「ふたりの女王 メアリーとエリザベス」王位に立つ二人の女は性格も生き方も命さえも正反対だった。 | ゆきがめのシネマ。劇場に映画を観に行こっ!!

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観てきた映画、全部、語っちゃいます!ほとんど1日に1本は観ているかな。映画祭も大好きで色々な映画祭に参加してみてます。最近は、演劇も好きで、良く観に行っていますよ。お気軽にコメントしてください。
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「ふたりの女王 メアリーとエリザベス」を観てきました。

 

ストーリーは、

16世紀、16歳でフランス王妃となるも、18歳で未亡人となったメアリーは故国に戻り再び王位に就く。だが、当時のスコットランドは英国女王エリザベスの統治下にあった。そんな中、メアリーはイングランド王位の継承権を主張し、徐々にその地位を強め・・・。

というお話です。

 

 

16世紀、16歳でフランス王フランソワ2世に嫁いだメアリーは、フランソワ崩御により、18歳で未亡人となり、義兄が治めていた故国のスコットランドに戻り、その王位に再び就くことになる。同じ頃、イングランドはエリザベス女王により治められており、その国教はプロテスタントに傾いていた。スコットランドもプロテスタント教徒が増えており、カトリックのメアリーが王位に就くことを良く思わない勢力が増えていた。

 

エリザベス一世は、その勢力を拡大させていたが、彼女は結婚せず、子供も居なかった為、彼女の次にイングランドの王位に就けるのはメアリー・スチュアートだった。プロテスタントのエリザベスからカトリックのメアリーになると、その国教まで変わることになり、勢力の変化を恐れた側近は、メアリーがエリザベスの暗殺を企てるのではないかと心配しますが、エリザベスはそんな側近のいう事を一喝しました。

 

 

メアリーは、自分の立場を安定させるためにテューダー朝の血を引くスチュアートのダーンリー卿と結婚し、イングランドとスコットランドの王位継承者となるジェームズを出産する。そしてエリザベスにジェームズのもう一人の母親となって欲しいという内容の手紙を書き、二人の仲は万全のものとなったかに見えました。

 

しかしエリザベスの側近はメアリーが反乱を起こすのではないかと心配し、スコットランドでプロテスタントの内乱を起こさせ、カトリックのメアリーは追われる身となり、イングランドに亡命します。メアリーは、エリザベスにイングランドとスコットランドの王位を持つのは自分だと主張しますが、エリザベスは国の安定を考え、メアリーを監禁します。そして・・・。後は、映画を観てくださいね。

 

 

このメアリーとエリザベスの話は、本当に有名ですよね。特に、このメアリー目線で描かれる話は多く、日本でも少し前に中谷美紀さんが二人劇としてメアリーを舞台で演じました。

 

今回もですが、同じ時代に生きた女王なのに、エリザベスは女でも男として王位を継ぎ、男と同じ統治を行います。一方、メアリーは女性として王位を継ぎ、スコットランドを統治します。もちろん、エリザベスだって、女としての幸せも欲しかったと思いますが、自分が一人の男性を夫に向かえれば、相手に大きな力が集まってしまい、バランスが崩れることも心配したのだと思います。

 

 

メアリーも、一応、王位などに興味が無さそうな男を夫に迎えるのですが、やっぱり女王の夫となれば、権力が欲しくなってしまうんです。そこからバランスが崩れ、反乱が起きたりと、沢山の戦いが起こってしまいます。そんな中でも、メアリーはジェームズという息子を産んでいたので、次世代は安定して行くんですけどね。

 

男性として生きる王妃と女性として生きる王妃の対比が面白いんです。どちらも頭が良く、統治者としての資質を持っていたと思うのですが、その考え方の違いで、人に反感を買ったり、裏切られたりと、色々な事が起こります。この映画を観ると、やっぱり男性脳だったエリザベスの方が、統治が上手かったのかも知れません。

 

 

この二人を語るには、その長い歴史が関係してきます。エリザベスたちの前に、百年戦争があり、その後、薔薇戦争と続き、ランカスター朝とヨーク朝が合わさってテューダー朝になったのが、このエリザベスの時代です。この薔薇戦争時代の前後が「ホロウ・クラウン/嘆きの王冠」で描かれています。

 

テューダー朝になり、エリザベスの父・ヘンリー8世が女好きだった為に結婚離婚を繰り返し、カトリックである姉・メアリー1世(イングランド)が王位を継いだ時に、プロテスタントのエリザベスは監禁されました。メアリー1世が死に、エリザベスが王位に就いてプロテスタントが国教となり、怒ったローマ法王はエリザベスを殺す権利をカトリック教徒に与えたそうです。そんないきさつがあり、メアリー(スコットランド)がカトリック教徒で王位を持っていた事で、暗殺の心配をエリザベスの側近がしたのだと思います。

 

 

この時代を描くと、本当に面白いですよね。エリザベスの母親・アン・ブーリンについても「ブーリン家の姉妹」として映画になっています。エリザベスの生涯は、ケイト・ブランシェットが演じた「エリザベス」の映画で描かれています。どの人物から観る世界なのかで、全く見方が違うのが面白くて、今回も、メアリー目線で見る世界は面白かったです。

 

メアリーを演じたシアーシャ・ローナンと、エリザベスを演じたマーゴット・ロビー、上手かったです。その性格の特徴を良く捉えて描かれていて、二人の表情や仕草を観ているだけでも楽しかったです。子供の頃からフランスで仕込まれた王族の生活を実践するメアリーと、犯罪者の娘として育てられ姉に監禁までされていたエリザベスとの違いは、その柔らかさの違いで感じることが出来ました。

 

 

私は、この映画、お薦めしたいと思います。本当は、超と付けたいのだけど、その歴史を理解していないと楽しめないと思うので、それによって、感想が変わってくることを思うと、お薦めにしておきます。出来れば、この時代の事と、二人の女王の育ちの違いを知ってから観に行くと、本当に楽しめます。ぜひ、観に行ってみて下さい。

ぜひ、楽しんできてくださいね。カメ

 

 

ふたりの女王 メアリーとエリザベス|映画情報のぴあ映画生活

 

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