「ダブルミンツ」自分の片割れを見つけてしまったミツオはもう抗う事が出来ない。 | ゆきがめのシネマ。劇場に映画を観に行こっ!!

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観てきた映画、全部、語っちゃいます!ほとんど1日に1本は観ているかな。映画祭も大好きで色々な映画祭に参加してみてます。最近は、演劇も好きで、良く観に行っていますよ。お気軽にコメントしてください。
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「ダブルミンツ」を観てきました。

 

ストーリーは、

ある日、壱河光夫のもとに一本の電話がかかってきた。「女を殺した」という高飛車な声の主は、同じ「イチカワミツオ」の名前を持つ高校時代の同級生市川光央だった。高校時代、光夫は冷酷で高飛車な光央の下僕となっていた。数年ぶりの再会に、光夫は逆らうことなく光央の共犯者となるが、2人の関係はかつての主従関係ではない、新しい形の関係へと姿を変えていく。

というお話です。

 

 

システムエンジニアの壱河光夫に、ある日、一本の電話がかかってくる。電話の主は市川光央、光夫の高校時代の同級生だった。同性同名だった2人は気にし合い、光央は、光夫を虐め始める。裸にして体育準備室に置き去りにし、「出たければ俺の犬になれ。」と命令し、光夫はそれに応じた。そんな主従関係が成立した高校時代から既に何年か経ち、ミツオたちはそれぞれの生活をしていた。

 

光央は電話の第一声で「女を殺した。」と光夫に告げる。光央の元に駆け付けた光夫は、車のトランクに入った女を光央と一緒に森に埋めに行くのだが、光央が罪悪感にかかれて、その後、警察に女を殺したと自主してしまう。警察と共に女の死体を探しに森に行くのだが掘り起こしても死体は出てこない。何が何だか分からない光央は、光夫の所に行くと、実は女は生きていて、光夫とベッドを共にしていた。怒った光央は光夫を殴りつけ、ボロボロになった光夫と光央は、段々と離れられなくなって行く。

 

 

光央はヤクザの使いっパシリのような仕事をしており、その筋に飼われているような状態だった。ある日、光央がクスリの売り上げを誤魔化している事がバレて、袋にされ、ボロボロになったところに光夫が呼び出される。光央が受けていた運び屋を光夫が身代わりに受けることになり、止める光央を尻目に光夫は完璧にやってのける。そして、その褒美として、お金以外にあるデータを受取る。帰って、その映像を見てみると、光央がヤクザの佐伯にヤられている画像だった。酷い映像を見られた光央は、自分の痴態を光夫に見られ、自殺を図ってしまう。そして・・・。後は、映画を観て下さいね。

 

 

うーん、BLは、ちょっと苦手だったのですが、これ、原作が中村明日美子さんで、あの「同級生」の作者なんです。彼女の絵が好きだし「同級生」も良かったので、今回、勇気を出して観に行きました。でもね、これBLという感じではなく、本当の愛の物語になっていて、結構、感動してしまいました。こんな風に相手を愛せたら、幸せかもしれません。

 

同性同名だった縁で、近づいた2人は、最初は、一般的な男女関係を望む人だったように見えたのですが、段々と、相手が気になり始め、性別関係無く、相手を必要として行くように見えたんです。映画の中では、”自分の半身”、最初は一つだった身体なのに、何故か、神の悪戯で別々に裂かれてしまった二人なのではないかと言う事なんです。それくらい、相手を愛してしまうって事かな。

 

 

一見、暴力的で、ドロドロしてそうなんですけど、2人の関係は、とっても美しいんです。その間に、欲とか駆け引きとか、打算的な事は一切無くて、お互いに深く思い合っている。ただ、相手を愛しているんです。それが、何ともステキだなぁと思えてしまって、惹き付けられてしまいました。男と女だと、どうしても女には打算的なものが出てきてしまうでしょ。見た目の事とか、お金の事とか、地位の事とか、どうしても社会で生きて行く中での損得勘定をしていると思うんですけど、この2人は、既に社会とは関係無いんです。ただ、お互いを愛する、欲するんです。それが、男女の関係とは違うんだよなぁ。こういう愛もあるんだと、ちょっと憧れました。

 

 

光夫役の淵上さん、最近、良くTVドラマでも観ていて、素敵な方だなぁと思っていました。今回、ピッタリでしたよ。うん、良くキャスティングしたなぁ。光央役の田中さんは、実は、初めて知りました。最初、キツネ目でちょっと苦手かなと思ったのですが、原作の光央もキツネ目なので、良かったのかもしれません。

 

高校時代の光央役を須賀くんが演じていて、可愛かった健太くんが、こんなに美少年になっちゃってとほくほくして観ておりました。でももう23歳になるとの事で、美少年じゃなく美青年ですね。

 

 

内田監督は「下衆の愛」が良かったので、他の作品はどうかなぁと待っていたんです。この映画も良かったです。ちょっと毛色の違う作品ですが、「下衆の愛」と同じように、暗い中でも輝る人間たちの姿が描かれていて、勇気を出して観に行って良かったと思いました。

 

そういえば、高橋和也さん、良い役者になりましたね。最近、良く映画に出演されていて、どんな役もこなしているので、凄いなぁと見ています。元ジャニーズで「男闘呼組」でしたよねぇ。岡田くんも良い役者になったし、今は、皆さん、ジャニーズじゃないのかな?役者として成功されているので、良かったと思います。事務所に制限されているより、自由に仕事をされた方が、幅が広がって良いですよね。

 

 

私は、この映画、超!お薦めしたいと思います。私もそうでしたが、原作がBL作品ということで、二の足を踏む方もいらっしゃると思いますが、映画は、そういう事とはかけ離れて、愛を描く作品となっていました。こんなに激しい愛を経験したら、一生、それ以外の愛は要らないと思うかも知れません。ぜひ、観てみて下さい。もう、上映は終わってしまったかもしれないので、DVDで観て下さい。

ぜひ、楽しんでくださいね。カメ

 

 

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