「ニューヨーク公共図書館 エクス・リブリス」を観てきました。
ドキュメンタリー映画なので、内容は、
世界中の図書館員の憧れの的である世界屈指の知の殿堂、ニューヨーク公共図書館の舞台裏を捉えたドキュメンタリー。
19世紀初頭の荘厳なボザール様式の建築物である本館と92の分館に6000万点のコレクションを誇るニューヨーク公共図書館は、地域住民や研究者たちへの徹底的なサービスでも知られている。資料や活動に誇りと愛情をもって働く司書やボランティアの姿をはじめ、観光客が決して立ち入れない舞台裏の様子を記録。
同館が世界で最も有名である理由を示すことで、公共とは何か、そしてアメリカ社会を支える民主主義とは何かを浮かび上がらせていく。
というお話です。
この映画、3時間25分もあるんです。でも、押し付ける感じも無く、観ていて気持ちの良いドキュメンタリー映画でした。途中でうとうとしたり、寝ちゃったり、トイレに行ったりしても、全然大丈夫。自分が観ている部分で考えたり、感じたり、色々な事を知ったりするだけで充分な映画だと思いました。
まず、映画で紹介しているニューヨーク公共図書館とは、マンハッタン、五番街と42丁目との交差点に位置し、荘厳なボザール様式建築によって観光名所としても名高い”本館”<スティーブン・A・シュワルツマン・ビル>と、研究目的のために公開されている”4つの研究図書館”、そして地域に密着した”88の分館”を合わせた「92の図書館」のネットワークである。1911年に本館が竣工し、アンドリュー・カーネギーらの寄付により、各所に分館を増設してきた。人文科学、社会科学、及び、美術において世界有数の蔵書を誇り、総計6,000万点ものコレクションが所蔵されている。利用は原則として無料であり、ニューヨーク市に在住あるいは勤務している者であれば誰でも会員になることができる。 名称に「パブリック(public)」と入っているが、独立法人であり、財政的基盤は市の出資と民間の寄付によって成り立っている。ここでいうパブリックとは「公立」という意味ではなく、「公共」(一般公衆に対して開かれた)という意味に当たる。
上記にあるように、92の図書館のネットワークで、ニューヨークのそれぞれの街に根差して活動をしています。この地域に住んでいるか、働いていれば会員になれて、どの図書館でも閲覧が出来るようでした。そして、この図書館、本の閲覧だけではなく、ボランティアというか、色々な活動を行っているんです。研究会を開いたり、子供たちを集めて遊ばせたり、図書館の職員がカウンセラーのようなこともしているように見えました。
まるで、図書館ではなく、地域に密着した、みんなの相談窓口のような、所でもあるんです。日本では考えられないですよね。日本の図書館って、本当に、ただ、図書の貸し出しの手続きをするだけで、本の説明とか紹介だって、こちらが喰いついて教えて欲しいと頼まなければ、決してやってくれませんもん。日本の司書さんたちは、それを仕事ととらえて、自分の仕事でなければやらないのですが、このニューヨークの図書館の職員は、自分の仕事でなくても、こんなイベントをやったら理解が深まるとか、自分たちで企画を出して、その地域の活性化や、人々の知識の向上を目的として活動しているんです。そんな図書館が、日本にもあると良いなぁ。
そんな風に、とても地域の人々に近い図書館なのですが、所蔵書物は素晴らしい物ばかりで、その価値といったら、凄いんじゃないかしら。古典小説などの初版本とかもあって、1ページづつ、丁寧に写真に撮ってデータ化する作業なども行っていました。
アナログ的に人々と交流を持つことをしながらも、大切なものはデータ化し、その保存に務めていて、素晴らしい取り組みだなと思いました。図書館が、その地域の意識向上の先端をいっているようになっているんです。素晴らしいですよね。
図書館ですが、この図書館は公立ではありません、民間独立法人として運営されています。ニューヨーク市からの助成金と民間企業からの寄付により成り立っているそうです。予算組みは大変そうでしたが、それでも工夫をして、これだけの大所帯を運営しています。
私は、この映画、お薦めしたいと思います。長くて大変だけど、図書館で本を読むように、自分のペースで観たり休んだりをしても問題の無い映画ですので、気軽に観てみたら良いと思います。図書館というものの見方が変わると思います。こんな図書館が日本にもあったら嬉しいなって思いました。ぜひ、観に行ってみてください。
ぜひ、楽しんできてくださいね。
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