「あなたの名前を呼べたなら」インドは現代でも大きな格差社会が存在していることを知りました。 | ゆきがめのシネマ。劇場に映画を観に行こっ!!

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観てきた映画、全部、語っちゃいます!ほとんど1日に1本は観ているかな。映画祭も大好きで色々な映画祭に参加してみてます。最近は、演劇も好きで、良く観に行っていますよ。お気軽にコメントしてください。
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「あなたの名前を呼べたなら」を観てきました。

 

ストーリーは、

インドのムンバイで農村出身のラトナはファッションデザイナーを夢見ながら、メイドとして働いていた。夫を亡くしたラトナは建設会社の御曹司アシュヴィンの新婚家庭で住み込みで働く予定だった。しかし、婚約者の浮気が発覚して直前で破談となってしまい、広すぎる高級マンションに1人で暮らすことになった傷心のアシュヴィンを気遣いながら、ラトナは彼の身の回りの世話をしていた。ある日、ラトナはアシュヴィンにあるお願いごとをする。そのことから2人の距離が徐々に近くなっていくが・・・。

というお話です。

 

 

インドのムンバイでメイドとして働くラトナ。農村出身の彼女は19歳で結婚させられ、夫となった男性は病気であることを隠しており直ぐに死亡。嫁ぎ先から口減らしの為に働きに出され、お金を夫の実家に送っている。その上、ラトナの妹の学費も彼女が働いて送っているのだった。

 

彼女がこれから住み込みで働くのは建設会社の御曹司アシュヴィンの新婚家庭なのだが、何故か、結婚式だと聞いていた日に連絡があり、直ぐに働くようにと言われる。ラトナがマンションで片付けをしているとアシュヴィンが一人で帰宅する。噂を聞くと、結婚式の前日に、相手の女性が浮気をしたようだった。傷心のアシュヴィンは、亡くなった兄の代わりにアメリカから呼び戻され、父親の建設会社を継ぐことになっていた。以前はアメリカでライターをしていたらしい。

 

 

広いマンションに一人で住むことになったアシュヴィン。母親や姉が心配して訪ねてきて、浮気ぐらいなんでも無いから寄りを戻しなさいと言ってくるのだが、アシュヴィンにはその気が無く、仕事から帰ると一人でビデオを観たりと、引き籠ることが多くなっていた。そんなアシュヴィンの身の回りの世話をしながら、ラトナただ一人が、彼を気遣っていた。

 

ラトナは、いつの日か妹と一緒に洋服店を開き、妹の経営と経理を、自分はファッションデザイナーとして働くことを夢見ていた。その為に、洋裁を習いたいと思っており、町の洋服屋で手伝いをしながら技術を学ばせて貰えるよう交渉をする。メイドの時間を2時間ほど抜けて、洋服屋へ行かせて貰えるようにアシュヴィンへ頼み込むラトナ。アシュヴィンは、ラトナにそんな夢があることを知り、それまで彼女に気を留めることも無かったが、気になり始める。そして・・・。後は、映画を観てくださいね。

 

 

インドのシンデレラストーリーという感じですかね。インドでは、貧富の差が大きく、農村に住んでいる人々と都会に住むセレブでは、全く生活のレベルが違うんです。それぞれに仕来たりのようなものが厳格にあり、それこそレベルの違う階層の人間と付き合うなど、考えられない世界のようでした。

 

ラトナは、若いのに既に未亡人で、嫁ぎ先の家に縛られている状態のようでした。もし何かあれば、夫の弟が連れに来ると言っていたので、男女の格差も激しいのでしょうね。男性に逆らうなど、女性は出来ないのかもしれません。そんな状態のインド・ムンバイで知り合った、アシュヴィンとラトナ。アシュヴィンは、アメリカに住んでいたので、他の人々よりも考え方が柔軟になっているんです。なので、ラトナとも対等に話すし、ほとんどキツい言葉も言いません。

 

 

しかしラトナは、子供の頃から、インドの厳しい階層社会で生きているので、自分のご主人様であるアシュヴィンに対して、失礼な言葉は話せないし、まして名前を呼ぶなんてあり得ないと思っているんです。食事も一緒にするなど考えられないし、どんなに惹かれたとしても、決して結ばれることの無い人だと解っているので、近づこうとはしません。でも、アシュヴィンはそれを簡単に乗り越えようとするので、ラトナはとても苦しみます。その気持ちが伝わってきて、辛くなりました。

 

 

この映画、話としては、とても単純な話なのですが、インドという国の状況をとても良く描いていて、考えさせられました。今も、まだ、メイドがいてナニーがいて、使用人たちは決して雇い主に楯突くことは出来ないし、言い訳なんてもっての外なんです。もちろん日本でも家政婦の仕事はありますが、雇用者と使用人の立場は対等ですし、契約外の事をすれば、お互いに訴えることも出来る。でもね、インドでは違うんです。雇用者と使用人の力の差はとても大きいようでした。そんな世界で出会った二人は、惹かれ合ったとしても、決して結ばれることが無いはずなのですが・・・。

 

 

そんな内容の映画でしたが、私は、とても気に入りました。凄い美女が出てくる訳でもなく、美男が踊りまくる訳でもなく、インド社会で暮らしていそうな人々が、その暮らしの中で、どのように考え、苦しみ楽しみを感じているのかが描かれていて、感動作だったと思います。

 

 

私は、この映画、超!お薦めしたいと思います。じんわりと感動が沸いてくるような感じの映画で、私はとても好きでした。今の時代にも、こんなに貧富の差で苦しまなければならない人たちがいるのだという事を知り、考えさせられました。ぜひ、観に行ってみてください。

ぜひ、楽しんできてくださいね。カメ

 

 

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