「雨の日は会えない、晴れた日は君を想う」気が付いていなくても彼女は彼の片翼になっていたと思う。 | ゆきがめのシネマ。劇場に映画を観に行こっ!!

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観てきた映画、全部、語っちゃいます!ほとんど1日に1本は観ているかな。映画祭も大好きで色々な映画祭に参加してみてます。最近は、演劇も好きで、良く観に行っていますよ。お気軽にコメントしてください。
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「雨の日は会えない、晴れた日は君を想う」を観てきました。

 

ストーリーは、

ウォール街のエリート銀行員として出世コースに乗り、富も地位も手にしたディヴィスは、高層タワーの上層階で空虚な数字と向き合う日々を送っていた。そんなある日、突然の事故で美しい妻が他界。しかし、一滴の涙も流すことができず、悲しみにすら無感覚に自分に気付いたディヴィスは、本当に妻のことを愛していたのかもわからなくなってしまう。義父のある言葉をきっかけに、身の回りのあらゆるものを破壊し、自分の心の在り処を探し始めたディヴィスは、その過程で妻が残していたメモを見つけるが……。

というお話です。

 

 

デイヴィスは、投資銀行のバンカーとして成功していた。妻・ジュリアの父親が投資銀行の社長をしており、妻のおかげで義父に鍛えられて投資家として成功し、その手腕を認められていました。ある日、ジュリアの運転で出かけていた二人は、交通事故に遇い、ジュリアは頭を打って即死してしまいます。生き残ったディヴィスは、茫然自失の状態で、病院でスナック菓子を自販機で買おうとすると、お金を入れても菓子が出て来ません。苦情を言うディヴィスですが、業者に言ってくれと言われ、業者当てに手紙を書くことにしようと思います。

 

 

ジュリアの葬式を終え、沢山の人が集まる中、ディヴィスは、自分だけ泣けないのはジュリアを愛していなかったからなのか、自分がおかしいのか、感情のコントロールが上手く行かなくなり、表情が無くなって行きます。仕方なく、気持ちを変える為に、病院の菓子の自販機会社に苦情の手紙を書き始めますが、何故病院へ行く事になって、何故菓子を購入する気持ちになったのかなど書いて行く内に、長い長い内容の手紙になってしまい、それを会社に送る事にします。

 

家に帰っても、以前と全く同じなのにジュリアだけが居ないことが受け入れられず、どうしてよいのか分からないディヴィスは、壊して調べてみれば良いという言葉に従って、色々なものを解体し始めます。冷蔵庫から始まり、キッチン、洗面所などの設備、挙句に義父母の家の洗面まで壊す始末。おかしくなっているディヴィスに、菓子の自販機会社の苦情担当者から電話が入ります。

 

 

担当者のカレンは、ディヴィスの手紙が気になり、彼を調べていたんです。彼が妻を亡くし、少しズレてしまっている事を気にして、何か出来ないかと動いてくれていたんです。ディヴィスとカレンは知り合い、友人として仲良くなるのですが、恋愛とは別として付き合っていきます。カレンの息子とも心を通わせていくディヴィスは、自分の周りのあらゆるものを壊し、自宅までも、ユンボを通販で購入して壊し始める。そんなある日、車に残っていた付箋を広げると、ジュリアが遺した言葉が書かれていた。それを読んだディヴィスは・・・。後は、映画を観て下さいね。

 

 

これ、凄く解るというか、感動しました。毎日、仕事に追われ、まして義父の会社で仕事をしていたら、甘えは許されないだろうし、妻への劣等感が心深くにあるから必死だと思うんです。だから、妻を構えなくなるけど、それって、彼女を愛しているから義父に付いて行こうと必死に働いていたと言う事があるんじゃないかな。自分では気が付いていないけどね。

 

そんなディヴィスを判っていたから、ジュリアはディヴィスに仕事を休めとは言わなかっただろうし、彼を後ろから支える事を選んでいたのではないかと思います。でも、寂しくて、ちょっと浮気をしちゃったり、ジュリアにも複雑な心があったと思う。そんなジュリアが突然居なくなり、ディヴィスがどうしようもなくなった気持ちは、とっても良く解るんです。

 

 

どうして良いか解らないの。本当は、自分が死んだ方が良かったと思っているけど、どうしようもないから、周りの物を壊して何も失くしてしまおうと思ったんじゃないかな。ジュリアが居ないのに、何も要らないって。凄く、この気持ちが判るから、怖いです。もし、自分も夫が亡くなったらどうなるのか、不安になります。泣いたって変わらないんですから。そんなものを通り越しちゃうの。

 

そんな気持ちを、たまたま知り合ったカレン母息子が助けてくれるんです。心の奥底に在ったジュリアを愛しているという気持ちを引っ張り出すまで、カレンたちが辛抱強く付き合ってくれたんです。亡くなって直ぐには無理だよね。親や兄弟は、直ぐに悲しめるけど、夫婦って、家族であって他人でしょ。後から繋いだ絆だから、表面的に愛しているだけならいくらでも泣けるけど、心から愛していたら泣けないと思う。うーん、深いです。

 

 

面白いと思ったのが、ディヴィスの両親が彼を心配して家に来るのですが、庭木の殺虫をしないと”マイマイガ”が大量発生するからと注意するんです。そうそう、親の言う事は、ちゃんと聞いておくべきです。親は、ちょっとウザいと思う事もあるけど、大体が核心を付いて来ているんです。それが血を分けた親子というもんなんです。この”マイマイガ”覚えておいてくださいね。

 

この映画、夫婦の愛も描いているけど、親子の愛も描いていて、誰もが相手を思っているけど上手く伝わらない、上手く伝えられないという、ジレンマが理解出来るので、すごく感動しちゃいました。良かったなぁ。

 

 

私は、この映画、超!お薦めしたいと思います。解るんですよ、この上手く伝わらない気持ちが。ジェイク・ギレンホール、本当に上手いです。彼だからこそという場面がいくつかあるなぁと私は思いました。ぜひ、観てみて下さい。

ぜひ、楽しんできてくださいね。カメ

 

P.S : 英語訳だと銀行家と訳されますが、ディヴィスは通常銀行員では無く、日本で言う企業向けの証券会社と言う方が正しいと思います。投資ファンドなどで資金調達、財務戦略を行う会社なので、日本で言う銀行とは違うんだけど、まぁ、直訳だとそうなっちゃうから仕方ないかな。

 

 

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