「アメリカン・アニマルズ」何故彼らはその一線を越えてしまったのか。若さ故なのかそれとも・・・。 | ゆきがめのシネマ。劇場に映画を観に行こっ!!

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観てきた映画、全部、語っちゃいます!ほとんど1日に1本は観ているかな。映画祭も大好きで色々な映画祭に参加してみてます。最近は、演劇も好きで、良く観に行っていますよ。お気軽にコメントしてください。
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「アメリカン・アニマルズ」を観てきました。

 

ストーリーは、

ケンタッキー州で退屈な大学生活を送るウォーレンとスペンサーは、くだらない日常に風穴を開け、特別な人間になりたいと焦がれていた。ある日、2人は大学図書館に保管されている時価1200万ドルを超える画集を盗み出す計画を思いつく。2人の友人で、FBIを目指す秀才エリック、すでに実業家として成功を収めていたチャズに声をかけ、4人は「レザボア・ドッグス」などの犯罪映画を参考に作戦を練る。作戦決行日、特殊メイクで老人の姿に変装した4人は図書館へと足を踏み入れ・・・。

というお話です。

 

 
2004年のケンタッキー州になるトランシルヴァニア大学。「I’m Alive!!」とジョニー・サンダーを歌いながら車で飛ばしていく青年ウォーレンとスペンサー。廃棄された食べ物を盗むことで最小限のリスクを楽しむ、そんなどうしようもない毎日。
 
くだらない日常に風穴を開けたい、特別な人間になりたいと焦がれる2人は、大学図書館に貯蔵される貴重な本を盗み出す計画を思いつく。手に入れれば1200万ドル、誰よりも自由を求めるウォーレンと、スペシャルなことを経験したいと願うスペンサーは仲間集めを始めることに。計画では、あと2人必要になるのだった。
 
 
目をつけたのは、FBIを目指す秀才エリックと、当時既に実業家として成功を収めていたチャズ。彼らは互いを『レザボア・ドッグス』に習い「ミスター・ピンク」「ミスター・ブラック」などと呼び合う。ビビリのエリックは協力することに賛成しながらも、まだ、止めた方が良いんじゃないかと呟き、筋肉オタクのチャズは、スペンサーの計画をヤバイと思いながらも、止められずに計画を進めるのだった。
 
強盗作戦決行日、特殊メイクをして老人の姿に扮した4人は遂に図書館へと足を踏み入れる。そしてそれぞれの持ち場に別れ、本を盗み出すために図書館司書の女性に手をかけるのだったが・・・。そんな事件の顛末を、実在の彼らのインタビューを交えながら描いていく。という内容でした。
 
 
それぞれの役者が彼らを演じながら、その映像を観て、本物の犯人である彼らが事件について語りだすんです。ちょっと最初は、あれ?と思いましたが、交互にドキュメンタリーとなっている進み方に、段々となれると、気にならずに観れるようになって行きました。
 
大学生のウォーレンとスペンサーは普通の大学生でした。まぁ、良くいるような学生で、でも自分たちだけは、きっと周りのみんなとは違う何かを持っていると確信している男子でした。そして、大学図書館に貯蔵されている「高価な本」を知り、見るからに簡単に盗めそうだと確信します。そこには年を取った女性の司書しかおらず、彼女さえ黙らせれば、簡単に持ち出せるんです。スペンサーは、犯罪映画を観て計画を練ると、どうしても見張りと逃走用車の運転手、そして本を盗む人間で、4人以上は必要だと気が付きます。そして、自分たちと同じように退屈している人間を探し出します。
 
 
4人集まって計画を話しているのですが、ウォーレン以外は、それほど乗り気ではありません。やっぱり止めた方が良いんじゃないかと考えているんです。でも、4人集まってしまうと、どうしても言い出せず、言い出したら自分が監禁されるのではないかという恐怖も出てきて、どうしても辞めようと言い出せません。

 

そして決行日、ギリギリまで彼らはやろうか辞めようか悩みます。このボーダーラインって、何なんでしょうね。誰かひとりが止めようと言っていれば、何も起こらなかったかも知れない。だけど、誰一人、それを言い出せず、それを止めることが出来なかった。その”一線”が、とても良く描かれていました。

 

 

きっと、どんな犯罪もそうだと思うのですが、どこか一線があって、何かがそこを越えさせてしまい、犯罪になるんですよね。その線を越えるか越えないかは、もちろんその時々の状況だと思いますが、色々な犯罪のお話を観ていると、精神的に弱い人間ほど、流されて、簡単に一線を越えてしまうような気がします。そこに人間としての意志の強さと、それまでの人格形成が関係するように思いました。誰か一人でも、”馬鹿げたことは辞めよう”という人物がいれば、こんなバカな犯罪は止められたんです。

 

誰が観ても、お粗末な犯罪計画でした。観ていれば解りますが、この計画じゃ、簡単に逮捕されますよ。大学生にしては、頭が悪いなぁと思いました。私なら、中学生の時でも、こんな酷い計画は書かないと思います。アホなの?って、映画を観ていて思っちゃった。(笑)

 

 

インタビューで本人たちも言っているのですが、何であんなことをしたのか、愚かなことをしたと後悔していて、それこそ”後悔先に立たず”です。きっと、後から考えれば、何であんなバカな計画を実行したんだろうと冷静に考えられると思うのですが、その場では必死で、自分たちは絶対だから成功すると考えていたんでしょうね。笑ってしまいますが、それが現実に起こった事なので、面白いでしょ。

 

この再現ドラマと、実在の犯人たちのインタビューと交互に出てくる作り方なのですが、最初は、ちょっと戸惑うと思います。あまり今までにある形式ではないので、慣れるまでに苦労はしますが、慣れると楽しく観ることが出来ると思います。なので、始まってしばらくは慣れるまで我慢してくださいね。

 

 

私は、この映画、お薦めしたいと思います。最初は見難い作りですが、慣れると、面白い内容に引き込まれていきます。人間が、どうやって一線を越えてしまうのかという事が良く描かれていて、本人たちの気持ちもインタビューで撮られていて、楽しめます。ぜひ、観に行ってみてください。

ぜひ、楽しんできてくださいね。カメ

 

 

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