【イタリア映画祭】「道化師 + 夜よ、こんにちは」マルコ・ベロッキオの2作を堪能して。 | ゆきがめのシネマ。劇場に映画を観に行こっ!!

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観てきた映画、全部、語っちゃいます!ほとんど1日に1本は観ているかな。映画祭も大好きで色々な映画祭に参加してみてます。最近は、演劇も好きで、良く観に行っていますよ。お気軽にコメントしてください。
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イタリア映画祭16作目「道化師 + 夜よ、こんにちは」を観てきました。

ストーリーは、

「道化師」

とある地方の劇場で、数人の歌手とピアノだけの小規模な構成でレオンカヴァッロのオペラ「道化師」のリハーサルが行われていて、オペラのプロジェクトに出費している金持ちの老女がそれを見ていた。リハーサル後に歌手として出演している息子が出来栄えを尋ねると、母は不満を表明。息子は事情を説明して説得しようとするが、支配的な母はそれをばっさり切り捨てる。

オペラ関係者を招いた夕食後に、娘に催眠療法が試される事になる。ちょっとした余興だったはずが、催眠にかかった娘は恐れながらも母を殺人者だと告白し、一触即発の事態に。余興中に外出した息子はポーカーで駆けをしていたが、負けが込んでいた。母から命令を受けた友人のカニオは、機転を利かせて息子を賭場から救い出す。帰宅した息子を、母は金銭のことで突き放す。

夜更けに外でたばこを吸っている母を窓越しに見つけた娘は、ライフルを母に向ける。

というお話です。




お金持ちの家の放蕩息子は、劇場でオペラ公演を企画して、母親に出資を頼んでいるのだけど、母親は息子に厳しく、お金は出さないと言うんです。このバカ息子、金が余っているんだから出せよって感じなの。その公演は、興行的にはきっと失敗するだろうなぁって感じで、息子ダメダメなんです。きっと、母親は、自分で一人立ち出来るようにさせたいと思っているんだろうけど、本人は、全くその気は無くて、いつも甘えてばかり。


典型的な、教育を間違っちゃった金持ちの家って感じで、母親は後悔しているんだろうと思いました。でも息子や娘たちには、そんな思いは伝わらず、母親を殺人者呼ばわりして、殺したいと思うほど憎んでいて、何処まで行っても、想いは伝わらないまま。まるで道化師ですよね。言葉で言い合えば良いのに、それも出来ない、哀しいお話でした。




短編ですが、面白かったですよ。これだけで公開は無いと思いますが、何かと同時上映はあるかも知れないので、観ることがあったら、ぜひ、楽しんでくださいね。



「夜よ、こんにちは」

1977年暮れのローマ。新しいアパートを借りたキアラとエルネストの若いカップル。実はこのふたり、夫婦を偽装した、極左テロ組織「赤い旅団」の活動分子たちだった。

1978年3月16日、リーダー格のマリアーノとプリモのふたりを加えた4人は、誘拐したイタリア元首相アルド・モーロを本棚の裏に造った隠し部屋に監禁する。誘拐後も表むきは支所として図書館に勤めるキアラは、「夜よ、こんにちは」と題したシナリオを書いた同僚のエンツォと親しくなる。



一方、モーロ元首相は有力者や家族に手紙を出し続けるが、旅団側が提示した逮捕者の釈放という交換条件に政府は応じず、教皇は旅団に対してモーロの無条件釈放を求める声明を行う。エンツォはキアラに、自分の書いたシナリオではテロの愚かさを悟った女性テロリストが人質を釈放するのだと語る。だが、キアラやエルネストの反発を押し切る形で、マリアーノはモーロに死刑の判決を下す。

というお話です。



これ、途中で眠くて眠くて、死にそうになりました。実際にあった、テロ・誘拐事件のお話なんです。テロ組織が、元首相を誘拐して、逮捕されている仲間を釈放しろって言うんだけど、この時代だから、こんなことやってたんだろうね。イマドキ、誰が考えても、政府は要求に答える事は無いだろうし、この映画の中でも描かれているように、誰かをテロ組織が殺してくれた方が、政府はプロパガンダとして都合が良いでしょ。殺された人間は、殉教者になるし、そんなテロを許す事は出来ないって話になって、一気に責め立てられるもんね。



私だったら、交渉しているように見せて、時間を稼いで、十分に情報が国民に行きわたったところで、殺してくれる事を望むなぁ。完璧じゃないですか。それで、テロ組織を壊滅出来るんですよ。たった一人の、まして、元首相なら、してやったりだろうなぁ。元々、自分たちに言いたい放題をしていた元首相でしょ。いい気味と思ってますよ。元首相にしたら、寝首を掻かれたと思うだろうと思います。

だから、テロ組織ってアホだなって思うんです。もっと、人間心理を利用して、自分たちの方に人々の気持ちを誘導すればよいのにね。日本なんて、特に、惑わされやすくて、忘れやすい人間たちなんだから、もし、日本で革命でも起こしたら、やりやすいだろうなぁ。直ぐに情報操作されちゃうよね。アホだもん。




そんな事を考えさせられる映画でした。私は、まぁ、お薦めしても良いと思います。眠くなっちゃったけど、でも、内容は面白かったですよ。ぜひ、観る機会があったら、観てみてください。

ぜひ、楽しんでくださいね。カメ




イタリア映画祭  http://www.asahi.com/italia/2017/