舞台「江戸のマハラジャ」を観てきました。扉座の公演です。
ストーリーは、
江戸の町にインドの船が流れ着いた。遭難したらしい。乗っていたインド人は幕府のお情けで江戸の町に住む事を許され、江戸の下町にすみ着くことになった。
インド人は、江戸の下町に住み、町の人々に馴染み始めます。インド人のハッサンはカレー屋を始め、アナンやアナンダたちはインドのダンスを教え、段々とみんなに慕われるようになっていきます。下町の長屋の大家である”おりく”は、そんなハッサンを温かく迎え入れ、長屋に娘のランガと一緒に住まわせてくれています。
しかし、もちろん異国人を良く思わない人もおり、問題が無い訳では無い。日本舞踊の教室を営む先生は、インドのダンス教室に生徒を奪われ、いつもインド人にケンカ腰です。そして、江戸の下町に住んでいた男・亀吉は岡っ引きとなり、インド人をいつも監視しています。
そんなインド人が日本に来てから、既に何年も経ってしまい、インド人のリーダー・ラージャは、茶屋でインド人の会合を開いています。実は、インド人たちは、日本にたまたま流れ着いたのではなく、日本を目指してやって来たのであり、インドの神の命令で、日本で騒動を起こして江戸を乗っ取ろうという計画を立てていたんです。そしてインドからのゴーサインが出たら、直ぐに行動を起こすようにと言われていたのですが、いつまで経ってもサインが来ないので、何度も集まって、相談をしていたんです。
ハッサンは、日本人と仲良くなりながら、最後には裏切らなければいけない自分たちの立場を考え始めるのですが・・・。後は、舞台を観て下さいね。
内容は、シンプルで、とても分かり易くて、感情移入しやすいものでした。信頼を築いてきてしまった人々との絆が、自分たちの使命とぶつかり、インド人たちがどうなるのかというのがドキドキしました。そして、話の途中に、バンバン入り込む”ダンス”。インド映画だと定番の必ず入る”ダンス”が、この舞台にも入ってきます。それが笑えますよぉ。え、突然?っていう感じで、踊り始めるので、もう、マジでウケました。
ダンスの振り付けをラッキー池田さんがされているそうでしたが、観ていて、本当に良くインドのダンスを研究されているんだなって思いました。だってね、インド映画のダンスで必ず入ってくる振り付けを完コピしているんですもん。インド映画を何作か観ていると解かるのですが、ダンスの振り付けで、この手の動きと足の動きはセットで入れるとか、その手の動きがあったら、次はこれだよねとか、決まった癖のようなものがあるんです。それがね、この舞台のダンスにも見られたので、おおっと思っちゃいました。日本で普通に公開されるインド映画って、ダンスはカットされている事が多いけど、映画祭などだと、ノーカットの時もあるんです。そうすると、このダンスの雰囲気、解かるのよねぇ。今回、凄かったです。
そして、毎度のことながら、最後、ほろっと泣かせるようなお話は、やっぱりイイですねぇ。もう、扉座の舞台は欠かせません。本当に面白いし、季節ごとに味わいたい、何と言うか、厚木だから「鮎」って感じかな。荒い川で揉まれながらも命を繋いで頑張っている鮎を、旬にいただくと、味も良くて、香りも良くて、何ともほっこりする、そんな感じなんです。味わい深い舞台でした。
私は、この舞台、超!お薦めしたいと思います。12月10日まで、「座・高円寺1」で公演をしているので、もし、お時間があったら、ぜひ行ってみて下さい。当日券、あるかなぁ~。でも、本当に面白い舞台でしたよ。
ぜひ、楽しんできてくださいね。
江戸のマハラジャ 扉座
http://www.tobiraza.co.jp/kouen/kouen2017/maharaja_201711.html