【演劇】「シャンハイムーン」魯迅という人物のダラダラさにちょっと驚きでした。 | ゆきがめのシネマ。劇場に映画を観に行こっ!!

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観てきた映画、全部、語っちゃいます!ほとんど1日に1本は観ているかな。映画祭も大好きで色々な映画祭に参加してみてます。最近は、演劇も好きで、良く観に行っていますよ。お気軽にコメントしてください。
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舞台「シャンハイムーン」を観てきました。

 

ストーリーは、

 

舞台は昭和9年8月から9月にかけての上海。場所は魯迅の友人であった内山夫妻が営む書店の二階。『阿Q正伝』『狂人日記』などで知られる中国の偉大な文学者・魯迅。文学革命、思想革命の指導者でもあった。しかし、弾圧の風吹き荒れる中でついに魯迅にも蒋介石の国民党政府より逮捕令が出された。


逃亡を余儀なくされた魯迅は妻・広平と共に親交のある内山完造、みき夫妻に匿われたが、魯迅の体は病気の巣窟となっていた。しかし魯迅は大の医者嫌い。一計を案じた内山夫妻の元、医者の須藤五百三と歯医者の奥田愛三の両医師はそれぞれ大の魯迅ファンと肖像画家に成りすまして魯迅に近づき診察を試みる。


ところが、奥田が使用した笑気ガスがもとで魯迅は人物誤認症や失語症と奇態な病気に取り付かれてしまう!魯迅を救おうと内山夫妻と日本人医師達は悪戦苦闘を繰り広げる!


国を憂い、家族を思い、文学に対する情熱を燃やし続けた魯迅が苦しみの中から見つけ出すものとは。


日本を心底憎みながら日本人を心から愛した魯迅。これはこの魯迅とその妻と彼の臨終に立ち会った四人の日本人が激動の中国を舞台に繰り広げるおかしくも哀しい物語。

 

という内容です。

 

 

注釈に、

魯迅日記によれば、その逃避行は前後四回(1930,31,32,34)に及ぶ。

この戯曲では、その四回の逃避行が1回にまとめられている。そのために事実をたしょうとも歪める事を余儀なくされた箇所がある。が、しかし、この操作によって、魯迅の生活の真実は、より鮮明に抽出されたと信じる。

とありました。

 

 

彼を知るには、中国の歴史と周恩来、毛沢東の話を知らないと、ちょっと難しかったかなと思いました。私は、ざっくりとしか知りませんが(勉強してなかったので。)、まず、中国って、歴史的に何度も内戦を繰り返してきたんだけど、最終的には、蒋介石が率いた国民党と毛沢東が率いた共産党が戦ったんです。まず、蒋介石さんが中国統一を果たして、その国民党が魯迅を危険人物として追っていたんです。そのうちに、毛沢東が率いる共産党が力を持ってきて、国民党を潰しにかかるんです。そして共産党に負けてしまった国民党は、台湾に逃げて、台湾だけ独立するということになりました。

 

共産党は、国民党を潰す為に、自分達に都合の良い事を書いてくれる魯迅を利用し、彼を素晴らしい人物として祭り上げて、国民党を潰したんです。だから、魯迅は、素晴らしい人かも知れないし、もしかして、本当は大した人間じゃなかったのかもしれない。今の中国は共産党だから、魯迅は素晴らしい人物として言われているけど、国民党からしたら、中国統一をした蒋介石を裏切った人間ですから、本当の所は分かりません。人間なんて、そうやって作られて行くものです。

 

 

そんな魯迅を主人公にしたお話なのですが、この魯迅、なんだか、ヤル気があるんだか無いんだか、不思議な人でした。沢山の文章を書き、色々な社会運動をしていたようですが、日本人の本屋店主に匿って貰っていて、どうなのかしらと思うような人でした。だって、日本に敵対する文書を沢山作ってばら撒いていた訳だから(その頃、日本は国民党に指示していました。)、どーもそんな人を日本人が匿うってどうなの?って思っちゃいました。

 

そんな魯迅を野村萬斎さんが演じていて、病気でボロボロだったハズの魯迅を面白おかしく表現してくださっていました。でも、話を聞いていると、若い妻が居るのに、母親から妻と子供の近況を書いた手紙が送られてきていて、最初は、はぁ?って思っちゃいました。今風で言えば、故郷から離れたところで、若い女性と不倫していて、子供まで作って、普通の家族にように暮らしていたんです。とんでもねー男なのですが、この頃は許されたのかしら。

 

 

まぁ、でも、この頃の日本は、軍が支配していたような時代だし、酷い事をしていたのでしょうね。虐殺などもしていたのかな。だから、日本の民間人は、許せないと思っていたのかも知れませんね。

 

何か、演劇の感想じゃ無い感じになってしまいましたが、まるでコメディのような舞台で、こんなスゴイ魯迅という人を、面白おかしくえがいていました。周りとの友情も良かったです。でも、これと言って、大きなことが起こる訳でも無く、淡々とした舞台でした。皆さん、上手くて、良かったのですが、イマイチ、個々が凄いという部分は見つけられなかったかな。

 

 

私は、この舞台、お薦めしたいと思います。こまつ座の舞台で、井上ひさしさんの脚本で、主演を野村萬斎さん、周りを広末涼子さん、鷲尾真知子さん、土屋佑壱さん、山崎一さん、辻萬長さんが固めていて、満足出来るものでした。ぜひ、観に行ってみて下さい。

ぜひ、楽しんできてくださいね。カメ

 

 

「シャンハイムーン」

https://setagaya-pt.jp/performances/201802shanghaimoon.html