「嘆きの王冠 ホロウ・クラウン リチャード三世」最後は極悪王見参!頭脳戦を楽しんで。 | ゆきがめのシネマ。劇場に映画を観に行こっ!!

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観てきた映画、全部、語っちゃいます!ほとんど1日に1本は観ているかな。映画祭も大好きで色々な映画祭に参加してみてます。最近は、演劇も好きで、良く観に行っていますよ。お気軽にコメントしてください。
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「嘆きの王冠 ホロウ・クラウン リチャード三世」を観てきました。

 

ストーリーは、

 

薔薇戦争のさなか、いったんは復位したランカスター派のエンリー六世だったが、ヨーク派のエドワード四世に王位を略奪され、再びヨーク家の天下となっていた。しかし、その平和も束の間、背の骨格に障害を持つ末弟・リチャードは、恵まれなかった自分を哀れみ、兄達から王位を奪うという野望を持ち、怖ろしい計画を実行し始める。

 

 

まず、病弱で疑心暗鬼になっている兄エドワード四世に占い師による預言を聞かせ、”一族の中のJの付く人間が王を殺す”という言葉を信じさせる。家族の中でJの付くのは次男のジョージだけ。王はジョージを謀反の疑いでロンドン塔に幽閉する。

 

さらに、ヘンリー六世の息子・亡き皇太子エドワードの妻アンに近づき、言いくるめて自分との結婚を承諾させてしまう。これで彼女が相続した財産を手に入れる事が出来る。

 

 

宮殿ではエドワード四世が死の床についていた。今後の事を心配する王妃エリザベスだったが、願いもむなしく、王は亡くなってしまう。次の王は弟のジョージのはずだったが、既に、リチャードが刺客を送り、エドワード四世が亡くなる前にジョージを暗殺してしまう。

 

エドワード四世の幼い王子に変わり摂政となるリチャード。策略を重ね、邪魔者たちを次々と排除し、幼い王子たちも、ロンドン塔に幽閉してしまう。怒る王妃エリザベスだったが、リチャードは、バッキンガム公を味方に引き込み、エドワード四世と王妃エリザベスは、正式に結婚していなかったという噂をロンドン中に広めるように指示をする。

 

 

リチャードとバッキンガム公の誘導により、リチャードに王位を引き受けるようにと求めるロンドン市長と市民たち。さもやりたく無さそうな態度を見せて焦らし、最後に承諾するという事で、リチャード三世が誕生する。

 

国王となったリチャードは、ロンドン塔に幽閉中の王子たちを暗殺し、自分の妻アンをも暗殺。そして先王の娘・エリザベスを妻にして、王位の安泰を図ろうとする。しかし、王位を主張するランカスター家のリッチモンド伯ヘンリーが決起し、亡命先のフランスからイングランドへと進軍してくる。

 

 

リッチモンド伯の軍を迎え撃つリチャード三世の前に、母・セシリーと兄嫁エリザベス、そしてヘンリー六世の妻・マーガレットが現れ、愛する者を殺された恨みをリチャードにぶつけて去っていく。戦地に赴き、リッチモンド伯と剣を交えた末に戦死するリチャード三世。長年の内戦を勝利で追えたリッチモンド役はリチャードと結婚するはずだった先王の娘・エリザベスと結婚し、ヘンリー七世となる。


というお話です。

 

長い長いホロウ・クラウンのシリーズもこれで終りです。最後、極悪王が来ちゃったなぁと思ったのですが、このリチャード三世がシェイクスピア作品の中で、ハムレットと並び、一番演じ甲斐のある役とされているようです。確かに極悪だけど、その感情の表現が面白いんです。障害を持っていて、親からもあまり可愛がられず、性格が曲がってしまった男が、王座に着く為に沢山の策略を巡らすんですから、そりゃ、演じ甲斐がありますよね。

 

 

今作では、ベネディクト・カンバーバッチさんが演じているのですが、顔はイケメンなのに、背中が曲がっていて俗に言う”せむし男”のようなんです。ある時は信心深く、ある時は平然と人を殺す、悪魔のような男なのですが、母親が可愛がらなかったからじゃないかなぁと思いました。

兄弟の中では一番頭が良かったんじゃないかしら。もっと家族で仲良く暮らしていたら、こんなに捻くれずに、兄王を引き立てるスゴイ宰相になったんじゃないかとおもうんですけどね。本当に、親が育て方を間違えちゃうと、残念な事になっちゃうよねぇ。

 

日本でもリチャード三世って、良く演んじられるようなのですが、以前、蜷川幸雄さんの舞台で「鉈切り丸」っていうのを森田剛さんが演じたのですが、これもリチャード三世を日本に置き換えて、源氏の時代に当てはめたようなお話だったと、この映画を観て気が付きました。森田さん、上手かったなぁ。同じようにせむし男で容姿も醜いという役なのですが、あの森田さんが醜く見せていて、それでも気高く見えて、もう一度観たいなぁと思い出しました。

 

 

このホロウ・クラウンというシリーズ、7作あったのですが、結構、見応えがありました。面白かったです。最初に1日で4作品観て、次に3作品続けて観たんですが、頭の中がギッシリになっちゃいました。内容が濃くて、大変でした。これ、シリーズでDVDが出てくれるかしら。もう一度観たいなぁ。

 

私が一番好きなのは、ヘンリー五世のトム・ヒドルストンのお話なのですが、見どころが多いのは、やはりこのリチャード三世でしょう。最後の最後に、ガッツリ切り刻んで、朽ち果ててくれました。うーん、スッキリという感じでした。

 

 

私は、この映画、お薦めしたいと思います。このシリーズ、1作だけでも、ちゃんとシェイクスピアの1作のお話なので、楽しめるのですが、出来たら全作、欲を言えば私のように、歴史の順番で観る事をお薦めいたします。そうすると、家系図が良く解りますよ。この時代の面白さが解り、ここからどう今のイギリス王室に繋がって行くのかなぁという興味が湧いてくると思います。7作あって、時間も長いですが、ぜひ、観に行ってみて下さい。
ぜひ、楽しんできてくださいね。カメ

 

 

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