「海辺の生と死」を観てきました。
ストーリーは、
第2次世界大戦末期の奄美群島・加計呂麻島(かけろまじま)。朔(さく)隊長率いる海軍特攻艇の部隊が島に駐屯することとなった。国民学校教師であるトエは、島の子どもたちからも慕われ、隊員たちとの酒盛りよりも島唄を習いたがる朔という男の姿を好意をもって見つめていた。ある日、トエは朔から「今夜9時頃浜辺に来て下さい」と記された一通の手紙を受け取る。その手紙にトエは胸の高鳴りを感じていた。
というお話です。
第二次世界大戦末期、奄美の加計呂麻島に住む、学校教師のトエは、学校が終り、子供たちを家に送っていた。すると、いつも通る道が軍に閉鎖されており、明日からは他の新しい道を使うようにと言われます。この島の海軍隊長は朔と言い、優しい人の様だ。
朔隊長は、下級兵士たちに勉強をさせようと、島の知識者として尊敬されているトエの父親に本を借りたいと頼みに来ます。トエは父親に言われ、本を探し、朔に渡し、何となく親しくなって行きます。
戦争は激化して行き、海軍にもいつ出撃の命令が来るか解りません。朔の部隊は特攻部隊で、小型の船で敵艦に突っ込むという任務を受けていたんです。朔は、そんな自分の任務を解っているので、トエに惹かれていても、それを伝えることはしませんでした。
トエは、死を前にした朔であっても、思いを伝え、心を通わせたいと思います。そして、想いを伝えあった二人ですが、朔には出撃の時が迫り、最後に逢いたいというトエと朔は、海辺で遇う約束をします。そして・・・。後は、映画を観て下さいね。
戦争末期の8月近い日々を一緒に過ごした二人の姿を描いています。この時代、どんなに好きでも、明日には死ぬかも知れないからと言う事で、思いを伝えなかった人も居るんでしょうね。反対に、死ぬかも知れないから、今だけでもと思って、急いで結婚する人もいたと聞きます。自分だったら、どうしていたかなぁ。その状況が想像出来ないので、何とも言えませんが、戦争の時代はイヤですね。戦争などやらないで欲しい。
このお話は、「死の棘」を書いた島尾敏夫と、その妻で小説家の島尾ミホさんがモデルとなっていて、彼らの出会いが、この映画の基となっているそうです。ですから、二人とも亡くならずに結婚したということなのですが、この映画だけ観ると、どーも、最後がスッキリせず、あの二人はどうなったのかなって思って終わってしまうので、ちょっとモヤモヤ感が否めません。
原作を読んでいたり、映画を観る前にある程度調べてから観るべき映画なのかなと思いました。そうでないと、理解する事が難しいと私には思えました。映像や、俳優さんは、とても良いのですが、お話というか、映画の持って行き方が、”くみ取ってくれよ”っていう感じの作り方なんです。
だから、何とも感想が書きにくいというか、書けないというか、私はあまりくみ取れなかったので、そんなに楽しめなかったというのが正直な気持ちかな。この島の風景は、すっごくステキなんですけどね。
そんな訳で、私は、この映画、あまりお薦め出来ないかも。満島さんや永山さんは素敵なのですが、話がねぇ~。お二人のファンの方は、ぜひ観るべきだと思いますが、映画としては、どうかなぁ。悪い映画では無いのですが、何とも眠くなるし、進み方が遅いし、うーん。気になった方は、ぜひ、観に行ってみて下さい。
ぜひ、楽しんできてくださいね。
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