「夜空はいつでも最高密度の青色だ」上手く生きられないけど、それでも愛おしい世界がここに在る。 | ゆきがめのシネマ。劇場に映画を観に行こっ!!

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観てきた映画、全部、語っちゃいます!ほとんど1日に1本は観ているかな。映画祭も大好きで色々な映画祭に参加してみてます。最近は、演劇も好きで、良く観に行っていますよ。お気軽にコメントしてください。
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「夜空はいつでも最高密度の青色だ」を観てきました。

 

ストーリーは、

看護師をしながら夜はガールズバーで働く美香は、言葉にできない不安や孤独を抱えつつ毎日をやり過ごしている。一方、工事現場で日雇いの仕事をしている慎二は、常に死の気配を感じながらも希望を求めてひたむきに生きていた。排他的な東京での生活にそれぞれ居心地の悪さを感じていた2人は、ある日偶然出会い、心を通わせていく。

というお話です。

 

 

田舎から東京に出てきて、看護婦をしながら、夜はガールズバーで働いている美香は、何をしていても満たされる事が無く、自分の未来も全く見えてこない。

 

学生の頃はとても頭が良くエリートコースを行くと思われていた慎二は、社会に出てからは、工事現場で日雇いの仕事をしている。彼も、自分の居場所が無く、満たされずに、先も見えない。何をして良いのか解らず、仕事以外は本を読むくらいの日常だ。ある日、先輩に連れられて、ガールズバーに行き、美香と出会います。

 

 

偶然が重なり、何となく、距離が縮まっていく二人。ある日、慎二の先輩が、とても元気だったのに、心臓発作で亡くなります。突然の死に驚く慎二ですが、美香は病院で亡くなる方を送る事が多く、死というものが、身近にある事に気が付き、不安が大きくなって行きます。

 

慎二は、死の不安を感じながらも、美香を愛する気持ちが大きくなり、不安は拭い去れないけど、きっと二人でいたら、希望が見えて来るのではないかと考え、美香にを優しく癒していく。そして・・・。後は、映画を観て下さいね。

 

 

この映画、大きな起承転結がある訳では無いのですが、ある年齢になってくると、誰もが、この二人と同じような不安を持つと思うんです。もちろん、私も、今、現在、持っています。だって、年を取って行けば、段々と周りの人が亡くなって行くでしょ。でも亡くなったからって、世界が変わる訳でもなく、自分の生活が変わる訳では無い。ただ、その人が居なくなるだけ。その順番は、いつ自分に周って来るか解らないんです。

 

 

自分が生きているのは、この”死”に向かって生きているだけで、只の時間潰しなのかも知れないと思ったら、気力も無くなるし、何となく寂しくなっちゃうでしょ。でもね、誰かが側に居れば、もしかしたら寂しくなくなるし、何か希望が持てるかも知れない。そんな風に思える内容でした。

 

 

池松さんの同僚役を、松田さんと田中さんが演じていて、イイ味出しているんです。やっぱり田中さん、上手いなぁ。いつものカッコいい姿じゃなく、いつもチャックを開けたままのだらしないオッサン役で、あー、居る居る、こんな人って感じで、感動しちゃいました。

 

 

ヒロインを新人の原田さんが演じているのですが、石橋凌さんと原田美枝子さんの娘だそうです。申し訳ないけど、スゴイ美人という感じでは無いけど、味のある演技でした。まだ表情が乏しいけど、今回の役には、その方が良かったのかも知れません。

 

 

私は、この映画、お薦めしたいと思います。誰もが一度は感じた事のある喪失感、虚無感を、上手く描いていたと思います。きっと2人になれば何か変わっていくかもという期待させる作り方で、なんか、最後も良かったなぁ。ぜひ、観に行ってみてください。
ぜひ、楽しんできてくださいね。カメ

 

 

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