「高崎グラフィティ。」長編映画初監督の作品ですが、十分に楽しめる作品に仕上がっています。 | ゆきがめのシネマ。劇場に映画を観に行こっ!!

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観てきた映画、全部、語っちゃいます!ほとんど1日に1本は観ているかな。映画祭も大好きで色々な映画祭に参加してみてます。最近は、演劇も好きで、良く観に行っていますよ。お気軽にコメントしてください。
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「高崎グラフィティ。」の完成披露試写会に連れて行って貰いました。

 

ストーリーは、

幼なじみの美紀、寛子、優斗、直樹、康太の5人は高校の卒業式を終え、それぞれが将来への不安を抱えながら新生活を待っていた。そんな中、美紀の父親が娘の入学金を持ったまま姿を消す。同棲を始める彼氏に浮気疑惑が浮上する寛子、先輩に保険金詐欺を強要させられる優斗と、それぞれがトラブルに見舞われながら、5人は自分について初めて考える。

というお話です。

 

 

高崎市の高校に通う 美紀は、卒業を控えた3年生。卒業後の進路も決まっていたが、何となく不安を胸に抱えていた。ある日、進学先の服飾専門学校から電話があり、入学金が振り込まれていないと言う。驚いた美紀は、怒って、父親に振り込んでと電話をしたのだが、その日の夜から父親が帰ってこない。不安を抱えたまま、学校に通う美紀。卒業式も終り、卒業パーティーも始まってしまった。

 

美紀は、とりあえずクラスの女子と表面上は仲良くしていたが、本心は面倒だと思っていた。そんな友達につい、父親が入学金を持って失踪してしまった事を話してしまうと、その話はクラス中に吹聴されてしまい、黙っていてと言った意味が無かった。文句を言うと、アンタの事気に食わなかったと言われてしまい、とうとう訣別してしまう。そんな中、寛子だけが美紀の事を思い、相談に乗ってくれた。

 

 

幼馴染の優斗は、美紀を心配し、失踪した父親捜しを手伝い始め、もし見つからなければ自分が入学金を工面しようと考え始める。クラスメイトの直樹は二流大学に決まっており、優斗と一緒に美紀の父親探しを手伝い、康太は東大受験に失敗し、母親に他の大学を受けなさいと言われているが、まだ立ち直れておらず、ぼんやりしたまま、美紀の父親探しを手伝う事にする。

 

5人で、美紀の父親探しを始め、父親が行きそうな場所を一つづつ訪ね歩く。すると、何処へ行っても、確かにだらしないようだったが、いつも美紀の写真を持ち歩き、娘を大切に思っている事だけは伝わってくる。それなら何故失踪したのか。理由が分からないまま、探し続けるのだが、一向に見つからない。このままでは、入学金の締め切りまでに間に合わないと思った優斗は、自分が何とか金を作るしかないと思い立ち、自分が就職を誘われていた先輩の会社に行って見ると・・・。後は、映画を観て下さいね。

 

 

ちょっと粗削りかなとは思いましたが、良く出来ていて楽しめました。この映画、「未完成映画予告編大賞」というイベントに応募し、グランプリを受賞して、本編の制作費を貰って作られた作品です。この予告編大賞って、この映画で初めて知ったのですが、面白い企画ですね。シナリオを作り予告編を作って、その予告編を応募して、グランプリを取ると、映画を撮らして貰えるというものなんです。凄いでしょ。いやぁ、これ、面白い。確かに、予告編って、とても大切で、それが上手く無かったら誰も観ようとしませんから。予告が面白ければ、その映画も成功する確率が高くなるので、その予告編で審査をするというのは、理にかなっているなぁと思ったんです。

 

 

そして、この映画が作られたのですが、確かに面白かったです。高校卒業をする18歳の男女が、友達の為に動き始め、卒業後の夢だった事が実は嘘だったり、壊れてしまったりと、それぞれに悩みがある事に気が付き、お互いに励まし合って、未来を見据えていくという内容なんです。

 

5人の主役は、顔は何となく知っているかなという役者さんでしたが、その周りを固めているのが、私の大好きな渋川さんや、河瀬さんで、ちょっとびっくり。渋川さんは、美紀の失踪するお父さん役なんです。もう、笑っちゃいました。とっても良かったです。河瀬さんは、中古車販売会社社長役で、やっぱり怖い役でした。こういう役、上手いですよねぇ。

 

 

高校卒業って何となく、今まで子供として生きてきたのに、これから大人だよって言われて、甘える事が出来なくなるような感覚に陥って、その責任の重さに、不安や恐さを抱えて、閉じこもりたくなるんですよね。嫌だ、このまま子供で居たいと思ってしまう。でも、無理矢理押し出されて、大人の世界に放り込まれてしまうので、そこで踏ん張らなくちゃいけない。だけど、結局、心は子供のまま、大人になれずにふらふらしてしまう人間が、今時は多いのかな。私も、大学に入っても、まだ子供していたから、人の事は言えないんだけどね。親元から通うのと、地方から上京して学校に通うのとは、やっぱり違うと思うんです。一人住まいしている友人は大人に見えたもん。

 

 

映画の中でも、5人とも、卒業したらどうしようと不安で仕方がないような感じでした。そんな彼らが、友達の大切さを知り、不安ながらも未来を選んで行くのですが、卒業したら結婚すると言っていた女子高生の話だけは、最初から現実味が無いなぁと思えてしまいました。申し訳ないけど、高校卒業して結婚が夢って、既に未来を捨てているとしか私には思えないんです。結婚するのは良いけど、仕事をするとか、大学に行くとか、結婚していても出来るじゃないですか。そんな若い頃から夫頼りなんて、途中で息切れして離婚に突入だろうなって思いましたよ。結婚は目標ではなく、只の行事です。したければすれば良いし、する必要が無ければしなくても良い。ハロウィンのようなもんなので、失敗することもあれば、成功することもある。でも、それは一時です。人生かけてやる事では無い。目標を持って、その上での行事ですからね。間違えないように。

 

大学が受からなくて落ち込んでいる子もいたけど、落ちたら来年受けましょう。浪人は、恥ずかしい事ではありません。そこで諦める事の方が恥ずかしい事です。間違えないでね。勉強は出来る時にした方が良いですよ。気が付いてからやっても遅い事は無いけど、でも、早くやっておけば、その分、先まで行けますから。

 

 

色々な事を考えさせられる映画でした。私は、この映画、お薦めしたいと思います。良い映画なのですが、ちょっと粗削りなので、スマートとは言えません。でも、面白いです。良く、長編映画初めての監督で、これだけのものを作れたと思います。素晴らしいです。あまり上映館はありませんが、気になったら、ぜひ観に行ってみて下さい。”カメラを止めるな!”のように、上映館が増えるかもしれません。

ぜひ、楽しんできてくださいね。カメ

 

 

高崎グラフィティ。|映画情報のぴあ映画生活