「ダウンサイズ」面白い発想だと思うけど、内容にパンチがない気がしてちょっと残念。 | ゆきがめのシネマ。劇場に映画を観に行こっ!!

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観てきた映画、全部、語っちゃいます!ほとんど1日に1本は観ているかな。映画祭も大好きで色々な映画祭に参加してみてます。最近は、演劇も好きで、良く観に行っていますよ。お気軽にコメントしてください。
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「ダウンサイズ」を観てきました。

 

ストーリーは、

ノルウェーの科学者によって人間の身体を縮小する方法が発見され、身長180センチなら13センチにまで小さくなることが可能になった。人口増加による環境、食料問題を解決する「人類縮小200年計画」が立ち上がり、一度小さくなれば二度と戻ることはできないが、それでも各国で小さくなること(ダウンサイズ)を選ぶ人々が徐々に増えていく。アメリカのネブラスカ州オマハでストレスフルな生活を送る、どこにでもいる平凡な男ポール・サフラネックは、少しの蓄えでも裕福で幸せな生活が遅れるという縮小された世界に希望を抱き、ダウンサイズを決意。しかし、土壇場で妻のオードリーが逃げ出してしまう。ポールは縮小された人間たちの世界で、ひとり寂しい生活を送ることになり、自暴自棄になるのだが・・・。

というお話です。

 

 

上記のあらすじが詳しいので、上記の続きを解説しますね。

妻に逃げられ、一人ダウンサイズして、新しい人々の中で、寂しい生活を送る事ポール。最初は、妻と住む予定だった豪邸に入るが、離婚協議の末、普通のマンションに移り住む。

 

新しい世界でパートナーを見つけようと、再婚相手を探すのだが、あまり上手く行かない。家に招いても、上の階の住民が五月蠅くて、帰ってしまう始末。上階の住人に文句を言うと、パーティーをやっているから来いと言われ、何となく訪ねて楽しんでしまい、薬でブッ飛んで朝まで寝てしまう。住人のドゥシャンと仲良くなり、彼の家でくつろいでいると、掃除人が訪ねて来て、顔を見ると、以前、テレビで観たノク・ラン・トランという活動家だった。彼女は異端分子とされて強制的にダウンサイズされてしまった、ダウンサイズを悪用した事件の被害者だった。

 

 

彼女の左足は義足であり、酷い仕様だった為、ポールは親切に直してやろうとするが、失敗して壊してしまう。新しい義足が来るまで、彼女の仕事を手伝えと言われ、仕方なくトランの仕事を手伝い始めるのだが、ダウンサイズ世界にも、貧困層が住んでいる事を知り、助けを求めている人がいる事も知る。今まで、ぼんやり暮らしていたポールは、少しづつ、やるべきことを見つけ始めて行く。そして・・・。後は、映画を観て下さいね。

 

 

この映画、面白い発想だし、話も面白いんだけど、イマイチ、パンチが無いというか、話に強弱が無いんです。小さくなったんだから、結構、危険が沢山あると思うのですが、そういう事は全く無く、順調なのよ。

 

小さくなってからは、大きな人々とはほとんど関わる事が無くて、小さくなったからって何か変わったと言う感覚が無いので、ダウンサイズになったから、こんなに地球環境に貢献しているんだっていう良さのようなものは、感じなくなって行くんです。最初、小さくなる時は、こんなに良い事をしているんだって言う事を話しているので、感じているんですけどね。

 

 

なので、小さくなってからは、普通の映画を観ているのと同じ感覚になってしまい、パンチが無いんですよ。小さいならではの、良い事、幸せな事、危険な事、悪い事、悲しい事などなど、色々、描いてくれたら良かったのになと思いました。

 

 

トランという女性が、国に対して反対運動のようなものをしていて、捕まって強制的にダウンサイズされてしまった被害者なのですが、ダウンサイズの開発者が、一番恐れていた悪用をされてしまったと言う事で、悲しむんです。確かに、自分の素晴らしい研究を悪用されるなんて、悲しかったと思います。そこで思い出したのが、核開発の話です。アインシュタインがウランの可能性をルーズベルトに手紙で伝えてしまったことで核爆弾が開発される発端となってしまい、アインシュタインは悲しんだそうです。最初は、良い事に使えるエネルギー開発だと思ったのに、悪用されてしまう。そういう悲しい事は、いつの時代も起こるんですね。

 

 

ちなみに、核開発はアメリカでマンハッタン計画として開発され、同時期にドイツでも開発されていました。この開発者たちの苦悩を描いた演劇「コペンハーゲン」というものがあります。アメリカのボーアとドイツのハイデルベルグのお話です。以前、段田さん、浅野さん、宮沢りえさんで舞台化されました。良い内容でしたよ。

 

話を戻して、新しい開発をすれば、良い事もあるけど、必ず悪い事も出てくるという事です。そして、大きくても、小さくても、人間なんて、同じ事をしてしまうんだという事を描いていたのかなと思いました。

 

 

私は、まぁ、お薦めしても良いかなと思います。パンチが無いので、凄く面白いという映画ではありませんが、人間とはと考えさせられる内容でした。ぜひ、観に行ってみて下さい。

ぜひ、楽しんできてくださいね。カメ

 

 

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