「ハイ・ライフ」宇宙にほおりだされた人々は、段々と正気を保てなくなっていく。 | ゆきがめのシネマ。劇場に映画を観に行こっ!!

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観てきた映画、全部、語っちゃいます!ほとんど1日に1本は観ているかな。映画祭も大好きで色々な映画祭に参加してみてます。最近は、演劇も好きで、良く観に行っていますよ。お気軽にコメントしてください。
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「ハイ・ライフ」を観てきました。

 

ストーリーは、

太陽系を遥かに超えて宇宙へと突き進む宇宙船「7」には、モンテや幼なじみの少女ボイジーら9人の元死刑囚がクルーとして乗り込んでいた。彼らは極刑の免除と引き換えに、同乗する女性科学者ディブスが指揮する実験に参加することになったのだ。やがて、目標地であるブラックホールが少しずつ迫り・・・。

というお話です。

 

 

太陽系を越えて、宇宙を航行する宇宙船「7」。この宇宙船には、9人の元死刑囚がクルーとして乗り込んでいた。彼らは、極刑の免除と引き換えに、生きて地球へ戻る保証のない宇宙船に乗り込み、ブラックホールからエネルギーを抽出するという「ペンローズ過程」実現の為に旅立ったのだった。道中、科学者であり医師のディブスの実験に付き合わされることも、条件の一つであった。

 

ディブスは、人工授精により子供を作る事に執着しており、性に関する実験を行っていた。囚人の精子と卵子を組み合わせ、お腹に戻して、子供を誕生させようというのだったが、囚人たちは、この実験を良く思ってはいなかった。モンテもその一人で、よく思ってはいませんでしたが、彼は沈着冷静な性格で、全てに目を瞑り、静かに暮らしていました。

 

 

ブラックホールに近づくにつれ、放射線量が増えて、船長のチャンドラは発作で亡くなり、妊娠中だったエレクトラも子供と共に亡くなってしまいます。それから、次々と問題が起こり、一人、また一人と、囚人が亡くなって行きます。減っていく囚人に対してディブスは鎮静剤の量を増やし、寝ているモンテを襲って、射精をさせて精子を手に入れます。そしてモンテの精子でデイジーを妊娠させ、ディブスはやっと実験で子供を手に入れます。

 

子供を手に入れたディブスは満足そうですが、デイジーは耐えられずに自殺をしてしまいます。他の人々もどんどんいなくなり、モンテは・・・。後は、映画を観てくださいね。

 

 

うーん、この映画、どう解釈したら良いのでしょうか。罪に手を染めた罪人たちが乗った宇宙船。そこでは、命を産み出そうと躍起になる医師が実験を行っている。罪を背負った人間に、子供を産ませようとするんです。子供には全く罪は無いのですが、この宇宙船の中から出られないというのは、罪人の子供も同じ罪を背負わされるということなのかしら。

 

まるで聖人のようなモンテが、無理やりに自分の子供を作られてしまい、そして、何故か、周りに誰もいなくなる。先の無い宇宙船の中に、新しい命が生まれ、どうなるんでしょうね。父親と娘しかいないというところで、旧約聖書の”ロト”のお話を思い出しました。娘たちは、人類がいなくなった世界で、父親を眠らせて、父親と性交して子孫を作っていきます。そんなお話を思い出しましたが、それと同じにはなりませんでした。

 

 

宇宙で、ブラックホールに近づいた辺りで、同じ形の他の宇宙船を見つけます。その宇宙船には「9」と書いてあったかしら。違ったらごめんなさい。で、この船には犬しか乗ってないんです。うーん、これ、ノアの箱舟だよね。地球がピンチに陥って、何隻かの宇宙船を飛ばしたのではないかと思いました。大っぴらに公表は出来なかったけど、このままでは地球が絶滅すると考えた科学者たちが、とりあえず、宇宙船に人間を含めて、色々な生き物を入れて、宇宙に飛ばしたのではないかと思います。だからこそ、ディブスが宇宙で人工授精をして子供を作ることを実験してたのではないかな。少人数の人間でも、子孫を増やせるように、必死で実験をしていたけど、その理由は言えなかったのかなと思いました。

 

 

そう思うと、ロトの話も、あながち間違ってはいなかったのかなと思います。でもね、全ては私の推測で、この映画、極力、セリフが少なくされており、他に文書などが出てくる訳でもないので、どうにも情報が少なすぎるんです。その中で想像して、私が辿り着いたのが、このノアの箱舟ってことなんです。なので、もしかしたら違うかもしれません。

 

いやぁ、何とも難しい映画でした。映像は、確かに素晴らしくて、美しいと思ったし、宇宙で狂って行く人間の姿は、よく描かれていたと思いますよ。ロバート・パティンソンは、狂って行く人々を心配しながらも静観する聖者のような人間を演じていて、不思議な役でした。極刑の代わりに宇宙船に乗ったという設定なのだから、罪を償うためにここにいるはずで、となると、地球に残って一緒に滅びるという楽な選択はさせてもらえず、宇宙船で狂ってでも何でも、遺伝子を伝えるという役目を押し付けられたと思って良いのかしら。うーん、想像が膨らむわ。

 

 

私は、この映画、お薦めしたいと思います。とても創造力を膨らませる映画でした。でも、普通に映画を観る人にとっては、これ、何やってんの?って感じだとおもいます。先が見えないんだもん。でも、映像は美しいし、迫ってくる感じはSFホラーそのものなので、好きな方には好まれるかもしれません。ぜひ、観てみてください。

ぜひ、楽しんできてくださいね。カメ

 

 

ハイ・ライフ|映画情報のぴあ映画生活

 

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