【蜷川幸雄シアター】「身毒丸 復活」雰囲気が”つげ義春なんですよぉ。メメくらげに刺されそう。 | ゆきがめのシネマ。劇場に映画を観に行こっ!!

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観てきた映画、全部、語っちゃいます!ほとんど1日に1本は観ているかな。映画祭も大好きで色々な映画祭に参加してみてます。最近は、演劇も好きで、良く観に行っていますよ。お気軽にコメントしてください。
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蜷川幸雄シアター「身毒丸 復活」を観てきました。

 

ストーリーは、

母を売る店で買われた女・撫子と、亡くなった実母を想い続けている義理の息子・身毒丸。ふたりは“家”という呪縛の中で憎しみあうと同時に惹かれあい、禁断の愛に落ちていく。

というお話です。

 

 

一般的にいう”ゲキシネ”なのですが、蜷川さんの一周忌記念ということで、1週間限定で上映されました。

 

この舞台、最初は、武田さんが演じていて、次に、オーディションをして、藤原さんを見出したという作品ですよね。これ、本当に生で舞台で観たかった。映像で観ていても、スゴイ迫力でしたもん。白石さんのおどろおどろしい継母と、無垢で幼いまま青年となってしまった男のお話なんです。

 

エロくて、グロくて、怖ろしい。正に、つげ義春的な雰囲気なんです。それが、マジで舞台で再現されていました。最初に、キツネの面を付けた花嫁が出て来た時点で、おおっ!つげ義春って叫びたくなりましたもん。

 

 

人買いのところで、母親となる女を買う父親と息子。父親は、息子が母恋しさに泣いているので、新しい母親を与えてやろうと思って、母親を買いに来るんです。優しい父親の部分と、母親を買うという狂った部分と、相反しているでしょ。息子は、もちろん、本当の母親じゃなきゃヤダと言うに決まっているのですが、父親は、母親を作って、家庭という形を整えれば、息子もマトモになるだろうと思っているんです。うーん、あり得ない!

 

そして、無理矢理、母親がいる家庭を作り上げ、その上、女の連れ子も一緒に家庭に入り、4人の食卓が出来る訳です。父親は、形としての”家庭”を喜びますが、息子は母親を毛嫌いし、母親は息子を憎み始めます。

 

 

もう、ドロドロでしょ。考えただけでも、そんな家庭には居られないと思うのに、それを続けるんですよねぇ。ま、続かないんだけど・・・。(笑)

で、身毒丸が継母に復讐をするのですが、憎しみを通り越して、愛に変わっていくという、もう、怖い話になって行くのですが、それが、美しくて、ドロドロしていて、面白いんです。

 

つげ義春の漫画が、舞台に出来上がっているという感じで、素晴らしいと思いました。いつ片腕を押さえた男が「メメくらげに刺された」と言うかと思ってドキドキしちゃった。「ほら、ポッキン金太郎」のお母さんらしき人もいたように思います。

 

 

私は、この「蜷川幸雄シアター作品」お薦めしたいと思います。これ、もっと上映してくれれば良いのに、1週間限定で、4作品の上映なんです。これ、観れるなら、ぜひ観るべきだと思いますよ。面白いですもん。ぜひ、観に行ってみてください。まだ、2作品ほど上映しますから。
ぜひ、楽しんできてくださいね。

 

 

蜷川幸雄シアター   http://hpot.jp/stage/nt

 

 

 

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