「ドント・ウォーリー」自分の周りを見回してみると、優しさをくれる人が沢山いるんです。 | ゆきがめのシネマ。劇場に映画を観に行こっ!!

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観てきた映画、全部、語っちゃいます!ほとんど1日に1本は観ているかな。映画祭も大好きで色々な映画祭に参加してみてます。最近は、演劇も好きで、良く観に行っていますよ。お気軽にコメントしてください。
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「ドント・ウォーリー」の試写会に行ってきました。

 

ストーリーは、

オレゴン州ポートランドで酒びたりの毎日を送るキャラハンは自動車事故により胸から下が麻痺し、車いすでの生活を余儀なくされる。これまで以上に酒に溺れるキャラハンは周囲の人びととも衝突し、自暴自棄な日々を送っていたが、あるきっかけにより自分を憐れむことをやめるようになる。持ち前の皮肉と辛辣なユーモアを発揮し、不自由な手で絵を描く風刺漫画家として、キャラハンは第2の人生をスタートさせる。そんな彼の周囲にはいつもキャラハンを見守るかけがえのない人たちの存在があった。

というお話です。

 

 

オレゴン州ポートランドで生活をしているキャラハンは、酒に溺れて自堕落な毎日を送っていた。ある日、友達のデクスターと車に乗っていて事故に遭い、胸から下が麻痺して、車いすでの生活になってしまう。これまでも酒浸りだったのに、もっと酒に溺れ始め、キャラハンは周りの人々と衝突するばかりの日々になってしまう。自分の不幸を呪い、憐れみ、ボロボロになっていく。

 

そんな時、アルコール依存症の人々が集まるカウンセリングに参加し、色々な人と出会う事になる。その集いを開いているドニーという男性は、とてもお金持ちで、何故かキャラハンの事を気にかけてくれ、再生の為のヒントをキャラハンに与える。そのヒントを克服して行くことにより、キャラハンは、段々と自分を憐れむのを止めていく。

 

 

段々と明るさを取り戻したキャラハンは、自分に何が出来るのかを考え、不自由な手で風刺漫画を描き始める。学生の頃の先生に久しぶりに出会い、迷惑をかけたお詫びをすると、その先生がキャラハンに、君には絵の才能があったと言ってくれたからだった。ブラックユーモアを取り込んだ漫画は、称賛も与えてくれたが、批判も沢山与え、話題になっていく。そして地元の大学の新聞から始まった漫画は、いくつもの新聞社や雑誌に載るようになる。そして・・・。あとは、映画を観てくださいね。

 

 

とっても素敵な映画なんです。アルコール依存症でボロボロだったジョン(キャラハン)が、事故によって、半身不随になり、車いす生活で、上手く手も使えない。そんな状態になり、もう、どこまで不幸なんだと自分を憐れむんです。俺ほど不幸な人間はいないと嘆いているんだけど、そんな彼に手を差し伸べたドニーという人に、甘えたこと言ってんじゃねーよみたいな態度を取られて、あれ?俺が自分で自分を貶めているのかも知れないって気が付いて行くんです。

 

 

そうなんですよ。ネガティブになって行くと、誰もが味わっている普通の事でも、自分だけが不幸なんだって思っちゃうの。ちょっと引いてみれば、誰もが経験することなのに、自分だけって、悲劇のヒロインになっちゃうのよね。もちろん慰めてあげることは出来るけど、それって、何の役にも立たなくて、やっぱり現実を判らせてくれる人が一番優しくて、頼りになる人なんです。それが、映画の中で、判ってくるのよねぇ。

 

ジョンの描く風刺漫画って、確かに見たことがあるんだけど、何で見たのかは覚えていないんです。日本だと、そんなに話題にならなかったのかな。私の興味が無かっただけかも知れないけど、でも、映画の中に出てきたマンガは、辛辣で差別的なものもあったけど、絵が可愛いから、笑って許せちゃうような感じでした。KKKの事を描いた漫画もあって、面白かったですよ。

 

 

弱い人間ほど強くなれるっていう言葉が出てくるんだけど、私も、本当にそう思います。自分が弱くて、苦しんだ経験があるからこそ、強くなれるんです。最初から強い人間なんていないし、もし強く見えているのに経験が無いようなら、ちょっと突いてやると、直ぐに壊れますよ。自分は弱いからダメだと思わず、今、弱いから、一つづつ克服していけばスーパーマンになれると思って、このジョンのように、一つづつ回復して行けばよいんです。私、この映画を観て、一歩づつでも、確実に前に進むことが出来るって、素敵だなって思いました。

 

 

この映画、最初、ロビン・ウィリアムズが映画化したいと相談をしていたそうなのですが、亡くなってしまったので、ガス・ヴァン・サントが引き継ぎ、ホアキン・フェニックスが演じることになったそうです。映画を観た後でこの事を知ったのですが、確かに、このホアキンの演じるジョンは、何となく、ロビンにも似通う所がありました。不思議ですね。ホアキンのジョン、良かったです。でも、私のお気に入りは、ジョナ・ヒルが演じたドニーかな。この時代、こんな人が多かったんだろうなって思えるような人物で、彼の優しさが好きでした。

 

自分が優しく接するようにすると、誰もが優しさを返してくれるんですよね。自分が棘を出していると、相手も防御して近寄ってくれないけど、優しさで触れ合おうとすれば、ちゃんと対話が出来るんです。いつも心に余裕を持って、一呼吸おいてから相手に接すれば、きっと棘や爪を出す必要は無くなるんです。みんなが優しくなると、世界も明るくなっていくから楽しいよね。

 

 

私は、この映画、お薦めしたいと思います。とっても良い映画で、感動すると思うのですが、前半の自爆放棄になっているジョンの部分が暗くて思いので、ちょっとウトウトしてしまうかもです。でも、後半になると、ジョンが元気になってくるので、嬉しくなってきて、必死で観ちゃうと思います。ぜひ、観に行ってみてください。

ぜひ、楽しんできてくださいね。カメ

 

 

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