「ミュージアム」の完成披露試写会に行ってきました。
ストーリーは、
雨の日だけに起こる猟奇殺人事件を追う刑事の沢村久志。犯行現場に残された謎のメモや、見つけられることを前提としたかのような死体から、カエルのマスクを被った犯人像が浮かび上がる。通称・カエル男と呼ばれるようになった犯人を追い詰めていく沢村だったが、カエル男の仕組んだ残酷な罠にはまり、絶望的な状況に追い込まれてしまう。
というお話です。
雨の日に起こる猟奇殺人事件。「ドックフードの刑」「母の痛みを知りましょうの刑」と、あまりにも酷い惨殺死体が遺され、この二つの事件にどんな繋がりがあるんだろうと、警察は捜査を始めます。その事件を追う、沢村久志。殺人課の刑事であり、仕事熱心で、2週間前に妻と子供が出て行ってしまっていて、自宅はぐちゃぐちゃである。
そんな沢村は、刑事としてはとても有能で勘も良い方であり、細かいことに感づいて行く。警察の捜査も進展して行き、猟奇殺人の繋がりは、その年にあった裁判員制度で行われた殺人事件の裁判でした。「幼女樹脂詰め殺人事件」であり、判決は死刑。犯人は自殺をしています。この犯人の復讐で裁判員や裁判官を殺しているのではないかという話になり、追ってみると、裁判官と裁判員が行方不明になっていることが分かります。
その裁判に沢村の妻も裁判員として出ていて、驚く沢村は、家を出て行った妻と子供を探し始めます。妻の友人の家に居候していることが判り、急いで保護し行くのですが、一足遅く、犯人に拉致されてしまいます。犯人を追う沢村の前に、カエルのマスクをして合羽を着た男が現れ、嘲笑うかのように沢村を挑発します。そして、沢村の後輩・西野を拉致し、目の前で殺して、彼に「君が必要なんだ。」という言葉を残し消えてしまいます。
西野を殺され、自分を責める沢村ですが、妻や子供まで殺される前に、犯人を捕まえなければと焦り、謹慎であるにも関わらず、犯人の手がかりを追って行きます。そして・・・。後は、映画を観てくださいね。
大友監督、ありがとうございます。原作に忠実に描いて下さって、嬉しかったです。ラストは違うけど、原作で描かれていない事をプラスしたり、内容を増やして、とても解り易くなっていました。さすがに映画なので、猟奇殺人の死体は、それ程、どアップなどはありませんでしたが、あれでもグロいモノがダメな方たちにはキツいでしょうね。私は大好きダケド。
うんうん、とても面白く出来上がっていて、今回は、とても満足させて頂きました。私の中では、大友監督の評価、挽回です。高位置キープになりました。久しぶりにドキドキハラハラ、手に汗を握り、ワクワクしながら観てしまいました。原作を知っていても、同じ様に話が進むかは分からないからね。でも、良かったぁ~、マジで満足でした。
実は、ラストが原作とは違います。この原作、読んだ人によって、感じ方が違うんですよね。私の解釈は、漫画の話だから書きますが、ラストで家族と幸せそうに見えるけど、仕事を失った男は本当に幸せなのか、その後、家庭という不幸が待っているのではないかと取ってしまいました。私自身が、仕事をしていて楽しいので、その生き甲斐を取られたらどうなるんだろうと不安になったんです。きっと、普通の方は、ハッピーエンドと取る方が多いのかな。
でも、映画のラストは違います。ちょっと、恐ろしいラストが待っていました。これ、恐いよね。もしかしたら映画の方が、とてもシニカルなラストなんじゃないかと思います。そして、カエル男も原作とは違います。彼については、映画の方が、良く描けていたような気がしました。良かったです。
裁判員制度の恐ろしさも描いている作品であり、考えさせられました。裁判員をやって、もし冤罪があったとしたら、逆恨みされたりするんだろうか。テレビとかで取り上げられて、追われたりするんだろうかと。豊洲の事だって、それまでは普通の役所の職員だった人が、突き上げを食らっている訳でしょ。言われるままに印鑑を押したから罪なんだろうか。裁判員だって、多数決なんだから、自分は違うと思っても多数が思う方に手を上げることになるでしょ。どんな世界にも完璧な事は無いし、それを責められる人間は居ないと思うんだけど、どうなんでしょうね。出来るだけ間違いは無くしたいけど、仕方ない事ってあるんじゃないの?
そういえば、今日、カエル男の正体が妻夫木さんと発表がありました。カエル男役、驚くような変わりっぷりで、素晴らしいっす。今までに無い怪人ぶりに驚きでした。マジで「キ」が入っているようで、楽しかったなぁ。何でも出来ますね、凄いです。それに対する小栗くんの沢村も、ハードでワイルドな刑事役で良かったですよ。2人が殴り合って絡むシーンは、どちらも身体を鍛えてきていて、カッコいいを通り越して痛そうでした。良かったよぉ。
私は、この映画、超!超!超!お薦めしたいと思います。これは、本当に面白いエンターテインメントに出来上がっていると思います。但し、とてもグロいので、そういう映画がダメな方には無理だと思います。「針千本飲ますの刑」とか、「ずっと美しくの刑」とか、見れないっしょ。出て行く人続出だと思います。だから、今から言っておきますが、グロがダメな方は止めて下さい。映画としては、素晴らしいし、私は大好きですが、グロいからねぇ。それを承知で、ぜひ、観に行ってみて下さい。
ぜひ、楽しんできてくださいね。
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