【演劇】「エレクトラ」ギリシャ神話の有名なエレクトラ。母への憎悪はハンパじゃない。 | ゆきがめのシネマ。劇場に映画を観に行こっ!!

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観てきた映画、全部、語っちゃいます!ほとんど1日に1本は観ているかな。映画祭も大好きで色々な映画祭に参加してみてます。最近は、演劇も好きで、良く観に行っていますよ。お気軽にコメントしてください。
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舞台「エレクトラ」を観てきました。

ストーリーは、

戦禍渦巻く中、ギリシアの地アルゴスのアガメムノンはトロイアとの戦争を自分の長女・イピゲネイアを生贄として差し出す事で終結へと導く。帰還したアガメムノンは、妻のクリュタイメストラとその情婦アイギストスによって暗殺される。アガメムノンの娘・エレクトラは、父の死や弟・オレステスの不在を嘆きながら、母と情婦への復讐を胸に酷い暮らしをしている。エレクトラの唯一の希望は、他国へ亡命させた弟オレステスと共に父の復讐を果たす事だった。

エレクトラの妹クリュソテミスは、そんなエレクトラに復讐をやめて幸せに生きようと説得しますが、激しい口論になってしまう。母クリュタイメストラとエレクトラは、激しいぶつかり合いの中でお互いへの恐怖と怒りを増幅させていく。

ある時、他国からの使者がオレステスの遺骨を運んでくる。絶望に打ちひしがれるエレクトラだったが、その使者こそはオレステス。再会した姉弟は父の仇、実母と義父を討ち取るべく立ち上がる。

というお話です。



このエレクトラというお話、有名なんですね。実は、私、知らなくて、この舞台で知りました。そしたら、直ぐ後に、イタリア映画祭の映画の中で、「エレクトラ」の名前が出て来て、母親を憎む女性の典型みたいな形で使われていたから、有名なんです。

 

トロイの木馬の話は有名ですよね。トロイのパリスが、ギリシャのメネラオス王の妻・ヘレネを寝取って、トロイに連れ帰ってしまったので、それを取り戻す為の戦争でした。そのヘレネの姉がクリュタイメストラであり、エレクトラの母親です。

 

 

このクリュタイメストラが、エレクトラの憎悪の鉾先なのですが、母親も可哀想なんです。夫のアガメムノンがトロイ戦争に勝ちたいが為に、長女のイピゲネイアを生贄として捧げてしまい、愛する娘を失い、その後、夫はトロイから愛人を連れ帰ってくるなんて、酷いでしょ。娘を取られた上に、愛人と仲良くやってるなんて、許せないよね。だから、夫を殺しちゃうんですよ。

 


エレクトラにとったら父親を殺したのが母親であり、確かに酷い父親だとは思うけど、母親だって愛人のアイギストスと図って父親を殺したんだから、許せないんです。おまけに、王位を愛人のアイギストスに譲りたいが故に、息子のオレステスまで殺そうとした母親を、エレクトラは絶対に許さず、復讐を誓うんです。

 

でも、こんなに身内で殺し合っていたら、いつかは一族が滅びてしまうと思わないのかしら。今の自分の立場だけが良ければ良いという、とっても短絡的な考えであり、誰か、頭脳明晰な宰相でも居たら、もっと上手く回ったんじゃないかなぁと思ってしまった。

 

 

それにしても、白石さんのクリュタイメストラ、怖ろしかったなぁ。あの目で睨まれたら、小さくなっちゃいそうでしたもん。そんな白石さんに勇猛果敢に立ち向かうエレクトラの高畑さんの迫力も凄かったです。やっぱり高畑さん、どんどん上手くなっていて、まるで白石さんに負けてないの。素晴らしいと思いました。

 

 

そして、オレステスの村上くん、いつそんなに成長したのぉ~!あまりにも上手くなっていて驚きました。この間、”渋谷から~”を観た時は、これから楽しみだなぁなんて思っていたのですが、それが、一足飛びに上がってきちゃったみたいで、セリフも聞きやすいし、感情も完璧!美しいし、非の打ち所がないほどでした。もっともっと観たくなる役者になってきたように思います。

 


私は、この舞台、超!超!お薦めしたいと思います。もう、終わっちゃったと思うけど、再演があったら、ぜひ観てみてください。これは、素晴らしいですよ。カメ
 


エレクトラ   http://hpot.jp/elektra/
 

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