていて、凄く考えさせられるんです。この”ブラインドスポッティング”という題名の意味も、本当に深いんですよ。それは映画の中で語られているので、噛みしめて欲しいです。ぜひ、観に行ってみてください。
ぜひ、楽しんできてくださいね。
![]() |
ワンダー 君は太陽 [Blu-ray]
3,850円
Amazon |
![]() |
Rubin ~ルビン~ -覚 醒- 認識の転換のために
Amazon |