「ショートショートフィルムフェスティバル&アジア2018 in 横浜」が、8月の17日~19日まで開催されまして、何とか19日の2プログラムだけ観る事が出来ました。
「プログラムW&P 2」
このプログラムは赤十字が「戦争と生きる力」として集めたショートフィルムです。
”エイブラハム”
キリスト教家族はテロリストから娘を守ろうとするが・・・。
イスラムのテロリストに踏み込まれ、銃を突きつけられて脅されるキリスト教の家族。父親と兄・妹の2人がいたが、テロリストは妹を連れて行こうとするので、兄は自分の妻だと妹を偽る。すると、この場でヤれと言われ、キリスト教では近親相姦は神への冒涜とされており、どうしてもヤることが出来ない。妹なら連れて行くと言われて・・・。
今でも、こんなやり取りが本当にされて、女性が被害に遇っているそうです。何故、女性は性の対象としか見られないのでしょう。悲しい現実を描いていて、辛かったです。
”マイ・ブラザー”
戦争で兄を喪いたくないジャドの物語。
戦争に行った兄が帰ってくるのを待っている弟ですが、いつまで経っても兄は帰ってこないんです。何故なら・・・。というお話なのですが、家族が戦争に行ってしまうと、自分の死なないところで、突然に亡くなってしまう。簡単には受け入れられませんよね。そんな家族の悲しいお話でした。
”1945年3月、東京”
1945年の東京で妻の遺影と暮す老人がいた。
空襲で焼け出されるのですが、妻の写真だけは大切に持って行くんです。だけど、写真よりも大切なモノもあり、妻の事を思いながら引き籠るよりも未来を見なければというお話で、感動作でした。日本のアニメですが、ちょっと変わっていて、素敵な感じでした。
”悲しみの種”
静かに気高く生きるミャンマーの地雷被害者の声。
ドキュメンタリーで、地雷で脚を失くしてしまった夫婦のお話です。地雷があると解かっていても、そこで働かなくては生きて行けないので、仕方がないという彼らなんです。地雷を埋めたなら、掘り返せっつーの。最後まで責任を持って欲しいよね。やったらやりっぱなしの奴たちを捕まえて地雷処理をやらせるべきだと思いました。
”1マスの前進”
老兵はニューヨークの寒い家に平和を見つける。
ホッコリする内容でしたが、あまり印象に残りませんでした。
”何者かが”
ナチスが負け、ソ連が入り込んできたドイツでソ連兵に屈辱された女性がした決断とは。
これは実話を基に作られているのですが、ソ連兵に屈辱され、その部隊の隊長が彼女を呼び、この兵隊の誰が君に酷い事をしたんだと問い掛けます。制裁を加えるから言いなさいと言われるのですが、彼女は・・・。いつまでも恨みを持って、復讐を考えていたのでは、戦争は終わらないという内容でした。感動するお話でした。
”パパにタバコを”
戦争に行っている父親にタバコを送ろうとしていた娘だが、母親に父親が戦地で行方不明との知らせが届く。タバコを手紙と共に入れた娘は送ろうとするが・・・。
戦地で行方不明となった父親を思っていると、何故か、家の裏庭に戦地が繋がって、父親に逢えるのですが、それはきっと娘への父親からの思いが伝わってきたのかなと思いました。戦争は大切な家族を奪ってしまいます。やっぱり戦争はダメだというメッセージが描かれていました。
「プログラム Award 3」
2018年の受賞プログラムです。
”COCKROACH”
彼女からの電話で急いで駆け付けた彼氏。部屋にゴキ〇リが出たという。退治しようとするのだが・・・。
ショートコメディで、バレバレの内容なのですが、それが返って笑えました。この”ゴキ”って、誰もが嫌いですもんね。
”メリエム”
イスラム過激派組織との戦いの中心地で奮闘する女性がいた。ドキュメンタリー。
戦場で前線に立って戦う女性のドキュメンタリーなのですが、傷だらけになって戦う彼女を観ていて、やっぱり何か違うと思ってしまいました。女性が男性と同じように銃を手に戦うのは、同等なんだから悪い事ではないと思いますが、出来たらそんな世の中では無くなって欲しいなと思いました。
”THE ANCESTOR"
遠くから誰かに呼ばれる声がして目が覚めると・・・。
日本の作品でした。未来の自分の末裔に呼ばれる祖先のお話ですが、未来は酷い世界になっちゃうんだなぁと、哀しくなりました。恋愛相談で祖先を呼ぶなよって感じでした。
”Three Minutes”
列車の乗客係をしている母親は、最愛の息子を親族に預けていた。逢えるのは、近くの駅に列車が止まる3分間だけ・・・。
忙しい世界に生きる私たちに、大切なものはなんだという事を問いかけているような作品でした。ちょっとイイ話しという感じかな。
”お静かに”
ダニは母親と脳性小児まひを抱えるハビエル(弟)と暮している。
図書館で本の整理をする作業を普段しているハビエルでしたが、今日はいつものヘルパーさんが来れず、兄が図書館に連れて行くと、図書館の職員が、資格を持ったヘルパーが一緒じゃないと作業をさせられないと言います。規約で決まっているから帰って欲しいと言うのです。受付の彼女が、ちょっと融通を聞かせれば良い事なのに、何処までも規約があるからと言って、自分の脳で考えない人間社会の仕組みに疑問を呈する作品でした。
”王様の選択”
俺ってぶっちゃけ、裸じゃない?
何となく立候補した市長選に当選してしまった男が、周りから嫌がらせ?を受けて、見えない”ハッピ”を着せられて、記者会見に出なければならなくなり、どうするべきか悩むお話です。裸の王様とされてしまった自分を、人前に晒すべきか、悩む市長の姿を描いていました。
サラッとしたショートストーリーでしたが、イイところを突いているなぁと感動しました。さすがに賞を貰った作品だけの事はあると思いました。
ショートストーリーは、短い時間で伝えたいことをしっかり伝えなければならないので、凄く難しいんですよね。この内容を長くして、長編にすることが出来るほどの濃い内容じゃないと訴えられないんです。だから、ショートストーリーを作るのが上手ければ、長編を作っても、失敗しないハズなんです。これから活躍する映画監督やスタッフは、きっとここから生まれるんだと思うんですよ。
今、ショートフィルムがネットで観れる時代なので、ぜひ、ネットで観て欲しいです。これから出てくるだろう監督やスタッフ、俳優なども、この中にいるかも知れませんよ。今回の作品たちも、ネット配信されると思うので、ぜひ、観てみて下さい。
ぜひ、楽しんでくださいね。
ショートショートフィルムフェスティバル
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