「海賊とよばれた男」面白いけど商人の伝記だとどうしても美しくは無いかな。 | ゆきがめのシネマ。劇場に映画を観に行こっ!!

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「海賊とよばれた男」を観てきました。

 

ストーリーは、

出光興産創業者の出光佐三氏がモデル。主要燃料が石炭だった当時から、石油の将来性を見抜いていた国岡鐡造は、北九州の門司で石油業に乗り出すが、国内の販売業者や欧米の石油メジャーなど、様々な壁が立ちふさがる。それでもあきらめない鐡造は、型破りな発想と行動で自らの進む道を切り開いていく。やがて石油メジャーに敵視された鐡造は、石油輸入ルートを封じられてしまうが、唯一保有する巨大タンカー「日承丸」を秘密裏にイランに派遣するという大胆な行動に出る。それは当時のイランを牛耳るイギリスを敵に回す行為だったが……。

というお話です。

 

 

北九州で国岡鐡造は、石油業を始めますが、最初は新参者など相手にもされません。それでも何か道は無いかと探し出し、石油ではなく軽油でもエンジンが動くことが判り、軽油を船に売る事にします。海の上なら縄張りも関係無いだろうと、海賊のように他の地域にも売り歩き、何度も諍いを起こしながらも財を成して行きます。そんな鐡造も兄の勧めにより結婚をする事に。

 

ゆきという女性を結婚し、落ち着くかと思われましたが、鐡造は以前より精力的に仕事を熟し、ゆきは寂しい思いをします。子供でも出来ればという願いがありましたが、ゆきには子供が出来ず、ゆきは鐡造の今後の事を考え、離縁して実家に帰ってしまいます。

 

 

第二次世界大戦が始まり、終戦を迎え、沢山の空襲を受けてボロボロになった日本で、再度、石油業を始めようとする鐡造ですが、元々、強引な手法で石油業を続けていた鐡造に、国の石油を統括している組織は、石油を国岡商店には売らないと言い、鐡造は石油業が続けられなくなります。仕方なく、社員を養う為に、ラジオの修理など、他の事業を始めて食つなぎます。

 

ある時、米軍が、戦争中に横浜のタンクなどに残っていた重油を全て売ってからでないと、アメリカからの石油の輸入を再開させないと日本に言ってきます。ボロボロで他のものが混ざってしまっている重油など、どこの石油会社も処理しきれないと断る中、鐡造の会社だけはそれを受け容れ、不純物が混ざり、酷い匂いのする石油をタンクから手で汲み出し、ろ過をして販売します。

 

 

石油業が出来る資格を手に入れた鐡造たちは、アメリカのメジャーから石油を輸入して、大々的に石油業に参入し始めるのですが・・・。後は、映画を観て下さいね。

 

うーん、良い映画なんですが、話としては、「永遠の0」のように、庶民の事を描いているのではなく、お金持ちの商人の歴史を描いているので、それほどの感動はありませんでした。時代も飛び飛びで、ちょっと観にくいというか、主人公に入れ込めない感がありました。

 

 

出光の社長の話を元にしているのですが、昭和の経営者って、こんな風だったんでしょうね。”イケイケどんどん”なんです。あ、これ、昭和の社長が言っていた言葉なんですけどね。みっともなくても何でも、やったもん勝ちだろうって考えなんですよね。ま、悪い事ではないけど、えげつないなぁと思いました。映画ではキレイ目に描かれていたけど、実際には、もっとえげつなかったと思いますよ。

 

鐡造と離縁したゆきですが、もっと出番があるのかと思ったら、あっと言う間に居なくなりました。この頃、子供が産めない女性は、こんな風に身を引くしかなかったんでしょうね。可哀想でした。鐡造も酷いよなぁ、せめて、1回ぐらいは迎えに行けば良いのに、直ぐに、新しい奥さんを貰って、子供を作ってたんでしょ。ムカつく。時代が時代だからと言われても、やっぱりムカつきました。

 

 

鐡造の周りの人物がとても良かったです。東雲の吉岡さん、長谷部の染谷さん、柏井の野間口さん、そして何と言っても甲賀の小林さん、素晴らしかったです。周りが上手いと、主人公が引き立ちますよね。甲賀と柏井に支えられた鐡造だったからこそ、沢山の凄い事が出来たのだろうし、東雲と長谷部の若い力が下支えしたのだと思います。このチームワークというか、周りの人間に恵まれた人なんだなって思いました。

 

 

そうそう、イランに船を送ると決めた決断に、東雲が経営じゃなくて”博打”じゃないかっていう場面があるのですが、全ての経営者は博打打ちですよね。だって、仕事の選択をして決断をする時は、先がどうなるかなんて、まず解らないんですから。その博打が打てない経営者は経営者じゃありません、労働者です。勝ったり負けたりしながら、利益を増やしていくのが経営者です。舐めた事言ってんじゃないよっ!(笑)

 

何となく、もう少し話を細かく知りたかったな。満州での汽車のオイルの顛末も、言葉だけで終わっていたし、タンクの重油を汲み出したまでは描いていたけど、その後、最後まで汲み出して販売したのか、ハッキリ判らず、終わっていたので、そこら辺が、物足りないと思いました。このお話、TVでシリーズでやれば、そのエピソードづつが、細かく描けたのかも知れないけど、映画では難しかったのかな。残念でした。

 

 

私は、この映画、お薦めしたいと思います。でも「永遠の0」の事を思うと、やっぱり物足りない気がしました。話自体がスッキリしていないのと、商人の伝記なので、今一つ、嫌らしい感じがあるんです。お金に汚いというか、美しくは無いですよね。だから、そういう事が許せる人には、観て欲しいかなって思います。ぜひ、観に行ってみて下さい。

ぜひ、楽しんできてくださいね。カメ

 

 

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