舞台「魔都夜曲」を観てきました。
ストーリーは、
1939年(昭和14年)、中国・上海。
当時、ここにはイギリス、フランス、アメリカ、ロシア、そして日本などから多くの人々が移住。租界と呼ばれる居留地は発展し、異国情緒が溢れる都市として<東洋のパリ>や<魔都>とも称されるほど繁栄していた。
ある日、その華やかな街に一人の男が降り立つ。その名は、白河清隆。公家の血を引き、日本政府の要人を父に持つ彼は、諸国を遊学、芸術に親しみながら遊興に明け暮れている。そして、父の指示により、ここ上海へやってきた。
春の夜、清隆の前に二人の男女が現れる。中国人の父と日本人の母を持つ周紅花とその兄・周志強だ。運命的な出会いも手伝って、三人の間には友情が芽生え、また清隆は清楚でありながら溌刺とした紅花に惹かれて行く。
新田日出夫が支配人を務めるクラブ「ル・パシフィーク」には、舞よ、多種多様な人々が集っている。バンドによるジャズの生演奏に熱を帯びた論議。あらゆる思惑や欲望が渦巻く不可思議な空間だ。フランス租界にあるこの秘めやかな場で、清隆・紅花・志強の三人は様々な人々たちと出会う。
時は、第二次世界大戦前夜、この街にも大きな影が落ち始めている。清隆も自信の宿命により、大いなる歴史の波に巻き込まれて行く。
彼らを取り巻く人々の運命は。
そして、清隆と紅花の恋はいかに。
というお話です。
音楽劇というので、どんな感じなのかなと思って観に言ったら、ミュージカルでは無いんです。音楽が少ないし、あれほど踊らないから。でも、普通の演劇というと、ちょっと違って、歌が多いんですよ。丁度、中間って感じですかね。でも、ちょっと雰囲気が違って良かったですよ。
やはり群を抜いて、壮一帆さんが素晴らしくて、もっと観ていたいと思いました。歌は上手いし、声は素敵だし、川島芳子役、最高でした。男装の麗人ですもん、そりゃ、もう、素敵ですよ。あまりの美しさに驚きでした。
他の方も歌が上手くて、とっても満足しました。楽しめました。村井さん、橋本さんも、ガッツリ歌われていて驚きました。ミュージカルも出来るんですね。ビックリです。あ、ミュージカルじゃないか、音楽劇か。ステキでした。
音楽はとても満足したのですが、ストーリーがちょっと物足りなかった感がありました。魔都というので、もっとドロドロした部分が見えて、残酷なシーンもあるのかと思っていたのですが、ちょっとアヘン窟が出てきたくらいで、魔都と言えるほどの恐ろしさはほとんど無くて、ちょっと拍子抜けという感じでした。
戦争前夜なんだし、人種のるつぼなんだから、アヘンで人間辞めますかの人とか、スパイの殺し合いでズタボロになった人とか、そういう部分も欲しかったな。綺麗な部分だけで、ハッピーエンドっぽく見えてしまって、ちょっと残念。魔都じゃなかったです。断層の麗人・川島とか、甘粕大尉とか、そこら辺のスノッブが出てきていたんだから、もっと裏の策略とかも描いて欲しかったなぁ。この時代、面白いんですよね。私は、どうしても”帝都物語”を思い出してしまう。
でも、歌って踊って、愛と裏切り、そして友情が描かれていて、楽しめましたよ。私は、この舞台、お薦めしたいと思います。大人から子供まで楽しめる内容だと思いました。ぜひ、観に行ってみて下さい。
ぜひ、楽しんできてくださいね。
魔都夜曲
http://www.bunkamura.co.jp/cocoon/lineup/17_mato.html
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