「火花」を観てきました。
ストーリーは、
まったく芽が出ない芸人・徳永は営業先の熱海の花火大会で先輩芸人・神谷と出会う。「あほんだら」というコンビで常識のワクからはみ出た漫才を披露した神谷の姿に魅了された徳永は、神谷に弟子入りを志願。「俺の伝記を作ってほしい」という条件で神谷はそれを受け入れる。人間味にあふれ、天才的な奇想の持ち主でもある神谷に惹かれる徳永。神谷もそんな徳永に心を開き、2人は毎日のように飲みに出かけては芸の議論を交わし、仕事はほぼないものの充実した日々を送るようになる。しかし、そんな2人の間にいつからかわずかな意識の違いが生まれるようになり・・・。
というお話です。
若手芸人の徳永は、友人に誘われ芸人となった。しかし、何年しても芽が出ず、お呼びはかからない。コンテストに出ても、良い結果は得られない。このままではダメだと考え始めていた時、熱海のイベントで出会った先輩芸人・神谷に魅了され、思わず、弟子にして欲しいと頼みます。
それから、付かず離れずの関係で先輩に可愛がってもらう徳永だったが、あるコンテストで、先輩がやった漫才が凄く面白いのに、漫才では無いと言われているのを聞き、面白いという事と、お笑いの世界とが、必ずしも同じでは無いことに気がつく。
徳永自身も相方との掛け合いのタイミングが合わなくなり、行き詰まりを感じ始めていた。一方、神谷も、家に転がり込んでいた女と別れて、借金がかさんで首が回らなくなっているという。神谷の相方にそんな話を聞いた後、徳永に神谷から連絡が入らなくなり、音信不通となっていた。
ある日、久しぶりに徳永の所に神谷から連絡が入り、飲もうと言われ、喜んで出かけて行った徳永の前に現れた神谷は、以前とは違っており・・・。後は、映画を観て下さいね。
うーん、面白いと言えば面白いんだけど、イマイチかなぁ。パンチが無いのよねぇ。というか、原作にもパンチは無かったんだけど・・・。確かに芥川賞を貰った作品なんだけど、すっごく面白い小説なのかと言うと、そうでも無いのよね。芸人が書いたというだけで話題になっちゃったから、誰も文句を書かないけど、映画は、この原作通りだから、それ程、パンチが無かったのかなと思いました。
菅田くんが出ているから、つい”あゝ、荒野”と比べてしまって、あちらがあまりにも良い映画なので、困っちゃう。こっちの影が薄くなっちゃうんですよ。物足りなくなっちゃうの。芸人の人達が凄く苦労しているのも解るし、その笑いも、とても難しいと言うのも解ります。でもね、それを一般人に理解してもらって、笑って貰えるの?お涙ちょうだいにしないで、素直に笑えるものがお笑いだから、そこら辺を描いて貰いたいんです。泣き笑いとか、笑いの中に泣けるとか、それも解るけど、そればっかりを押し付けられても。笑う時はお腹の中から笑いたいんです。だから、この作品、良い映画だとは思うけど、あまり笑えませんでした。
原作通りに作ろうとしたからなのか、何年、何年って、ブツブツ年代が飛んで、その時の彼らが描かれて行くんですけど、その繋がりも、あまり上手く繋がっていないような気がしたんです。一体、今、彼らがどこに居て、どういう状況なのかがパッと判れば良いんだけど、あれ、今どこに居るんだっけって考えながら観るのが面倒なの。
最初に出会った熱海の場面があり、その後、宿に二人とも帰ったのだと思うけど、そして大阪と東京に別れて、その後、神谷が東京に出てきたってことなんだけど、それが解り難いんだよなぁ。時間と場所をしっかり描いてくれていれば、その住んでいる場所によって、ある程度、今の状況が読めてくるんですけど。うーん、なんかふわふわしていて、ぐっとこちらの心と興味を惹きつけるものが無かったんです。
出演者は良い人ばかりなのになぁ。地味な原作だからなのか、入り込めなかったわ。悪い作品では無い事は解っていますが、映画としてはどうだったんだろう。ちょっと残念に思いました。
私は、この映画、まぁ、お薦めしても良いかなと思います。大手を振ってお薦めは出来ないけど、主演のお二人の関係が良かったのと、やっぱり菅田くん、上手いねぇ。必死で訴える姿が良かったなぁ。こんな子が後輩だったら、おごってあげたくなっちゃうよね。お話は原作通りだったと思います。ぜひ、観に行ってみて下さい。
ぜひ、楽しんできてくださいね。
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火花 (文春文庫)
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