「ビール・ストリートの恋人たち」差別が酷かった時代のこの地域の恋人たちは苦しんだと思います。 | ゆきがめのシネマ。劇場に映画を観に行こっ!!

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「ビール・ストリートの恋人たち」を観てきました。

 

ストーリーは、

1970年代、NYのハーレム。19歳のティッシュは、幼馴染の青年ファニーの子供を身ごもるが、彼はいわれのない強姦罪で服役中の身だった。しかし、ふたりはそれでも強く愛し合っていて、ティッシュの家族はファニーの無実を証明しようとある行動を起こす。

というお話です。

 

 

1970年代、NYのハーレムにあるビール・ストリートの近くに住む19歳のティッシュ。幼馴染の青年ファニーと段々と付き合うようになり、恋人となった。深く愛し合う二人だが、キリスト教の信仰が強い家のファニーは、ティッシュとは、結婚までは清い関係でいたいと思っていた。

 

ある時から、ファニーは実家から少し離れた場所にアパートを借りて、住むようになる。そしてデートの帰りにとうとうファニーのアパートを訪れて、二人は結ばれてしまう。ティッシュは、ファニーの子供を妊娠し、不安に思いながらも、両親に報告し、祝福を貰う。

 

 

しかし、何故か突然に、全く覚えのない強姦罪でファニーが警察に逮捕され、刑務所に入れられてしまう。一緒にいたティッシュとファニーの友人の証言は採用されず、警察官の証言と、警察での被害者女性の証言のみで起訴されてしまった。ティッシュの家族とファニーの父親は、彼の無実を証明しようと弁護士を頼み、必死で証言を探すのだが見つからない。ファニーの母親と姉妹たちは、ティッシュの事を気に入っておらず、全く協力をしない。

 

 

この地域に生まれてしまった人々は、どんなにマトモに生きようとしても、白人から差別され、迫害され、何を言っても信用して貰えない。刑務所の中には、無実の罪で入っている黒人が山ほどいる。ファニーもそんな中の一人になってしまったのだった。現実に気付いたファニーは、結局、減刑を求める嘆願書を書くしかなくなってしまう。そして・・・。あとは、映画を観てくださいね。

 

 

1970年代は、まだまだ差別が強くあって、この地域で、ちょっとでも白人に目をつけられてしまうと、簡単に罪人にされてしまうんです。この映画でも、なぜ、突然にファニーが警察に逮捕されることになってしまうのか、映画が進むにつれて、段々と明らかになっていきますが、本当に些細な事なんです。それこそ、すれ違いざまにガンを付けたとかつけないとか、そんな程度なんです。でも、一度、白人がムカついたと思ってしまったら、もう、直ぐに陥れられてしまう。そんな時代だったようなんです。

 

 

このビール・ストリートがある地域で、この二人は普通に育ち、愛をはぐくんで、本当にそこら辺にいるような恋人同士だったんです。真面目で、未来を夢見る二人だったのに、ただ、黒人というだけで、酷い差別を受けて、しあわせな生活が送れなくなってしまう。そんな現実を良く描いていました。

 

日本にいると、黒人への差別は頭ではわかっていても、実際に体験はしていないので、この酷さがよく解りません。でも、アメリカやヨーロッパに少しでも住んでいると、差別が判るのかも知れませんね。日本人も黄色人種ですから、やっぱり差別されているでしょ。でも、無実なのに、それを訴えても聞き入れてもらえないというのは、本当に可哀想だなと思いました。

 

 

この差別の問題は、感想を書きたくても、観ていただくしかないと思ってしまうんですよ。上手く伝えられないんです。この理不尽さは、言葉では言い表せないんですもん。どう考えてもおかしいのは分かっていても、どんなに真実を言っても、正しいことを言っても、受け入れてもらえないジレンマは、観ていて苦しかったです。心に棘が刺さって抜けない感じなんです。

 

 

私は、この映画、お薦めしたいと思います。心にズッシリとくる内容でした。この監督、”ムーンライト”も素晴らしかったけど、今回も、本当に良い映画です。言葉では言い表せないような、心に感動が残る作品でした。私は、大好きな映画です。ぜひ、観に行ってみてください。

ぜひ、楽しんできてくださいね。カメ

 

 

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